播惑闘球団 Barbarians

スクール指導員、カネカOBやそのつながりで集まった播州地区Over40ラグビーチーム

ラグビーとビジネスの間

2008年10月20日 | Weblog
先週土曜日日経夕刊に、国際ジャーナリスト蟹瀬誠一さんがラグビー日本代表ヘッドコーチ:ジョン・カーワンを取材した記事がありました。長い文章なのでポイントのみ紹介します。

「ラグビーもビジネスも、勝者の文化への転換が日本再生の鍵となる」
 男の器量とか魅力は一概に仕事の成功だけで測れるものではない。もちろん財産の多寡でもない。その証拠にこれまで多くのトップ経営者や各界のリーダーをインタビューしてきたが、もう一度会って話を聞きたいと感じさせられた人物はさほど多くなかった。つまるところ、立場や経験に関係なく、揺るぎない信念と寛容の精神、そして新しいものへ挑戦する情熱を持ち続けているかどうかが魅力のバロメーターとなるのだろう。ジョン・カーワンはそんな数少ない魅力的なリーダーの一人である。~中略~「負け癖がついていたんです。」彼の口からまず飛び出したのはそんな日本チームに対する厳しい評価だった。カーワンはそれを英語で"losing culture"(敗者の文化)と呼ぶ。選手たちが手を抜いているのではない。一生懸命やっているのだか勝てない。いいプレーを見せるのだが結果は敗北。やがて目的を失っていつも負けるようなプレーになってしまう。そんな精神状態のことを言っているのである。まさに世界経済が失速する中、自信を喪失した日本企業が直面している状況と同じではないか。~中略~ 必要なことは三つしかないと彼は言う。
 まず、高い目標を設定すること。「日本一ではなく、世界一」。日本人は方向を決めれば疑うことなく粘り強く進む特性があり、学習能力も高い。トヨタやソニーのように世界トップ企業が存在するように、日本には本来、"winning culture"があるにもかかわらず、それを見失っている。
 2番目に己の強さを知ること。日本人選手には世界選手にひけを取らないスピードと敏捷性がある。相手の体が大きいとか、一度も勝ったことがないとか、言い訳ばかりしていては決して結果は出ない。"No excuse"(言い訳はするな)はカーワン家の家訓でもあった。彼の父親が口癖のように言っていた言葉は、「大きな壁は自分が成長するためにある試練だと思え」。
 3番目は愛。愛などと聞くと私には気恥ずかしくなってしまうのだが、彼が言いたいのは、とにかく自分がやっていることには誇りと愛着を持て、ということ。どんなにつらい仕事でも好きであればやり続けられる。好きになる努力も怠ってはならない。 ~中略~ もう一つ興味深いことは、彼が勝者の文化として日本の武士道に心酔していること。 ~中略~ 彼が言う"modern Samurai"の意味がわかった。それは、誠実に勇気を持ってチームの名誉のために尽くすことに他ならない。「大切なことはチームすべての仲間を裏切らないこと」と彼は力説する。そのためには共通の目標と共通の認識、つまり、コミュニケーションが不可欠だとして、カーワンは選手一人一人と週に2回は個別に話をする機会を作っているそうだ。"Life is about trust"(人生はすべて信頼だ)という彼の信念が今、日本ラグビーを確実に強くしている。

John Kirwan:1964 NZ出身。NZ代表として63キャップ。'97来日、NECで3年間プレー、'02イタリア代表監督、'07年日本代表ヘッドコーチ。
蟹瀬誠一:1950石川県出身。米AP通信社記者、仏AFP通信社記者、米TIME誌特派員を経てTBS「報道特集」キャスター。現在は国際ジャーナリスト。(蟹瀬さんはいつも格調高い英文でコラムなどを執筆されていますが、この記事の原文はもちろん和文です。)

いつもスクールでは生徒にえらっそ~に講釈たれてますが、振り返って自分自身、仕事の不甲斐なさに大いに反省であります。

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