2月23日付日経の交友録に下記記事がありましたので紹介します。スクールコーチにも十分通じるいい話ですね。
~プレーより心~
足が速いわけではなく、パスも下手。大阪体育大学ラグビー部に入った私は、当時八人いたスクラムハーフの中でも七、八番目の選手だった。
それが二年生になると準レギュラーであるBチームに入り、夏前にはAチームへ。「大抜擢や」と誰もが驚く中、競争相手は「なんであいつが」と不満な表情。坂田好弘監督いわく「一番声出しとるからな」。
監督は技術より心を大切にする人だった。百人以上の部員を学年や技量で分け隔てせず、真摯に取り組んでいるかどうかで見ていた。一年生の頃、雑用で気を利かせていないという理由でそろって上級生に丸刈りにさせられたときには、「一年生はよくやっている」と、逆に上級生を叱った。
平等の精神は卒業後も変わらない。結婚する際、式に来てもらおうと招待すると、欠席の返事。誰に聞いても出席したという話が出てこない。行ったり行かなかったりでは不公平だからと、心の中で祝うのにとどめているのだろう。
「おまえのところはいいやつが多いな」。東芝の選手について、プレーよりひたむきな姿勢を評価してくれる。監督の教えを心のよりどころにする者にとって、これに勝る褒め言葉はない。(瀬川智広=東芝ブレイブルーパス監督)
~プレーより心~
足が速いわけではなく、パスも下手。大阪体育大学ラグビー部に入った私は、当時八人いたスクラムハーフの中でも七、八番目の選手だった。
それが二年生になると準レギュラーであるBチームに入り、夏前にはAチームへ。「大抜擢や」と誰もが驚く中、競争相手は「なんであいつが」と不満な表情。坂田好弘監督いわく「一番声出しとるからな」。
監督は技術より心を大切にする人だった。百人以上の部員を学年や技量で分け隔てせず、真摯に取り組んでいるかどうかで見ていた。一年生の頃、雑用で気を利かせていないという理由でそろって上級生に丸刈りにさせられたときには、「一年生はよくやっている」と、逆に上級生を叱った。
平等の精神は卒業後も変わらない。結婚する際、式に来てもらおうと招待すると、欠席の返事。誰に聞いても出席したという話が出てこない。行ったり行かなかったりでは不公平だからと、心の中で祝うのにとどめているのだろう。
「おまえのところはいいやつが多いな」。東芝の選手について、プレーよりひたむきな姿勢を評価してくれる。監督の教えを心のよりどころにする者にとって、これに勝る褒め言葉はない。(瀬川智広=東芝ブレイブルーパス監督)