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はじめて味わったのは数年前、スカンジナビア半島のさらに北西、北極圏の島国、アイスランドであった。農作物はほとんどとれないこの国では漁業とわずかながらの牧畜、電気炉でのアルミ精錬などが主たる産業。面積は北海道程度。人口は加古川市とほぼ同等ながらも、当時すでに豊富な自然エネルギー(水力と地熱による発電)を背景に、水素社会に挑むエネルギー先進国。夕食に立ち寄ったシーフードレストランで地酒を注文すると出てきたのがBrennvinというAquavitであった。生牡蠣やニシンの酢漬けなどのシーフード料理の臭みを適度に冷やしたアルコールとキャラウェイの香りが消し去る。やはり酒はその土地柄をアピールする。
別の機会にコペンハーゲンのレストランで同様の酒を注文した。Brennvinはなかったが、そこで勧められたのはLINIEというノルウェーのAquavitであった。透明ガラスのボトルの肩には"AROUND THE WORLD AND TWICE ACROSS THE EQUATOR IN SHERRY CASKS"と浮き彫りがある。これは昔、船に積まれて揺れながら赤道を越え、引き取り手のなくなった樽をそのまま積んで帰ってきてみたら、おいしい酒になっていたという発見に基づく同社のキャッチフレーズである。その醸成法は現在も踏襲されており、ラベルの裏にはそのボトルのロットの航海記録(船名、航海期間)が記されている。ややまろやかな舌触りで、この銘柄はその後、私の気に入りのひとつとなった。
ここで訪問したDTU(デンマーク工科大)では、休暇中であったのか、人気がないキャンパスの中、芝グランドにH型ポールが立っていた。異国の地での妙な安堵感。この地のラガーはどんなラグビーをするんだろう。VIKINGの末裔ならきっとガツガツゴリゴリ‥?。そんな想像をしながら短い滞在を終えた。