Kajitama News

同志社大学法学部梶山ゼミの連絡板です。

水辺に来て、水を飲んでもらうために…

2024-06-15 17:09:00 | Kajitamaの近況・つぶやき

昨日から、民法概論の2クラス目に入りました。
クラス1のほうは、「契約の世界を整理したら」のオンデマンド配信(担当者は私)です。今回も、字幕付き配信です。

考えてみれば、春学期も(オンデマンド配信のDOWeekを入れて)10週目に入ったわけで、対面授業はあと4回、そして、期末試験+最終週オンデマンド…
契約法では、来週末、オンラインでの確認テストを行います。予定よりもやや遅れ気味ですが(ただ今、賃貸借の2回目)、まぁ、ほぼ想定内なので、問題ないでしょう。
 
今朝早く、民法概論の受講生から質問が届きました。
過払金に関する最高裁平成11年判決に関する質問です。
民法概論の担当回では、お金を借りる契約を取り上げ、利息の話も行います。その流れで、過払金の話にも触れます。
まぁ、民法概論が始まった頃(2013)とは異なり、今はトピックスとしてあげるにも古すぎる気がして毎年、差し替えを検討しているのですが、まだコマーシャルは流れているし笑、不当利得や消滅時効の「チラ見せ」も出来る、便利な教材なので、工夫しながら使っています。
 
「質問は自分で調べてから」の指示を守り、平成11年判決やみなし弁済規定も、自分で調べて読んでみたようでした。
昨日の授業が終わってから…です。1年生にとっては、大変だったでしょうが、それでも「知りたい」と喰らいつく姿勢が素晴らしい!
貸金業法の旧規定を探し出すのに苦労したらしく、そうした廃止条文の探し方を教えてほしい、とも書かれていました。
いい質問をもらうと、うれしくなりますから、朝ごはん前に、時間をかけて、丁寧に回答しました。
 
資料の探し方は、リーガル・リサーチで教わります。
でも、正直、ほとんど身についていません。
レポートを書いて提出しなければならないので、「必要性」がないはずないのですが笑、「欲しい情報」「読みたい文献」にこだわらず、「とりあえず、見つけた文献を使う」ことでやりすごせば、そうなるでしょう。
でも、この学生さんのように、「どうしても確認したい」と自分で探してみて、「その探し方を知りたい!」と思って「探し方」を教えてもらうと、それが身につくわけです。
 
さて…
今期の朝ドラ「虎に翼」は、家族法改正、家庭裁判所の設立と、戦後の法制度改革を描いています。
今週は、多岐川幸四郎という個性的な人物が出てきました。モデルは、家庭裁判所の父と呼ばれた宇田川潤四郎さんです。
今朝、多岐川を演じる滝藤賢一さんのインタビュー記事を読んで、思わず、「おぉ!ええ言葉や!」。
 

【虎に翼】滝藤賢一さん 家裁に情熱を燃やす変わり者、多岐川を演じて NHK朝ドラ - 虎に翼

連続テレビ小説「虎に翼」。変わり者だが家裁への熱い情熱を持つ、寅子(伊藤沙莉)の上司・多岐川幸四郎を演じる滝藤賢一さんにインタビュー。

虎に翼 - NHK

 
若い人のやる気を出させる天才でいたい…
アラ還になったせいか、沁みる言葉です。
実際の自分は、「やる気を出させる天才」にはほど遠く、それでも何か「キッカケ」を与えることはできないかと、日々、試行錯誤(なんて、キレイな言葉ではなく、ジタバタ)しています。
 
ちょっとした「出会い」で人生を変わることがあります。
授業やゼミ、法職講座も「出会いの場」の一つです。
SNSでの発信や「誰アク」に取り組んでいるのは、そもそも、「出会いの場」に来てもらわなければ話が始まらないから、です。
 
「馬を水辺に釣れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」とよく言われます。
その通りです。そして、たぶん、無理やり引っ張って来られた馬は、なかなか水を飲んでくれないでしょう。
この先に水辺があること、水がおいしいことを知ってもらう…
そのためには、時に、水辺のそばで花火をあげて人集めすることも必要ですし、
一歩踏み出すことに迷っている人の背中を、絶妙なタイミングでそっと押すことも必要だと思っています…が、難しいですね。
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