漢方を利用した食養生・・・長崎から

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開生薬局の紹介

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ストレスにやさしい生薬のいろいろ 第20回 痰をとる生薬・・・1 半夏(はんげ)

2010-01-19 21:48:23 | 漢方・薬用植物


今回のテーマは痰をとる生薬・・・1 半夏(はんげ)です。

半夏という字は何となく仏教の言葉のような感じがするのは私だけでしょうか?「さだまさし」さんが
書いた小説に解夏(げげ)というのがありそれと似ているなという気がしてなりません。

大辞泉で半夏と引くと3番目にやはりありました。

1 「半夏生(はんげしょう)」の略。《季 夏》
2 カラスビシャクの漢名。また、その根茎を、外皮を取り除いて乾燥したもの。漢方で去痰(きょたん)・
  鎮嘔(ちんおう)・鎮吐薬などに用いる。《季 夏》
3 仏語。夏安居(げあんご)の中間にあたる45日目の称。

とあります。

ここで扱う半夏は2番目の半夏です。


それでは


第20回:痰をとる生薬・・・1 半夏(はんげ)


Title.jpg

Hange.jpg


★痰(たん)と言えば半夏


 中医学では体内に停滞したドロドロの病理産物を痰(たん)と呼んでいます。
広い意味では、ノドから出る痰(たん)だけでなく、鼻水、血管や内臓に堆積し
たコレステロールなどの脂分も痰(たん)の仲間に含まれます。

 中医学では経絡・経脈と呼ばれている道を気(き)や血(けつ)が流れ、それ
によって全身に栄養や情報を伝えているとしています。もし痰(たん)がこれら
の通り道に滞(とどこお)ると不眠・めまい・動悸・喘息・吐き気・胸のつかえ・むくみ・手足のしびれ・
半身不随などを引き起こします。

 このような状態を改善するのがサトイモ科の植物の半夏(はんげ)です。このため半夏(はんげ)を
主成分とする漢方薬も多く、しかも多くの病気に応用されています。神経症・不眠を治療する代表薬
としては温胆湯(うんたんとう)があります。



付録:一行生薬百科;
      生薬名/基原/薬性/薬味/効能

半夏(はんげ)
/サトイモ科、カラスビシャクの根茎/温/辛/鎮吐、キョ痰、平喘


参考:

Kyo.jpgキョ痰のキョ



カラスビシャク:Wikipediaより

 特徴

葉は長い葉柄があって立ち上がり、先端に3枚の小葉を着ける。葉柄の中ほどにはムカゴを着ける。

開花期は初夏。テンナンショウ属のものによく似た花で、緑色。付属体の先端が細長く伸びているの
で、ウラシマソウを小さくしたような花序の姿である。ただしこの属の特徴として雌花序部が背面で
仏炎包に癒合しているので、筒部の下半分がやや細くなって見える。

生育環境

山地の道端や畑地に自生する多年生草本で、畑では雑草になる



 利用

コルク層を除いた塊茎は、半夏(はんげ)という生薬であり、日本薬局方に収録されている。鎮吐作用
のあるアラバンを主体とする多糖体を多く含んでおり、半夏湯(はんげとう)、半夏瀉心湯(はんげしゃ
しんとう)などの漢方方剤に配合される。他に、サポニンを多量に含んでいるため、痰きりやコレステ
ロールの吸収抑制効果がある。 なお、乾燥させず生の状態では、蓚酸カルシウムを含んでおり食用
は不可能。

カラスビシャクが生える7月2日ごろが半夏生という雑節になっている。

北アメリカの一部では、侵略的外来種として問題視されている。


カラスビシャク.jpg カラスビシャク


半夏生:

「ハンゲショウ(半夏生)」はドクダミ科、ハンゲショウ属の多年性落葉草本植物です。
茎は60~100cmになり、枝先に細長い花穂を伸ばし小さな花をつけます。花色は白で、いわゆ
る裸花で、花弁も蕚片もありません。
葉の表面が白く変化し、開花期にはドクダミに似た独特の臭いを出します。

名前の由来は、夏至から11日目の半夏生の頃に花を咲かせることからつけられたとする説と
葉の一部を残して白く変化する様子から「半化粧(半夏生)」とする説があるようです。

片面(表面)だけが白くなることから、別名をカタシログサ(片白草)と言われています。
この植物は薬草の「半夏(カラスビシャク)」とは別種です。


ハンゲショウ(半夏生)(半化粧).jpg 半夏生

*半夏生のもう一つの意味:広辞苑より

七十二候の一。夏至(げし)から11日目に当る日。太陽暦では7月2日頃。梅雨が明け田植の終期とされる。



夏安居(げあんご):広辞苑より

あん‐ご【安居】
〔仏〕(梵語  雨・雨期の意) 僧が一定期間外出しないで、一室にこもって修行すること。普通、
陰暦4月16日に始まり7月15日に終る。
雨安居(うあんご)・夏安居(げあんご)・夏行(げぎよう)・夏籠(げごもり)・夏断(げだち)など
という。禅宗では冬にも安居がある。

*とう‐あんご【冬安居】
〔仏〕陰暦10月16日から翌年の正月15日まで(臨済宗では2月15日まで)行う冬季の安居(あんご)。
ふゆあんご。ゆきあんご。


<次回以降予定>
   
   第21回:痰をとる生薬・・・2 竹茹(ちくじょ)・沙棘(さーじ)
   第22回:ストレスにやさしい生薬の特徴とその比較
   第23回:(最終回)ストレス解消大作戦 あなたはどのタイプ?
 
 順次更新していきます。

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