「ゴールドマン・サックスが解れば世界経済を操る大謀略が見えてくる」by 鈴木啓功を読みました。知り合いのブロガーから借りたのです。
序文に、「なぜ、私は本書をかくのか。それは「私は米国のスパイとして使われた」という過去だ」。
なかなかググッとくるつかみですね。
ゴールドマン・サックスが解れば世界経済を操る大謀略が見えてくる | |
鈴木 啓功 | |
成甲書房 |
ところが、別に米国のエージェントとしてスパイ活動をしたというわけではないのです。
自分の書いた資料が米国の対日貿易交渉の際のデータにつかわれたかもしれないという程度です。
ダブルオーセブンやエイリアスのようなエージェントだったのかなと期待してた私はがっかりでした。
で、本の内容もいわゆる陰謀論です。
鬼塚氏のバカ本よりは百万倍ましだけど、精緻に書かれれば書かれる程このひとちょっと…という気がしてきました。私はね。
ゴールドマン・サックスの歴史がわかる点では面白いです。
この点だけは非常に面白い。でも以外は何の新鮮味も面白みもないです。
そもそも、だから将来はこうなるという将来への予測とか一切ないのです。
過去の歴史といかに米国勢に日本の資産がのっとられていったか、あるいは市場がコントロールされていたか、という一方的な決め付けに基づいた論が展開されるだけです。
ま、陰謀とかロスチャイルドとかで本書く人は大体似たような人が多そうだよね(笑)。
「ゴールドマン・ショック」
私は初めてききました、そんなの。
SECに提訴されて円換算で500億円程度罰金払って和解した話です。
だれがゴールドマン・ショックだなんて命名したのかね!
ゴールドマンにとってはたった500億円ですよ。
著者の金融関連の情報源はそうとう浅いですね。
おそらく金融はまったくのど素人でしょう。
さらに強烈なのが、「ゴールドマン・サックスの予言はこれほど的中する」ってところ。
「さて、ゴールドマン・サックスは(顧客を相手に)常に「予言」未来予測レポートを発表している。よって、これ以外にも同社の予言は無数にある。
同社の細かい予言については詳解しない。ここでは「ゴールドマン・サックスの予言が的中するというじじつを記憶しておいていただきたい」
おいおい、予言が的中しているかどうかをちゃんと検証してからいってくれ!
氏はどの程度よんでいるのだろうか?
せいぜい、日経と日経ヴェリタス程度?あの誰も読まない…。
実際、ゼロヘッジとかではゴールドマンのアドバイスは顧客に損をさせているってバカにされています。
この著者も自分の結論を先にだして必要なデータだけ拾って本を書いている感じだね。
よかったらどうぞ!