大竹愼一著、「投資は頭だ!」読みました。
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投資は頭だ! |
大竹愼一 | |
フォレスト出版 |
でたばかりの本です。
副題に日経平均4000円、1ドル60円、1ユーロ90円時代の賢い儲け方とあります。
これは完全に出版社がつけたタイトルですね。
出版社みたらフォレスト出版です。
苫米地氏の本で有名ですね。
なるほど!
で、本の内容ですが、「はじめに」の部分、すごくいいこと書いてます。
いきなり、「私は恐慌第三幕が起こるのは日本か中国だと予測している。仮に日本でなく、中国で恐慌が起きるとしても、日本は壊滅的状況に陥る。」で始まります。
う~ん、すごい。思わず買ってしまいました。
中国の分析は面白かったです。
最終的に戦争ってあたりが昨今のスピリチュアルブームとちょっと重なりを感じましたが。
反面、「ドル危機とアメリカ経済は別の話」、というのはすこしもわからなかった。
基軸通貨としてのドルは将来どうなるかわからないが、米国経済は堅調だ、といいたいみたいだけど。
説得力がまるでないんだよね。
米国経済が堅調っていうその根拠がマンハッタンの雰囲気の話だけではね。
米国の危機をあおっているのは米国のブロガーたちです。
それから、楽天の三木谷氏を「強者による収奪」と呼んでいるのはいいですね。
純粋に共感です。
ただ、読み終わった全体的な感想として、分析は浅いです。
金融界の動向についてもほとんど触れていません。
そもそも、大竹氏の個人的経験の話が多く、あまり説得力がないのです。
個別株の推薦もないし、日経平均4千円の根拠もなければ、それがいつなのかもありません。
長期的にこうなる、ってことなんでしょうけど。
読んでいて、なるほど、参考にしようとおもったのは、「札の刷り過ぎでハイパーインフレにはならない」というくだり。
ハイパーインフレの問題は物資枯渇が唯一の原因といえる、と断言してます。
だから極端な保護主義に世界各国が一斉にむかわないかぎりハイパーインフレは起きないと。
それは納得です。でも、別のページの「日本国債が破たんする日」では、その日は決して遠い先の未来ではないと言っています。
国債が破たんしてもハイパーインフレにはならない?
国債が破たんしたら強烈な円安になるわけで、そうしたら物資枯渇は日本においては発生しうるんじゃないかな。
それとも日本国債の信用力とは関係なく、円は強いのだろうか?
それから、もっともうさんくさかったのが、「ゴールド相場が危うい理由」と金相場の終焉を予測しているくだり。
「われわれはゴールドを買うより先に金鉱山株を買うという発想をもっている。だから、ゴールドの世界では、ゴールドの相場が本格的に上がるときは先行して金鉱山株が上昇するというパターンがある。」
その金鉱山株の「動きが甘い」そうです。
どういう意味?
金鉱山株が先行しておちていて、それが発展途上国の環境問題に起因するものだと氏は考えています。
私もこのマーケットは相当ながく見てきましたが、そんな話は初めてききました!
超び~っくり!
さらに金に疑問を呈しているのが、日本での金投資ブーム!
日本から金は流出しているんですよ!大竹さん!
どこがブームなんですか?
みんな、話は聞きに来ますが、だ~れも買ってません!
そりゃ、いつかは下がりますよ。
氏が推薦していたSFCGなんか会社がなくなっちゃったわけですから。
大竹氏は海外で日本株だけ売買していればいいんじゃないでしょうかね?
私は日本株投資には松藤氏のジパング以外、まったく興味がないので、この本は参考になりませんでした。
巻末にフォレスト出版らしくCDついてました。
アマゾンで中古で売ろうとおもったので、開封はしません(笑)。