「史上最悪の大破綻!!」(ラビ・バトラ著)
読みました。
副題は「2010年~2015年 緊急!近未来10の新予測」
とあります。
ラビ・バトラといってもユダヤ人でありません。
インド出身で南メソジスト大学で経済学教授をしてます。
でも、この本は経済の本ではありません。
予測の本です。
買って読みました。
昔、流行った、聖書の暗号とかと同じたぐいです。
だから、経済学はすこ~しもでてきません。
経済学の知識はいりません。
結局、当たるか、当たらないか!です。
経済に関する予測ではありますが、経済について論じている本ではないです。
中身に触れる前に、一言。
巻末に衝撃内容がありました。
全文を引用しますと、
「本書は、ラビ・バトラ博士に対するインタビュー、および、バトラ博士と親交が深いベマ・ギャルポ氏、藤原直哉氏の監修・翻訳内容などから、あ・うん編集スタッフがバトラ理論のエッセンスを凝縮し編集制作したものです。」
え~っ!書き下ろしじゃないの?
参考文献に自著がのっているくらいですからね(笑)。
ひどいですね。
まえがきでちゃんと告知しないと!
つまり、出版社が講演内容や過去に出版された本を再構成して販売しているということですよね。
おそらく、この本のラビ・バトラのオリジナルの部分は前半だけであって、あとは膨らませにふくらませたのではないかな?
頭にはくるんだけど、氏の予想は面白いです。
たとえば、
予測1:原油価格は1バレル30~40ドルに下落する
予測2:置き換えられたバブルが10年末までに破裂。史上最悪の大破綻へ
予測3:オバマ大統領の改革が止まれば大統領再選はない
予測4:フォードはGMやクライスラーと同じように支援が必要となる
予測5:現在の破たんはさらに拡大し、2015年前後まで終息しない
予測6:日本経済の最悪状態はこれからやってくる
予測7:イランは3年以内により民主的な方向に向かう
予測8:2009年後半から2010年前半に世界的な重大危機
予測9:中国で上海万博後に蓄積した矛盾が一気に爆発する
予測10:日本は財政再建と経済政策をマッチさせた経済・財政運営に成功すれば、プラウト・システムの革命に数年以内に向かう
というものです。
当然、根拠はそうとう薄いです。
新聞に書いてあるような内容から将来おこりうるだろう、的な予測です。
でも、その割には日本についての言及が目立つと思いませんか?
そんなに日本って重要?
っていうか、本当に氏が予測したのかな???
気になって著者本人のHPを見てみました。
http://www.ravibatra.com/
そしたら、どこにも原油価格が30ドルに下落するなんて書いてないんです!
本当にラビ・バトラ氏が上述の10の予測をしたのだかろうか?
私には、だれか別の人が書いたとしか思えません!
不思議です。
と、ボロクソ書いてきました。
が、この本を評価できる点もおおいにあります。
「将来の悲観シナリオ集大成」としてはホントによくまとまっているなと思います。
それにしても、この手の破局予想本ってホントによく見かけますよね。
世界経済、日本の財政、年金といろいろね。
株価=経済ではないので、ま、人々の暮らしがより苦しくなることだけは間違いないね。
企業献金の禁止とか官僚天下りの禁止とか、は空手形で、庶民いじめの大増税だけが待ち構えているわけだしね。
そういう意味では、予測6は既に進行中でしょう。