イソップ童話に『蟻(アリ)と螽斯(キリギリス)』という寓話があります。
最初は「蟻(アリ)と蝉(セミ)」だったそうですが、北ヨーロッパにはセミはいないそうなので、キリギリスになったと言われています。
働き者のアリ、怠け者のキリギリスとして
アリは夏の暑い日も冬の食べ物確保のため、忙しく働き巣へ食べ物を蓄えていました。
一方、キリギリスはそんな働きもののアリを嘲笑しながらヴァイオリンを弾き、歌を歌って毎日楽しく暮らしていました。
やがて冬が来て、食べ物を蓄えていなかったキリギリスは困って、アリに食べ物を分けて貰おうとするが、アリは、怠けて歌ってばかりしていたのだから、と言って断り、飢えたキリギリスは死んでしまいます。
この話は、別の結末も用意されており、
キリギリスが飢えて死ぬのは残酷だ、と、アリさんはキリギリスに食べ物を恵み、「夏の暑い日にも、せっせと働いていた時、私は貴方に笑われました。貴方は遊び呆けていたのでこうなったのです」と諭し、キリギリスは心を入れ替え、食べ物のお礼にヴァイオリンを弾き、真面目に働くようになる。
翁は、後の話の結末を何となく覚えています。怠けず一生懸命働きなさいと言われたように覚えています。
ところで、
昨今の円安や物価の上昇率は、あのバブル期以来31、32年ぶりと言われています。
先日もバブル期のデスコ、ジュリアナ東京?のお立ち台で楽しく踊っている姿をニュースで見ました。今思うと、とても日本にあった時代とは思えません。
土地の値段、ゴルフ会員権などが信じられないくらい上がりました。リクルート事件などという、今回の東京五輪、パラリンピック贈収賄事件なんて遠く及ばない大贈収賄事件もありました。そう言えば、江副浩正という利狂人もいましたね。
日本中が感覚が麻痺していたのでしょうね、今騒がれている某宗教団体を巡る事件なんて、失礼ながら可愛いものです。
兎に角、日本中がアリさんを馬鹿にしたキリギリスのように、歌って踊っていた時代でした。
報じられているように、物の値段も上がっていましたが、お給料もそれなりに上がっていましたので、気持ち的には今の時代と全く違って、生活が苦しいとは思いませんでした。
それでも
翁は、根が貧乏性なので、多少の恩恵には預かりながらも、こんなこといつまでも続くのかなと、相変わらずアリのように仕事仕事で疲れた日々を過ごしていました。
やがてバブルは崩壊、不動産会社は潰れ、不動産融資に嵌っていた銀行、生命保険会社などは次々に市場から退場、失われた20年、30年に突入しました。
そして、バブル期に、キリギリスのように歌って踊っていた若者たちも、今や立派な中高年、高齢者の仲間入り。
そして、もしかしたら、蓄えが少なく、生活が不安と言っているかもしれません。別に自己責任云々と言う気はありません。あくまでも想像です。
そして、自分を含め我々の心のどこかにあの時代を忘れられないキリギリスのような気持ちがあったかもしれません。
そのアリですら、昨今の物の値段の高騰で、大変苦労しています。まして、キリギリスのような方々は、、、。
マーイーカ!! 明るく元気で生きましょう!!
いつもの翁の戯言です。
終わり