遺言・相続

遺言や相続手続きをわかり易く

相続対策Ⅱ

2015-07-08 15:47:57 | 遺言・相続
前回、税のためだけを考えた相続対策は避けた方がいいと書きました。
これは、節税対策はしない方がいいということではなく、本来考えている相続の形を相続税対策だけのために無理な対策を行うことは避けた方がいいということです。
確かに、相続税の基礎控除額が4割引き下げられたため、平成26年までは課税対象にならなかったが、平成27年から課税対象となるケースも出てきますが。
最近、遺言書の作成等に際して相続税のことを気にして、無理に金銭を減らすことや、借金で賃貸物件を取得することを考えている方もみえます。
この場合、金銭から不動産などへ財産を変更することによって財産の評価という点から有利になることもありますが、金銭から他の財産への変更は、換金性の点で納税資金、手続き資金等が十分確保されないというリスクもあるということも考慮する必要があります。
また、借金による賃貸物件の取得の場合、その後の債務返済、賃貸物件の収益性等も考慮することが必要です。

又、税対策をされた結果、遺産分割に際し、賃貸物件が共有となっており売却に支障がでた、また、相続以後、維持管理費の負担割合等で親族間においてもめているなどのケースもあります。

相続対策は税負担のみを考えるのではなく、相続財産を相続人等が有効に活用できる長期的観点から考える必要があるのではないでしょうか。