最高裁で非嫡出子(婚外子)の法定相続割合が、嫡出子の2分の1とされる民法の規定は違憲であるとの判決がありました。
民法上、法律上の婚姻期間に生まれた子を嫡出子といい、それ以外で生まれた子を非嫡出子(婚外子)といいます。
ただし、婚姻成立の日200日後又は婚姻解消の日(離婚)から300日以内に生まれた子は婚姻期間中に懐胎したと推定され、推定された嫡出子とされますので、出生を知った日から1年以内に夫から嫡出否認の訴えが提起され否認が確定しなければ嫡出子ということになります。
婚外子については認知の届出をしなければ親子関係が認められません。判例により母親は出産の事実から届出がなくとも親子関係が認められますが、父親は認知が必要です。
さて、嫡出子と非嫡出子(婚外子)はともに親子関係があることに変わりはありませんが、法定相続分に関して民法では、非嫡出子(婚外子)は嫡出子の2分の1とする規定があります。
計算例では、
遺産 9千万、相続人 嫡出子1人、非嫡出子1人で
法定相続分は、 嫡出子 6千万円、非嫡出子 3千万円
となります。
判決内容の是非又は改正の有無はともかくとして、相続財産(遺産)については、遺言がなければ、相続人による遺産分割協議で決められなければ、家庭裁判所での調停又は最終的には裁判により決めることになります。
(この場合法定相続分が基準とされる可能性が高いと思われます)
相続に際しては、財産の形態、相続人の状態や関係その他の事情で相続が争いになりその後の親族関係にも影響が及ぼされることも少なくありません。
相続人に婚外子がいる場合などは特に感情的にも解決が難しくなります。又、相続が発生するまで互いに知らなかったり、疎遠であったりする事も多く、これが一層相続を難しくさせているケースもあります。
自身の遺産については生前に責任をもって、遺言等によって対策をしておくことが必要ではないでしょうか。