遺言・相続

遺言や相続手続きをわかり易く

遺言と遺留分

2014-05-18 16:18:22 | 遺言・相続

 遺言書を書くにあたって遺留分をどうしたらよいかという相談を受けます。

 遺言が無ければ相続財産は相続人の協議によってどのように相続するか決めることになりますが、遺言があれば原則として遺言が優先されます。 

つまり遺言者は自分の相続財産を遺言によって生前に自由に処分することが出来るわけです。 

これを相続人からみると、遺言がなければ相続人全員で遺産の処分を決定できるが、遺言があった場合、遺言で指定された遺産については自由に決められないということになります。

 例えば、全財産を1人の相続人に相続させる又は第三者に遺贈するという遺言がある場合、他の相続人には相続する財産は全く無いことになります。

 この様な場合、相続人の生活保障などの観点から兄弟姉妹以外の相続人が一定の相続財産を相続できようにするのが遺留分ということになります。

 ただ、相続分は相続開始時に各相続人が相続したことになりますが、遺留分を得るには遺言で相続した者又は遺贈を受けた者に権利者が請求(遺留分減殺請求)することが必要です。

 遺留分の請求は必ずしなければならないものではありませんが、相続を知った日から1年、相続開始から10年で時効となりますので、一般的には亡くなってから1年で請求できないことになります。 

遺言者は相続財産を遺言によって自由に処分する権利がありますが、遺留分はその遺言内容を制限することになりますから遺留分減殺請求によって相続人間で争いが生じる場合もあります。

 遺言をする場合は、遺言内容に関する補完的文言を作成することも必要ではないでしょうか。