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サッカーあれこれ(48)

◎日本代表に警鐘鳴らす
 振り返ってブラジルW杯、そしてアジア杯での、マスコミの事前予想や紙面構成、主力選手のスター扱いなどは、かなり甘く楽観的でした。
 たしかに選手個々の技術(球扱い)はかなり上手くなったと誰もが言います。また中盤での軽快な球回しなど、見ていると全体のレベルが高くなった、と錯覚させる部分はあります。
 だが、最近とくに私は考えるのですが、こんなに楽観していいものか。日本代表の惨敗は、ただ騙されたファンの期待を裏切っただけでなく、かなり深刻です。
 期待されるはずの欧州で働く有力選手も、ベンチを温めたり、途中で交代させられたりで、日本のファンが考えているほど評価されていない。世界ランク55位は、実力どおりです。
 気になるのは、日本サッカー協会幹部の密室での監督選びのモタモタぶりです。最初から日本人の監督はダメと勝手に決めつけて、フリーの名の知れた外国人監督に声をかけ回っている。みっともない。
 「どこそこの代表をベスト16に進めた」という実績だけで、その監督を連れてきたら、それだけで勝てると錯覚している。やるのは選手です。しかも残された期日は多くない。
 いまのままなら、ロシアW杯アジア予選も危ないと私は感じています。

◎守備を固める相手ばかり
 世界の国々をA、B、C、Dにランク付けしたら、日本はC級の上といったところでしょう。アジアでの相手は、日本と同等の相手のC級か格下のD級ばかりでしょう。みんながっちり守備を固めてくる相手ばかり。
 南アフリカW杯で成功したA、B相手の守備的戦法が通じるはずはなく、どうやって厚い防御網をくぐって攻めるか。きれいなゴールばかり狙う耽美派の日本にそれができるか。
 相手からどんどんボールを奪って全員が動き回って相手の裏をつくサッカーが、体力的にもどれだけできるか。大胆なロングボールを敵陣にいくら放り込めるか。
 それにアラブ諸国やウズベキスタンあたりの進歩は著しい。そう簡単に勝てる相手ではない。そこらあたりを、新監督がどれだけ理解してくれるかどうか。35本シュートを放って得点一つといういやなシーンが目に浮かびます。

◎個人で戦える選手
 ちょっと話題を変えます。東京新聞2月21日付朝刊に、フランスで働く女子サッカーの大滝麻未さんの興味深い手記が載っていたので紹介します。
 「日本ではチームあっての個人ですが、こちらでは個人あってのチーム。まず、個人で負けないことが求められます。日本は技術のある選手が多いのですが、一人の力で局面を打開できる選手は、海外の方が多いように感じます。(中略)こちらでは個人で戦える選手になるための環境が整っています」
 なるほど、そうか。日本の現状をズバリ衝いています。男の日本代表に、個人で戦える選手が何人いるだろうか。みんないい子になって「横断歩道、みんなで渡ればこわくない」では、勝てないですよね。新監督がそこらあたりの、見た目の上手さをどれだけ理解してくれるやら。
(以下次号)
 
 
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