Kボーイの根岸線日記

鉄道が大好きな管理人によるブログです
主に京浜東北・根岸線について書いていきます 
とかいいつつ模型ネタ多め

真備町の「エラヤ」で購入した水没品のNゲージ鉄道模型を修理する(181系編)

2018-10-27 02:19:10 | 鉄道模型‐全般

〇ご案内
115系も修理が完了しました、
詳しくは下のリンクからご覧ください

10月18日加筆・修正分:コチラ
10月20日加筆分:コチラ
10月27日加筆分(181系完結):コチラ

115系の修理記事は:コチラ

こんにちは


Nゲージ趣味のおいて
時々無計画で衝動買いすることも
楽しいKボーイです

もちろん、
毎回はダメですよ?

でも、
模型屋で出来の良さに一目ぼれ
とか、
面白い中古商品を見つけて買う
とか、
他人に煽られて買うとか

実に楽しいと思いませんか?

しかしながら、
今回の記事で出てくる車両たちは
衝動的かと言えば極めてノーである

とにかく直せることを
優先にして選んだ車両達です

修理部品を確保できる
可能性を勘案しながら、
レストアできそうなものを買いました

もちろん、そこをあえて
挑戦するのも否定しませんが、
苦労しますよ?

というわけで、今回のお話は

2018年7月の西日本豪雨で被災した
倉敷市真備町の模型店「エラヤ」さんにて
購入した水没Nゲージを修理するお話です

私なりに色々と思うことがあって、

閉店直前の9月28日に
神奈川県からはるばる訪問しました
訪問記事→コチラ

既に大部分が片づけられた店内でしたが
残っていた商品の状態に
水害の恐ろしさをまざまざと見せつけられました

色々と悩んだ末に購入したのは
・KATO 115系1000番台 湘南色(JR仕様)4両セット
・KATO 181系100番台「とき・あずさ」6両セット
・TOMIX 12-1000系 客車セット(12系1000番台の4両セット)
の3セット合計14両です

このうち、
12系は友人のいなば路快速氏に譲渡したので、
残り2つが私の修理の対象ですが、
何分、水没したNゲージを扱うのは初めてのことで
修理方法はまったくの手さぐりになります

 

ひとまず車両を全て取り出して
適当な段ボールに移しました

車両の状態ですが


泥水に浸かって泥まみれです

ブログでは伝わりませんが、
土の匂いというのか

身体に悪そうな臭いがします

何しろ水害の泥ですから、
恐ろしい感染症のリスクもあるので
まずは最低限洗うことにしました

バケツに水と除菌タイプの食器用洗剤を入れて
動力車以外の車両を丸ごとバケツの中へ

しばらく置いて、軽くブラシで汚れを落としたら
乾いたぞうきんの上に置いて乾燥させました

まずは181系のクハ181-106を
先行的に修理することに

泥水が各部に侵入しているので、
車体の分解できる部分をすべて分解
本格的に部品を洗浄・消毒します
※詳しい方法は後述します


(消毒・清掃の終わった車体)

一方で下回りは

ライトユニットはダメになっていて、
生憎画像はありませんが、
集電板も完全にアウトな状態

中間車なら集電板を
無視してもよいのですが、
ライトを点灯させる先頭車なので、
集電板を無視することはできない

さて、どうするか?

結論を言うと

ホビーセンターカトー東京店、
(ホビセン)に行って

床下セットと台車を購入

多少の罪悪感を感じつつも
下回りは新調することになりました

KATO製品の場合は、
集電板とライトユニットの両方がダメなら、
本当にどうしようもありません

集電板が無事ならば、
床下は再利用可能ですが
集電板が酸化して粉を拭いている
状態では無理です

あとは組み立てれば


クハ181-106の修理完了

水没を感じさせない状態になりました



(修理前との比較)
この調子でどんどん進めていきます

---10月18日加筆・修正分---

次にモハ181-114と
モハ180-114の修理に取り掛かりました

下洗いをしたとはいえ、
座席パーツや床板のように
凹凸のあるパーツには
まだまだ汚れが残っています

そういったものを含めて、
部品単位で本格的に洗浄します

その洗浄方法ですが、
ネットで色々調べてみると
どうやらクエン酸が効果的らしい

そこでドラッグストアで
食品添加物用のクエン酸を購入

TOMIXの車両用クリアケースの中に
水と食器用中性洗剤、そしてクエン酸を投入
クエン酸は小さじ2杯分ぐらい入れたかな

※クエン酸はそこまで強い酸性ではないので
多めに入れても問題ありません

程よく混ざったところで、
ボディと窓ガラス以外の部品を浸し、
そのまま一晩置きます

そして、
使い古した歯ブラシで部品をこすり、
水できれいに洗い流しました

ボディと窓ガラスをつけ置きしない理由は
車番や窓サッシ、Hゴムといった印刷への影響が不明だから

KATOの製のボディや
窓ガラスの印刷への影響はなさそうです
(ただし、こすり過ぎに注意)

しかし、TOMIX製は要注意です

特に窓ガラスのサッシの印刷が
落ちやすいそうです

実際、いなば路快速氏によると
12系の側面窓のサッシの印刷が
全て落ちてしまったとのこと

さらに、今回は念のために

金属部品以外は
キッチンハイターにもつけました

500mlの水に対して、
ペットボトルキャップ1杯分(5ml)の
キッチンハイターを入れると、
消毒に丁度良いとのこと

30分程度浸して、水で洗い流します

試しにボディもつけてみましたが、
目立った色落ちはありませんでした

これで汚れはおおむね取れますが
それでも細かい所に汚れが残るので、
それらは消毒用アルコールで丹念にふき取りました

さて、モハ181は動力車ですが、
動力ユニットは言うまでもなく…

うわ…(絶句)

どう見ても無理

モーターは固着していてから、
軸部分を持って無理やり回転させたら、
赤茶色の細かい錆がバラバラと落ちてきた

わかってはいたけど、
本当に嫌になっちゃった

この記事の最初の方で
『色々と悩んだ末に購入』
と書きましたが、この部分には
「動力車のある電車・気動車を、
買うか否か逡巡した」
という意味もあります

水没した動力車が
まともに動くわけがないし、
そうなると修理費用が高くつく
だったら気楽な客車セットでも買った方が良い

でも、何だかんだで
電車製品を買ってしまい、

案の定、頭を抱えているわけです

まいったね

でも、次の一手は既に打っていて

先日、ASSYパーツが発売された
189系 あさま小窓の動力ユニットを秋葉原で入手

181系と同じ21m級動力なので、
座席パーツと床下機器パーツを交換すればOK


動力台車は片方を水没品を再利用、
もう片方は手持ちの新品に交換しました

台車を片側だけ新品に交換した理由は、
集電に不可欠な金属部品の劣化が心配だからです

特に水没した車輪に対する不安が大きいです

これを見て下さいよ

(左:新品の黒染め車輪、右:水没した黒染め車輪)
元はシックな黒染め車輪だったのが、
理由はわかりませんが、黒メッキがはがれて
すっかりピカピカの銀車輪になっています

黒染め車輪が
ボロボロになったことは
今までも何回もあります

しかし、このように
銀車輪になったのは初めての経験

この状態は果たして安定した状態なのか、
それとも、しばらくすると劣化するのか…

今回は使える部品は再利用しつつも、
走行の安定性も確保したいので、
片側のみ新品にすることに落ち着きました

ここだけの話ですが、
ホビーランドぽちの横浜店に
モハ181-114のジャンク品が転がっていて、
値段は3000円でした

それを買えば、
動力台車もついてきて、
一番手っ取り早いのですが、
水没したモハ181-114を
治す意味がなくなってしまう

そこは意地を通しました

一方の動力車ではない
モハ180-114の方は
全ての部品を再利用

サビが浮いたウェイトは、
サビをやすりで落としてから灰色で塗装

仕上げにユニクリーンオイルを表面に塗って、
防サビとしました



こんな感じで
モハ181-114とモハ180-114が完成

これで3両分が終了しました

115系を含めれば残り7両と先は長いです
このように水没した鉄道模型を修理するのに
結構な手間をかけています

閉業前のエラヤにて
水没したNゲージを購入された方は
それなりの人数がおられるようですが、
そういった方々はどのように修理されているのか、
気になりますねぇ

あっしなんか、2セット10両でも苦労しているのに
大量に購入された方は洗浄だけでも大変だろうに…

あまり情報が出てこないものでして…

---以下、10月20日加筆---

続いてモロ181-7と
モロ180-7の修理に取り掛かりました

・クエン酸+食器用洗剤で洗浄

・キッチンハイターで消毒
という流れはこれまでと同様です

しかし、これだけ洗浄しても

隙間や凹凸部分に汚れが残っています

白いから水垢だと思いますが
こうした汚れは消毒用アルコールを吹き付けて
爪楊枝でこすって落としたり、キムワイプでふき取りました

今回は2両とも単なるトレーラー車なので非常に気楽
部品も全て再活用できました

ただし、カプラーだけは

製品に標準搭載のフック付KATOカプラー密連形から、
最新製品に採用されている
フックのない新型タイプに交換しました

この新型カプラーは新性能電車用としては
カプラーの長さが異なる2種類が用意されています

181系に適合するのは品番11-731、
カプラーの長さが短いタイプです

他の車もこれに交換しました

また、一つうれしいことがありました

半ば諦めていた付属の行先表示シールを救出できました

台紙にカビが生えていて廃棄しようと思いましたが
キッチンハイターで消毒して乾かしたところ、
台紙だけをはがせることが判明

しかも、糊が生きていた!

さっそく他のシールの台紙に移し替えました

サボや愛称札が無いと寂しい…
と思っていたので非常にうれしい

さっそくモロ181に使ってみました


いやあ、良かった良かった
(追記:貼り間違えた)



無事にモロ181-7とモロ180-7が完成

これで181系はクハ181-107を残すのみ

ひとまず先が見えたので

一息入れつつ、妄想の時間に入りますか
『交通公社の時刻表』1973年2月号を使って


1973年2月号の編成表とか


急行アルプスの売店車とはサハ164の事

そういえば、KATOさん
165系「急行 佐渡」はまだですか?

早くサハ164のASSYを欲しいです
何で遅れているの
(いけずな発言)

懐に余裕ができるから良いけどね

---以下、10月27日加筆分---

では、最後のクハ181-107の修理になります

洗浄→消毒の過程は他車と同一なので省略しますが
問題となるのはライトユニットを含む下回りです

クハ181-106と違い、こちらのライトユニットは無事

電気接点部分がくすんでいたので
コンパウンドで磨きました

集電板類も同様にコンパウンドで磨いて復活させましたが、
ライトユニット集電シューが中々の曲者でした

ライトユニット集電シューは銅板を三角に折った部品で
ライトユニットを床板に押さえつける
バネのような役割を持っています

KATOのDCC対応の床板では、このバネ機能によって、
ライトユニットの安定した集電を行う構造となっています

ところが、その大事な機能が
研磨の際にうっかり曲げたことで機能不全に

その結果、一旦組み立てたのはいいけれど
ライトのちらつきが著しい状態に…

あきらめて集電シューは新品に交換しました

集電シューは共通パーツで品番Z06-1120になります

取り付けは簡単そうで、実は結構難しいです

でも


シューを交換して組み立てた結果、
ライトのちらつきが大分減りました

 

また、台車は片側だけ新品に交換します

交換の目的は集電の安定化ですが、
もう一つ、副産物がありました

それは先頭台車に
スノープロウが取り付け可能になったことです

今回修理した181系「とき・あずさ」は2013年発売の初回品で
台車にスノープロウの取り付けが不可でしたが、
修理に際して改良された台車に交換したため、
取り付け可能になりました

そこで、今回は先頭台車にスノープロウを取り付けします

スノープロウは品番Z04-6689
「クモハ115横須賀色スノープロウ」を使います

画像の左が取付台座付きの改良台車、
右が元からの台車になります

スノープロウを取り付けると、
先頭台車とスカートの間の隙間が埋まり

上の画像のように見栄えが良くなります

後は、サボシールを貼れば


クハ181-107の修理が終了

これにより、


181系「とき・あずさ」6両の修理が完了しました

9月28日に水没品を持ち帰ってから、
ひと月ほどで復活できました

どうにもならず交換した部品もありますが
あれだけ泥まみれだった車両を
レストアできて良かったです

無事に終わったら試運転

場所は宣言通り、
ホビーセンターカトー東京店の体験レイアウト

無事に走ってくれました

たった6両ですが色々と試行錯誤の上、
やっとここまでこぎつけました

聞くところによるエラヤでは、
場所を変えて残った品を販売するそうですが、
Nゲージに関しては修理の当てがないなら、
本当に買わない方が良いと思います

私ですら、見ての通り苦労していますから

まだ、115系の修理が続きますが
こちらは別記事にしようと思います

2018年11月24日追記

後日増結セットを購入し、

10両フル編成になりました

詳しい記事→コチラ

以上です

 

 

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2 コメント

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修理お疲れさまでした。 (NAVIEW)
2020-06-03 18:57:45
ネットで検索をしていたところ、偶然こちらの記事に行き着きました。とても苦労なさったことと思いますが、お店の方も、そして車両も喜んでいるはずです。いわば一種の復興支援ですね。素晴らしい取り組みだと感じました。本当にお疲れさまでした。
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re: (Kボーイ)
2020-06-04 20:29:13
NAVIEW様、コメントありがとうございます。

この記事を投稿して1年半経ちますが、未だに多くの方にご覧いただきまして非常に光栄です。

修理しているときは感染症のリスクもあったので、消毒を念入りに行うなど文字通り必死でしたが、お陰様で我が家のコレクションの一員になっております。



当時は、どこか後ろめたさを感じながら、少しでも再起の元手になれば、と思って購入しました。

今は矢掛で元気に営業中なので、真の復興支援として必ず再訪問しようと思っております。

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