こんばんは
そろそろ石油輸送と同じく
仕事が繁忙期になるKボーイです
さて、本日は
銀タキを含む新商品も発売されたし、
再びNゲージのKATO タキ43000について
あれこれ語りますか
(準備はいい?)
まずは実車の解説から
タキ43000は石油の大量集約輸送を目的に、
昭和42年(1967年)に登場した
43t積のガソリン専用タンク車です
以前は石油タンク車の花形でしたが
最近はタキ1000の増備と余剰により廃車が進行中で
根岸線内では243000番台しか見かけません
模型ではKATOからNゲージ・
HOゲージ共に発売されています
(ほかにポポンデッタ・旧河合商会)
KATOのタキ43000は
公式曰くベストセラー商品とのことですが、
プロトタイプとしてはおおむね、
タキ43100からタキ43437が該当します
(実車:タキ43415 南流山)
なお、タキ43438以降だと安全対策で
タンク体上部のランボードが強化型になります
さらにタキ43600以降の保安対策車になると、
タンク体の直径を50mm拡大し、
さらにタンク体の端部(鏡板)形状を
扁平に変更してタンク体の長さを短縮しました
この設計変更は台枠端部の緩衝長を伸ばし、
事故時に隣車の自動連結器がタンク体を貫通する
危険性を減らす目的があったそうです
ともかくタンクが太く、短くなり、
見た目の印象がだいぶ異なります
銀タキことタキ143645の基本装備は
おおむねこのタイプに準じます
44t積になった243000番台になると、
もはやタキ1000の台車を
TR214へ交換した方が実車に近い
と断言できるぐらい形態がかなり異なります
そんなKATOのタキ43000ですが
2018年11月に発売されたのが
特別企画品の品番10-1515
「タキ43000 日本石油輸送(黒・青・シルバー) 8両セット」
になります
KATO タキ43000として初のセット品、
注目ポイントは
唯一のステンレス製車体を持つタキ143645
および
こちらもKATOとしては初の製品化、
青色の日本石油輸送仕様です
元日本オイルターミナル仕様車で
JOTマークとOTマークのサイズの違いから生じる
社紋の黒い縁取りと、文字数の違いによる
社銘板の余白を再現しています
(車番は異なりますが参考用の実車画像)
車両構成としましては
銀タキを除くと
タキ43256(黒色 浜五井駅常備)
※タキ43398の画像は上を参照
タキ43398(青色 浜五井駅常備)
黒の方は既存品の車番違い、
と思ってください
では注目の
「銀タキ」ことタキ143645を
実車画像を交えながら語りますか
先に述べておきますが、
台車は新規金型ですが
そのほかは既存の流用になります
だからすごいです!
台車と標記以外は何から何まで全部違う
かといって発売前の製品説明で
「新規金型」とは明言していませんので
ウソではありません
まずは模型をどうぞ
銀色はアルミシルバーみたいでやや渋め
そして非常に光沢のある仕上がりです
では実車画像をどうぞ
(実車 蘇我駅にて)
どこからツッコミを入れますか?
あらゆるところが違い過ぎて無理だけど
パッと見では
タンク体上のランボードの形状
タンク体の受台とか違います
先ほど
「銀タキはタキ43600以降の
保安対策車に準じる」
と述べましたが、
他車との連結面を比較すると
その違いがよくわかります
左が銀タキ・タキ143645、
右がタキ43399です
タンク体の太さ、端の鏡板形状の違いが
よーくわかるかと
でもKATOさん、
台車にはこだわりました
実車の台車は
コキ1000形の廃車発生品のTR215G
通常のTR214台車とは
軸間距離が違うらしい
なんと、これを新規金型で再現!
他に使い道がないのに
よくぞ新規で作って下さいました
これはきっと、
タキ1000を銀色に塗って
より実車に近い銀タキを目指す方への
KATOから愛のお届け物です
実車の編成に関して
銀タキは2018年12月1日現在、
京葉臨海鉄道の浜五井駅常備で、
蘇我発13時44分の倉賀野行8883レで
よく目撃されます
せっかくですし
実際の編成をメモします
2018年12月1日 8883レ
EF210-123(新鶴見機関区)
タキ1000-444(JOT 根岸駅)
タキ43014(OT青 郡山駅)
タキ1000-458(JOT 根岸駅)
タキ43399(JOT黒 郡山駅)
タキ143645(銀タキ 浜五井駅)
タキ43325(JOT黒 根岸駅)
タキ1000-822(JOT 浜五井駅)
タキ243728(JOT 浜五井駅)
タキ1000-659(JOT 根岸駅)
タキ243790(JOT eco 浜五井駅)
タキ1000-506(JOT 根岸)
タキ43135(OT青 郡山駅)
タキ1000-676(OT 宇都宮貨物ターミナル駅)
JOT=日本石油輸送
OT=日本オイルターミナル
eco=エコレールマーク付きJOT車
根岸駅常備の車は全て
浜五井駅臨時常備になっております
これが2018年最新の状況ですが
2010年ごろは川崎地区の
浜川崎駅に出入りしていました
上の画像は宇都宮貨物ターミナル発
浜川崎行5582レで、EF64 1003号機牽引の、
後に続く5両目のタンク車が銀タキです
この頃は郡山駅常備です
番号は不明ですが、こんな編成だった
という参考にしていただければ幸いです
とまあ、実車とかけ離れていますが
「足にこだわった銀タキ」
ということで
生暖かく見守ってあげてください
編成のアクセントして非常に良いです
現に売れ行きもいいと思います
それに私は銀タキよりも
青色の日本石油輸送仕様の方がうれしい
現行の通常品2種(後述します)が
製品化発表された際も歓喜しましたが
それと同じぐらい喜びました
忘れていましたが
製品には反射板が付属します
そのままでは固定できませんので
両面テープやゴム系接着剤等で取付です
※これから8両セットを購入される方へひとこと
開封された際に付属品の反射板が
あるかどうか真っ先にご確認ください
ここまで8両セットについて長々と語りましたが、
こちらは特別企画品なので
余程のことがない限りワンショットです
8両セットの増結用にもなる
通常品のタキ43000は
緑色の品番8013-5
『タキ43000日本石油輸送色』を除くと
品番8013-6
『タキ43000日本オイルターミナル』
(タキ43266 倉賀野駅常備)
そして
品番8013-7
『タキ43000日本石油輸送(黒)』
(タキ43182 浜五井駅常備)
この二つになります
こちらも適宜合わせてお楽しみください
KATOのタキ43000の基本的な設計は
それこそ30年以上前のものですが、
Nゲージの細密化が進んだ現在でも
十分通用するのがすごいところ
社紋や社名といった各種標記類も
美しく印刷されていて高い完成度です
そして牽引機も旧型EF15形から
JR貨物の最新機関車までOK
使い勝手も良く、価格面・品質面を含めて
非常にバランスのとれた製品と言えます
ところが、
この製品が抜本的に改良されたのは2016年
つい数年前の生産分までは
見ての通り「日本石油輸送」とか
「日本オイルターミナル」といった
社銘鈑および社紋は印刷されてませんでした
製品状態では非常に無機質で寂しく、
やはり社紋類は欲しいところ
もちろん、その再現用に…
一応シールがついてました、
でも紙製
インサートにこんな説明書きがあるので、
その通りに貼れば良い
「じゃ、いいじゃん」と思ったそこのあなた
円形を上手く切り出せますか?
切れこみなんて、
そんな生易しいものはないぞ
デザインナイフで慎重に慎重に…
貼り付け見本
これが…私の限界!
(それにしてもマークがデカい)
比較用に現行品
印刷済みは素晴らしいなあ(嘆息)
切りにくいのもありますが、
円筒状の所に貼るので
シールの経年劣化ではがれてきます
つい数年前まではこんな面倒な製品でした
これが嫌で買うのを避けていた方も多いはず
私もその一人でした
でも、現行品が定価1000円に対して
旧製品は840円でその分安かった
なので2000年代になると各種ガレージメーカーから
このような便利な社名インレタが
発売されるようになりましたので
買う動機が上がりましたね
よくお世話になったのがジオマトリックスのインレタ
社名板Aが日本オイルターミナル
社名板Bが日本石油輸送のものです
値段は約1000円ぐらいと若干お高め
だってタンク車本体は840円です
しかも、筒状の所に貼る訳ですから、
若干コツが要ります
それでも
画像クリックで拡大
仕上がり具合は一目瞭然、
インレタですっきりです
これだけでも格段にかっこよくなりました
ただ根本的な問題がありました
紙シールもそのままなら、各種標記類も昔のまま
一番の問題は油種表示「燃32」標記がないこと
この時点で時代がかなり限定されます
油種表示がないのは昭和54年以前らしいです
つまりJR化後の機関車で牽引すると…アウト
しかも『燃32』は
一般的なタキ43000では
『ガソリン専用』と換算両数標記の間に
標記されるので入れる余地がない
一方で黒仕様には
また別の問題点があります
それは
車番が何故そこに?
確かタキ43000の初期車の車番はこの位置です
しかし、それは
全部日本オイルターミナル所有で青色
だから
画像クリックで拡大
このようにタキ43000の黒色は基本的に車番が真ん中です
兄弟車である石油類専用タキ44000なら理解できますが
何故この位置になったかは不思議でした
こんな感じで、基本設計は良いのに
その他が旧過ぎてどうしようもない
それが一昔のKATOのタキ43000でした
再び旧い記事を直しながら、
時代は変わったことを実感しています
最後に、
私は今回の記事修正にあたって
銀タキを調査しに蘇我駅に行ったのですよ
そしたら
PF・2083号機が留置されていて
順光で撮影することが不可能でした
もう1両手前だったらよかったのに
ほんと、嫌になっちゃう
関連記事
タキ43000新仕様の個別記事→コチラ
〇修正記録
2013年5月13日・投稿
2017年3月26日・修正(新仕様発売に伴う)
2018年5月13日・修正(9月分製品化発表に伴う)
2018年12月1日修正(8両セット発売に伴う)
2018年12月2日・微修正
偶然タキ43000セットの記事を発見しまして、興味深く拝読させて頂きました。
ただ、個人的に知っている事項がありますので、僭越ではございますが補足させて下さい。
実は今回のタキセット、銀タキ以外にも「タイプ」が存在します。
タキ43174
製品
https://www.1999.co.jp/itbig53/10536279a5.jpg
実車
http://f-kawasaki.saku ra.ne.jp/car/taki43000/taki43174_3.jpg
タキ43256
製品
https://www.1999.co.jp/itbig53/10536279a2.jpg
実車
http://f-kawasaki.saku ra.ne.jp/car/taki43000/taki43256_4.jpg
画像を観ていただいたら判るかと思うのですが、車体にある「日本石油輸送株式会社」の表記位置が異なっています。
タキ43174は「日本石油 輸送株式 会社」と謎の空白がある、タキ43256は通常よりも高い位置で表記されています。
それゆえ、その下に表記されている車番などの位置関係も違っています。
私が知る以外にも、このような表記がイレギュラーな車輛が他にもあるかもしれません。
製品の表記はタンポ印刷でしょうから、各車輛ごとに位置ををずらして変化をつけることくらいして欲しかったです。
ただ最近のKATOさんのやらかしてることを考えると、E231系八高線みたいにろくに実車をリサーチしてないだけなのでしょうけども。
コメントをありがとうございます。
引用までありがとうございます。『川崎界隈貨物事情』は私もよく閲覧いたしますが、非常にありがたいサイトでございます。
貨車はイレギュラーが多いのですし、Nゲージでどこまで突き詰めるかは難しいですね。
タキ43174は社銘板撤去跡のビスを避けるため空白にしてようですね。位置が高いタキ43256のも同様の理由でしょう。さらに両車両とも荷受人表示挿が撤去されているのも特徴です。
多分、KATOさんは実車は調査はしていると思います。常備駅は正確ですし、車番もチョイスとしては間違っていません。残りは価格と生産工程の兼ね合いから、そこまで対応はできない、ということだと思います。
このブログのE231系八高線の記事をご覧になられてようですが、あれに関してはKATO営業部が「的確に再現」というツイッターでの発言が無ければ、ツッコミを入れるつもりは無かったです。
Nゲージと実車に差異が出るのは当然で、雰囲気が良ければOK、というのが私のスタンスですが、件の発言は「どうせ、お前らはバカだから違いに気づかない」と言っているに等しいと考え、警告を意味を含めて証拠を集めて、アノ記事で意見を述べました
というわけで、今回のタキ43000は雰囲気重視で満足しております。銀タキも実車と比較してますが、笑い飛ばしております。