この秋の公募展に出した「舫い船」です。 (F-80 和紙に岩絵具)
天草5橋を渡ったところに小さな港があり、何時もその港でドライブの休憩を取っているのですが、毎回同じところに同じように舫いロープで係留されている2艘の舟があ
り、何の作業船か分かりませんが、年代物でかなり老朽化した船です。最近塗り替えられたりしてはいますが、その前はかなりな錆が出ていました。(描写する時錆を強
調しているので船の持ち主は立腹するかもしれません)
長い時を経て暮らした老夫婦みたいで、その佇まいに夫唱婦随の感があり、日本画に描いてみました。
私の日本画を見る人に、絵が洋画の様なタッチだという人が少なからずいます。
和紙に岩絵具と膠を使用して描いているのですが、日本古来の線描で描き、影の全く無い平面的な描写とはなるほど違います。
私もその点をかなり気にしていて、私の師事している先生(院展会友)に意見を聞いたのですが、「今のままでいい」と評されました。
日展などの画集も見てみましたが、私以上の洋画的な描写もあり、私の絵について特段の路線の変更はしない事にしました。
日本画の独特の精神性と雰囲気を大事にしながら描いていこうと思っています。