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アルコール依存症の治療、その5:アル症の遺伝

2006-09-01 10:16:58 | アルコール依存症
前回はアル症治療の具体的な方法だけを記述しましたが、今回はその方法の中の飲む理由の解説をします。

「あなたの先祖で飲み足りなかった人がいる。死んだ人は肉体がないので、あなたの体を借りてお酒を飲みたがっている」

これだけを聞けばただのオカルトですが、こう言い換えるとどうでしょうか?

「アルコール依存症は遺伝する」

アル症の遺伝も眉唾に思われる方も多いでしょう。これはAC(アダルト・チュルドレン)の問題とつながって来るところなのですが、事実として親がアル症という家庭 に育った子供はアル症になりやすい(あるいはアル症の人と結婚する)傾向が見られます。またアル症本人も両親や祖父母がアル症である場合が多いようです。
いわば「親父みたいな酒飲みなどに、ならぬつもりがなっていた」というアレですね。

この現象は米国ではファミリーチェーンと呼ばれ、又吉氏はチヂウリ(継降り)という言葉をあてています。
チヂウリという言葉は沖縄で昔から使われている用語で、「先祖の誰かと同じ性格や運命を引き継いでいる状態」を指します。

アル症の「遺伝」は肉体的なもの(例えばアルコール分解酵素の有無等)も含まれると考えられますが、ここで論じるのは主に精神的な遺伝の話だとお考え下さい。

又吉氏の日本文化を基調とした心理学では、人間の心は自己(意識)と他者(無意識)から成り立つとされています。そして無意識は祖先の集合体であるとみなしています。

アル症は明らかに意識領域ではどうにも出来ない病気で、自分では認知できない無意識領域に原因があると考えられます。したがってその無意識領域(祖先)の中の「飲み足りない祖先」の事を供養(理解)することがアル症の治療には欠かせないのです。


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