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アディクションとかその他日常の事

共依存について その2:日本と西洋の共依存観

2007-04-18 14:41:49 | 共依存
さて、共依存の続きです。又吉氏の理論の紹介をしようと思ったのですが、思ったよりも書きたいことが多くてそこまで行きませんでした。

今回は日本と西洋の共依存観について書きます。

いきなり何ですが、その1で説明した西洋的な共依存の話を頭から取り払って考えてみて下さい。日本においては普通夫がアル中である場合、妻が酒を隠したり酒を捨てたり、金銭管理をして酒を買えないようにしたり、飲んだ後の後始末をする等々の世話は(程度問題はありますが)極めて当たり前の行為です。むしろ世話をしない方が変と考えられる可能性すらあります。

このあたりの事を欧米(特に米国)では「日本人は共依存のみじめな状態を良しとする理解不能な民族だ」などと評します。全く持って余計なお世話なのですが、西洋では「共依存は悪」で個の自立こそが最も大事だと主張するので、こういう主張も一般的なようです。この共依存に対する反感は嫉妬の産物と考えられます。つまり「俺は個の自立で歯を食いしばって頑張ってるのに、お前らは共依存して甘えやがって」という僻みが原因という事です。実はエディプスコンプレックスはこれと同種の嫉妬が原因です(だからあまりこのコンプレックスは日本人に適用が難しい)。

このように西洋では個の自立こそが最も大事なので、依存症者と共依存症者は切り離して対処することになります。アル症ならAAとアラノン、ギャンブルならGAとギャマノンとそれぞれ本人とパートナー個別に対応が行われます。

ここで面白いのは断酒会の事例です。断酒会はAAを手本にしてますが、日本的な独自のアレンジを行っています。その一つに断酒例会(ミーティング)は夫婦同伴で行われるというのがあります。同伴は必須ではありませんが、断酒会の初期の経験では夫婦同伴の方が断酒率が高かったのでこの手法が推奨されているようです。

この断酒会の事例は、西洋で忌み嫌われる共依存が、何らかの適切な方法で有用になりうるという事を示唆していると考えられます。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
横浜メンタルヘルスサポートセンター (リカバリーカウンセラー)
2007-04-19 07:27:36
こんにちは リカバリーカウンセラー・ソーシャルワーカーです。私のカウンセリングセンターと相互リンクしていただけませんでしょうか?
ブログを読ませていただきましたが、専門職も当事者
も顔負けの力強いブログとお見受けいたしました。

出来ましたらよろしくお願いいたします。正直申し上げて、アデイクション・共依存の問題の誤認が多く
もっとメッセージが必要かと考えています。
共依存の方も否認が多いのが現状です。
本人のアディクトよりも、対応が難しいのが
現場の現状です。よろしくお願いいたします。
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Unknown (次郎)
2007-04-23 10:36:28
コメントありがとうございます。お返事は投稿記事でします(作成中)
返信する
投稿できず (次郎)
2007-04-24 16:22:32
記事を書いてたら、すっかり自慰記事になったので、投稿やめます(笑)

一点だけ言わしてもらいますと、基本的に私は専門家ではありませんが、当事者です。

それから相互リンクですが、当方は一向にかまいませんが、私のブログの内容はある意味現行のカウンセリングや自助の批判でもあるのはご承知されてますよね。

その上で相互リンクをご希望であれば、
http://blog.goo.ne.jp/jiro_yu
に貼ってください。
こちらは左メニューのブックマークに入れますので、リンク先を教えて下さい。
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