
近鉄南大阪線でオレンジ兎6051Fや16000系を待っていると、当然のように標準塗装の一般車が頻繁に姿を現します。その光景は、関西であれば全く何の変哲もなく、わざわざ話題として取り上げる必要もないほどのものであるのかも知れません。しかし、首都圏からやって来た者にとっては、21m級の堂々たる体躯に昔気質な正面デザインの鋼製車が「これでもか!」と言わんばかりにやって来る光景は、究極のリラクゼーションだったりするのです……(*^^*)。

しかしそれにしても、南大阪線というのは編成が短いですなぁ……。総じて最も編成が長く混み合うのは準急であり、それすらもせいぜい5~6両でしかなく、本数が少ない急行が4連であるというのは、他の関西私鉄主要路線と比べてもある意味で悲哀が際だっているように思います。まぁ、最大の客源が藤井寺~古市界隈であり、それほど距離を空けずしてJR関西線・近鉄大阪線や南海高野線が走っていることから、駅勢圏が割と狭い……という事情が大きいのでしょう。数多く散らばる古墳を避けるために線路がクネクネしており、途中しばらくスピードも上がらないですし……。その割には、南大阪線の前身である大阪鉄道は、関西私鉄の中でもいち早く昭和3年の段階で20m車デニ500 (のち6601系。勿論登場当時本邦最大の本格派高速電車。参宮急行2200系の登場よりも早い) を60両も投入したという経緯があるわけですから、一時期相当経営に気合いが入っていたのでしょう。もっとも、この大量投入のために経営が傾いて、大軌の傘下となった南大阪線は一貫して近鉄の中でも傍流・継子的存在に甘んじてきた (?) ような……。それが今や近鉄は阿倍野橋に巨大なビルを建て、南大阪線への注目を一躍高めようとしているようですが、果たしてどのような展開となるのか……関東人ながら注目して行きたいものです。