
初めての三陸訪問の締めくくりは、これまた初めての山田線・区界越え (すみません……乗りつぶし系乗り鉄ではないもので、日本全国津々浦々、未乗路線の方が圧倒的に多い私です ^^;)。前回も記しました通り、盛岡~宮古間の公共交通シェアは日中でも毎時1本運転の「106急行バス」(岩手県北バス) が大部分のシェアを占めて久しく、このため盛岡~宮古間を走破する山田線の列車は1日4本という過疎ぶりとなっていますが、なかなか宮古という場所を訪れることが出来ないからこそ、ついでに僅かな直通列車に乗ってみたいというものです。出来ればキハ52が運用されていた時代に乗っておくべきでしたが、「気がついたらJRのあんな路線でこんな車両置き換えが進んでいた……」ということに気づく情報弱者な私ですので (笑)、まぁ水郡線のお下がり (?) なキハ111・112で十分上等というものでしょう。
そこで、船越まで往復したのち宮古駅周辺で昼食・撮り鉄を楽しみ、その合間に「早めに切符を買っておこうか」ということでみどりの窓口に行ったところ……「盛岡までは3時の急行バスもありますが、良いのですか?」と念を押される始末 (汗)。まぁ一般客的視点からみれば、そりゃそうか……(^^;;)。

それにしても宮古駅の時刻表は、岩泉線の運休、そして大震災に伴う山田線海区間(という呼び方で良いのでしょうか? ^^;)及び宮古~茂市~川内間区間列車の運休・減便により寂寥の極み……。3番線まであるホームや駅南側の留置線も、運用数の激減(単純に盛岡or川内から来た列車が折り返すのみ)により、すっかりほとんど使用されずレールに錆が浮き……1番線と三陸鉄道ホームのみが生きているという悲しい状態です。そんな1番線に停車中の15:53発・盛岡行きの改札が45分頃に始まりまして、めでたく1ボックスゲット♪ だいたい1ボックスに1人~1グループが埋まるという丁度良い乗車率で出発進行と相成りました。
その後は……標高数mの宮古から、標高744m (東北鉄道最高地点) の区界まで、ときとして人煙稀な閉伊川の峡谷をひたすら遡って行くという圧倒的な展開が! 区界に近づきますと、白樺の森に開墾地が点在するという「北の高原」そのものの風景になり……う~ん涼しげ。そんな場所を走りますので、当然のことながらエンジンは常にグォォォ~と激しく唸り続け、キハ110系列でこれほどアツ過ぎる走りは初めて経験しました☆ 乗り心地も当然のことながらバスと比べて上々で、所要時間的にも106急行バスと大して変わりませんので(快速に至っては10分速い)、JRも工夫次第で客を奪回できるのではないか……と思わなくもありません。あ……でも、岩手県北バスは106急行の利益で沿岸部等の零細なバス路線を維持しているともいわれますので、JRが客を食い過ぎてもまずいか……(^^;)。
区界停車後、列車は一気に下り勾配に入り、1日1本しか停車しない大志田を通過して上米内に停車した後は盛岡市内へ……。何なのだこの激しいギャップは! (汗) こうして定時の18時に盛岡に到着した後は、初めて乗るE5系グリーン車の座り心地と暮れゆく早池峰山の眺めを肴にビールを傾け、非常時の日常の中で敢行した三陸の旅の意味を反芻したのでした……。
というわけで、計7回の全く整理されていない雑文にお付き合い頂き誠にありがとうございました m(_ _)m 明日、東日本大震災からの半年の節目を迎えるにあたり、改めて被災地の速やかな復興をお祈り申し上げるとともに、「がんばろう日本」を心の中で念じ続けたく存じます。