
去る土曜日の三岐鉄道80周年記念イベントは、勿論記念HMを装着した101系の姿も楽しめたことは言うまでもありませんが、個人的にはもしこの程度のアトラクションであれば猛暑をこらえて首都圏から日帰り往復することはまずなかったでしょう (^^;)。では、一体何が三重県までの日帰り往復を断固として決断させたかと申しますと……数ある三岐鉄道の車両陣の中でも究極の秘宝と呼ぶべきED301が青天白日のもと堂々御開帳される旨がアナウンスされたためです!!
ED301……それは単に私鉄の電気機関車として貴重な存在のひとつとなっているのみならず、人知れず隠された場所で黙々と産業用機関車の代表格と呼ぶべきものでしょう。と申しますのも……ED301はふだん東藤原のフライアッシュ荷役線内のみで働くのみで、東藤原駅構内及びその周辺から見渡せる範囲に出て来ることはほぼ期待出来ず、もし眼に出来るとすれば保々で検査を受けるときのみとされているからです。塗装がグレーにオレンジ帯となっており、三岐の他のELとは大いに様相を異にするのも、白い粉末による汚れを目立たなくさせるためであるとか。それでも、雨樋があるキャブまわりを除いて真っ白になっているあたり、工場内の過酷な環境の中で生きていることがうかがえます……。

そしてもう一つ、ED301の超貴重さの所以として、かつて貨物輸送で隆盛を極めた南海ELの最後の1両となっていることを指摘しなければなりますまい。細長い正面窓が如何にも「ブサ可愛い」風貌の凸型電機・ED5201形が集う南海の貨物扱い駅の光景は、かつての写真を雑誌などで見る度に憧憬を抱かずにはいられませんが、使い勝手が良さそうなED5201は意外にも貨物廃止後この1両 (5202) を除いて他社に譲渡されていないという……。他に南海の電機といえば、阪和電鉄から引き継いだED38やロコ1101がそれぞれ三峰口・彦根に現存していますが、これらはまぁ阪和電鉄流儀のデザインということで……純然たる南海趣味 (?) によるELの最後の一両として、この秘宝が放つ価値は秘かに多大なものがありましょう。
というわけで、イベント会場に入り、グッズ購入後さらに撮影会場へと進んで行きますと……ををっ!本当に目の前にED301がいる!という感激は計り知れません……(*^O^*)。そこで早速激写!と行きたいところでしたが、10時台は太陽の位置が余りよろしくなく。架線の影も見苦いことから当面模様眺め。じわじわと太陽の位置と影が動いて行くのをドピーカンのもと待ち続けるのは辛い……。しかしその甲斐あって、この日のために整備されたワム229との連結姿、そして昼頃からの単独姿のいずれも完璧に記録出来たのは最高にラッキーでした☆ 果たして再びこのような貴重な機会に巡り合わせるのは何時になることやら……?