
ちょうど1年前の韓国ソウル出張からのんびりと断続的にお送りしてきた韓国鉄シリーズも、今回が最終回。それにふさわしく、個人的にメチャ感動したシーンで締めることにしたいと思います。
1週間少々にわたるソウル滞在のあいだ、割とたっぷりとあった自由時間をフルに活かして縦横無尽に鉄道網を乗り回し、撮り鉄三昧にふけっていますと……すっかり行動のペースがソウルに慣れてしまって、やたらとやかましい発車ベルや案内放送、それに神出鬼没の物売りの絶叫にすら言いようのない味わいを感じ、何やら去りがたさを感じます。また、辛うじてそれなりの本数がやって来た日本技術譲りの抵抗制御・電機子チョッパ車も、続々とロテム顔のつまらないVVVF車に置き換えられつつある中、次に来るときには全然雰囲気が変わっているのだろうなぁ……と思うと、ますます別れを惜しむ気持ちが募ります。
そこで、帰国する日の午前中、僅かな自由時間を使いまして、宿からそれほど遠くない京釜線の大方駅に向かってみました。この駅は、地下鉄1号線・京元線方面行きホームの鷺梁津寄り先端から仁川・天安方面行き普通電車を狙いますと最高に良い感じで撮影できるのですが、あくまで曇りの日限定。そこで、曇り日となった帰国当日に忘れずに撮っておこう!というわけです (^^)。

もっとも、カメラを構え始めて最初の数本は、例によってVVVFの5000系が連続……。その一方、最高に撮りたいものの本数が非常に少ない地下鉄1号線旧1000系が、こういうときに限って連続で自分がいるホームに到着するという……(鬱)。「こっちじゃなくてあっちに来い!!」と内心ブツブツ……(爆)。
というわけで、「今回の出張鉄での運は最早尽きたらしい……あぁ~残念」と思い、早めに宿に帰って用務先の方々との昼食に備えようかと思ったのですが、次の瞬間「やっぱりここで諦めては気分が悪い。時間の許す限り粘ろう……」と思い直し、再び複々線の彼方からやって来る電車を凝視したのでした (笑)。
すると……をを~来た来た! 国鉄1000系の旧塗装! (^O^)
そこでファインダーの中で電車を追い続けていると……ななな何と!! 鉄道公社化でとっくの昔に姿を消したはずの鉄道庁マークが正面右上にくっついている!! (*^O^*) 塗装こそ、鉄道庁時代のスカ色ではありませんが (その頃に韓国で撮り鉄するべきでした……)、ベタベタ貼られた労働争議ビラの剥がし跡と相まって、韓国がメチャ激しく揺れ動いた1980~90年代がいま目の前に蘇るような錯覚を覚えたのでした……。
何故この車両に限って鉄道庁マークがそのまま放置されているのか知る由もありませんが (ここらへんのテキトーさが、良くも悪しくも韓国テイストだなぁ~と思います ^^;)、最後の最後に訪れた余りの偶然に歓喜していると……何と祝砲もう一丁! 続行でやって来た仁川行も何と鉄道庁マーク!! しかも黄色い!!! (爆)
こんな感じで究極のサプライズに終わった昨年初秋の韓国出張鉄……。北朝鮮の動向とからめて、今後も引き続き韓国の鉄道事情は大きく変わって行きそうですが、抵抗制御の電車やセマウル号・DL牽引ムグンファなど、これまで馴染みのシブい面々が少しでも長く残ることを願ってこのシリーズを終えることにしたいと思います。お楽しみ頂き誠にありがとうございました。