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地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

落日の王者・富士はやぶさ@横浜駅

2008-05-02 09:37:41 | 国鉄型車両


 台湾の藍色客車をご紹介したところで、友情出演として日本のブルートレインも登場させることにしましょう (ふつう説明の順序は逆だと思うのですが、あくまで「海外の普通列車用客車 > 国内の特急客車」という位置づけになるあたりが、管理人の歪んだ思考を表しています。^^;)。
 黄金週間入りした横浜駅にて、下り6番ホームに大集結した「富士・はやぶさ」目当ての撮り鉄大集団の姿に奇異を感じながら「ホリ快鎌倉号」を撮影したことにつきましては先日記した通りですが、115系をゲットしたあとは物のついで、折角ですので直後にやって来る「富士はや」を撮っておこうと移動してみたのでした。しかし……やっぱり駄目だ。人が多過ぎて撮れやしない (爆)。廃止を約1年後に控えた今ですらこの殺到ぶりなのですから、これから先は一体どのような混乱となるのか……考えただけでもゾッとするものがあります (@o@)。
 まあ、「富士はや」の廃止は東京口から威厳ある定期客車列車が完全に消滅することを意味するだけでなく、日本の客車列車の歴史全体からみても悲愴なる落日を象徴する出来事になるでしょうから、機関車が牽引する客車列車に固執するJR党の皆様が今から騒然とするのも分からなくもないです……。ただ、大混乱にひたすら付き合おうというつもりはなく、今のうちに「ついで」で撮っておけば良いかと思っている私は所詮「地味鉄派」というわけで……(^^;)。
 もっとも、そんなパニックも今のところはあくまで入線するシーンだけ。EF66がホーム先端部を通過して減速するにつれ、撮り鉄大集団は蜘蛛の子を散らすように消えてしまい、14・24系の長大編成を後ろから記録しようという人はごく数人 (笑)。そこで「これ幸い! 富士HMを表示した14系を記録するのも今のうち。大事なことだ」と思った私は、発車して走り去るまでひとしきり激写! (笑)



 撮影していて気付いたのですが、日が高い今の季節は横浜駅で停車中の列車を撮影するベストシーズン! 列車そのものが消えるカウントダウンの時期には、ホーム上屋の影が車体に盛大に落ちてしまい、暗い曇り日でない限りとても満足の行く停車シーンを得ることは出来ないでしょう。というわけで、「先頭のEF66が撮影できなかったのは致し方ないとしても、この季節のタイミングに後ろ姿をキレイに撮影できたのも何かの縁だろう……と思ったのでした。
 東京へと走り去る「富士はや」を見送りながらふと脳裏をよぎったのは「そういえばこの列車、まだ乗っていないなぁ……」ということです (^^;;;)。これまで個人的に九州を訪れる機会が少なかっただけでなく、その僅かな機会も結局「あさかぜ」のA個室寝台を選んでしまいましたので……。「富士はや」のA個室寝台はどう見ても異様に狭そうで、選択をためらってしまいます (汗)。個室寝台はA・Bどちらにしてもタバコ臭いのも勘弁してほしいところです。ではB個室寝台は……と申しますと、狭過ぎるため「あけぼの」で一度乗ってこりごり。B開放寝台はガラ空きであれば全く以て万々歳ですが、「銀河」や「北斗星」などでやむを得ず利用した経験から申しまして、だいたい何時もイヤな客が近くにいてウンザリ……。
 本来、どれだけ航空機と新幹線へのシフトが起ころうとも、旅行商品としてのんびりとした鉄道の旅の需要はそれなりにあると思いますので、サンライズの客車版が存在していれば「乗りたい」と思う客を喚起できたのではないか……と思うことしきりです。しかし、国鉄分割民営化をはさんで営業政策面で迷走し、いつまでも1970年代スペックな14・24系 (特に14系の発電機装備車は乗りたくない……) を使い続けた結果、ついに「栄光の1列車」も天命が尽きることになったのでしょう。そもそも、「サンライズ」も余り営業成績が良くないという話もあるようですので、私のこのような見立ては楽観的すぎるのかも知れませんが……。
 白帯と銀帯がデコボコな印象を与える満身創痍の編成がディーゼルエンジンの排気を吹き出す光景を眺めながら、「この列車のために日本の鉄道と社会が出来たことはもっとなかったのだろうか……」というもどかしい思いにとらわれずにいられないのは私だけでしょうか。とりあえず、来月は中国地方に出張する予定がありますので、時間に余裕があればこの列車を使ってみたいなぁ、と思っているところです (その場合は諦めて狭~い個室寝台に乗ります ^^;)。