
シリーズで扱ってきました大手「短&短」路線もとりあえず今回が最終回 (^^;)。個人的に「横綱級の侘び寂び度」と思う京王競馬場線をご紹介します。
競馬場線はその名の通り、東京競馬開催日になりますと一攫千金を夢見るギャンブラーたちを満載した長い編成が行き交う路線です。個人的にも、だいぶ前にギャンブル好きの先輩に連れられて、一度だけ新宿直通急行に乗ったことがあります。しかし、競馬開催日以外は、東府中で普通列車から乗り換えるよりも特急列車が停まる府中から歩いた方がどう考えても便利……としか思えないほどの路線です (市街地図を見ますと、競馬場線は京王本線&甲州街道の旧宿場町のすぐ南側を寄り添うように走っており、府中駅と競馬場正門前駅との距離はそう離れていません)。そこで、実際のところ普段の日の競馬場線はどうなのか……という好奇心を起こしまして、ある蒸し暑い日に訪れてみました。
行ってまず驚くのは……今や都会的な京王のイメージとはほど遠い、草むしまくりの線路です!(戦前の軌道線時代の京王はこんな感じだったのかも知れませんが……) この、東府中を出発して左にカーブを切った瞬間から現れる本線との落差はものすごいものがあります (^^;)。しかも、東府中駅周辺はそれなりにマンションや雑居ビルが建て込んでいますので、そういう背景と草むし線路&2両編成との対比は強烈です (上の画像)。やがて車窓には、年代物の風呂屋や鎮守の森といったかつての宿場町らしい風情が現れ、線路に揺れるコスモスも何とも言えない情緒を醸し出しています (下の画像)。下手な地方私鉄よりも全然ローカルムード満点です (^o^)。
次に驚くのは……実際に昼間はほとんど人が乗っていない!ということです。私が帰りに競馬場正門前から乗った列車は事実上貸し切り同然。一応、もう一人の「客」として中年サラリーマン氏が乗っていましたが、彼は東府中に到着しても下車しようとはせず、手持ちの資料をパラパラと眺め続けていました。要するに、単にがら空きの列車の中で時間をつぶして涼んでいるだけだったようです (苦笑)。
こんな感じで、僅か1時間少々でもディープなミニ・トリップが出来る競馬場線、かなりオススメです (^^;)。
ちなみに、競馬場線のワンマン2両編成は6000系の指定席ですので (しかも前パン ^^)、「最近都営新宿線直通運用以外では6000系を見かける機会が減ってしまったなぁ……今のうちに記録しておかないと……」という思いに駆られている方にもオススメできます、はい。