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地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

日本の夏・中央線の夏 (上) E353系

2019-08-10 00:00:00 | JR発足後の車両


 今年もやって参りましたお盆休み連休。人によっては何と9連休とか……。私は山積した仕事を進めがてら、たまに日帰りで出かける程度ですので、余り関係ないのですが、とりあえず交通情報の類に耳を傾けて楽しみたいと思います。
 とりわけ中央線と中央道は、帰省の流れと避暑レジャーの流れが完全に重なって大変なことになりがちで、小仏トンネルや談合坂、笹子トンネルの大渋滞は最早風物詩ですが、中央線特急の大混雑の如何も見逃せないところでしょう。JREが中央線特急のE353系化をきっかけとして全車指定席化に踏みきり、座席指定にあぶれた客にも座席未指定券を発売するようになったのは、既にハイシーズンに既成事実化していた指定席車両での立席乗車を制度化するものであると解釈しております。その代わり、登山帰りの松本や甲府で、下山時間を予め決めるべくもない中、臨機応変に始発の自由席にありつくという技を使えなくなったのは大変痛いことでありますが……(座りたければ普通列車ってか ^^;)。



 いっぽう、全席指定席化されながらも、目の前に空席がある限り指定にあぶれた客の着席を認めるという、台湾では古くからお馴染みなシステムを導入したことに伴い、いろいろと摩擦が起きていると側聞します。だいたいこういう制度は、全ての客が高い民度を備え、指定を受けた客が来て声をかければ、指定がない客は異議なく直ちに立って移動するのは当然である、という発想が誰にでも受け容れられるところで初めて機能するものでしょう。しかし日本人は何だかんだで気弱で、本来自分が指定を受けた席に座っている先客に声を掛けるのは何ともモヤモヤしたものがありますし、総じて「何で自分の席に限って指定のないヤツが座っているのか。チッ」と、己のプチ不幸を呪うというおまけまで付いて来ます (苦笑)。それで先客が大人しく移動すれば一件落着ですが、「座席未指定」という文言を勝手に解釈して「指定されていないのでとりあえず何処でも座っておけば良い」と開き直る愚民客が「別にいいだろ、俺が先に来たんだから」と逆ギレしないとも限りません。こういう場合、最終的には車掌が来て退かせることになりますが、車掌とていちいちそういう作業をするのは面倒なはず。挙げ句の果てには、逆ギレが口論に転化してしまい、車内全体が気まずいムードになったりもします。
 このような手合いを中国では「覇座」と呼び、なかば社会問題になっているわけですが、最終的には「お前の切符は《無座》だ!」と叱り飛ばせば良く、それでも抵抗する愚民の中の愚民は社会管理システムに登録され、金輪際列車の切符(実名制)を購入出来なくするということも出来ます(監視社会のあらわれとして評判が悪い中国の社会管理システムですが、こういうろくでもない話がいくらでもある社会では、ふだんルールに従っている多くの人々が、そんな制裁をシステム化することを待ち望んでしまいがちなのです)。
 それに比べて、「座席未指定券」とは、何と分かりにくく、愚か者に言い訳の余地を与えてしまう表現であることでしょうか! 婉曲を好む日本の美風と言ってしまえばそれまでですが、それ以上に明確さが足りないことによる弊害が大きいように思います。ここらへんは、直截な表現でズバッと切り込む中国語に学んで、あずさ・かいじ・富士回遊の特急券にもはっきりと無座と記すべきなのであります (台湾だって、指定にあぶれた自強・キョ光・復興号の切符には無座と明記されているのです)。予約で出遅れたお前には席がない。しかしお情けで立ちんぼで乗せてやっているのだ、ということを痛いほど感じさせるためにも (笑)。

 というわけで、先日裏高尾をハイキングしたついでに撮影したE353系の画像を貼っておきます。E351系に比べれば明らかに揺れなくなったことは評価しますが、椅子が薄く、クーラーの効きも悪いように思うんですよね……。正面の「E353」デザイン文字も、何となく中二病っぽいですし。ゆえに、E353系の模型は購入しておりません (^^;)。

宮城乗物縦断 (8) E721系500番台

2019-08-06 00:12:00 | JR発足後の車両


 仙台空港直通用車両のうち、JRE側が用意した車両はE721系500番台ですが、帯の色を除けばSAT721系と全く同じ車両であり、しかも運用も完全に一体化されているようです。そこで、E721系500番台は単独で来ることもあれば、SAT721系と連結して来ることもありますが、個人的にはE721系500番台のみの4連が来てくれれば「をを!」と思いますね……(勿論、SAT721系の4連も然り)。あ、色違い混結も、それもそれで楽しいのですが (笑)。



 ところで、そんな仙台空港直通列車につきまして、前回SAT721形をアップした記事において、2連は混み混み過ぎてヤバいという趣旨を記したところですが、やはりJREとしてもこの混雑集中は由々しい問題であると認識しているようで、今後は他のE721系0番台の運用を突き詰めた上で余剰編成をひねり出し、仙台空港直通列車の増結用とする計画を立ち上げたようです。そこで実際に増結されるE721系が、果たして0番台のままなのか、車内・車外の改装によって500番台と改番されるのかは定かではないですが (0番台のままの方が、混結時における帯色ののバラエティが増えます)、とにもかくにも長町以南の利用客にとってこれは朗報以外の何物でもないでしょう。

相鉄入線を目前に控えた埼京線E233系

2019-07-30 00:00:00 | JR発足後の車両


 かねてから相鉄と相鉄沿線民の悲願であった相鉄・JR直通運転は、具体的な開業日に加えて運行形態に関する大本営発表もなされ、いよいよ目前に迫ったかの感がありますが、開業まであと約4ヶ月というタイミングでついに相鉄12000系のJR線内日中試運転開始の報が伝えられ、自ずと気分の高まりを抑えられません。とはいえ、相鉄12000系は走り始めてからまだまだ日が浅く、「馴染みの電車がJRにも!」という感覚とは少々異なるのは否めません。



 むしろ、よりいっそう新鮮かつ巨大な衝撃に感じられるのは、相鉄12000系が埼京線を抜けて、南古谷での研修に供するべく荒川鉄橋を越えるときでしょうか。そして、205系に代わってすっかり埼京線のイメージとして定着したE233系7000番台が相鉄に姿を現せば、12000系のJR乗り入れ以上に、最早相鉄が首都圏の相互乗り入れ網の中で孤立していないことを、全ての沿線民の眼前にありありと見せつける絶大な効果があります。というわけで個人的には、「もう幾つ寝ると」という気分で、埼京線E233系の相鉄来訪を歓迎したい気分ですし、この日を見越してKATOのE233系7000番台を購入していなかったことを激しく後悔しているのであります (笑)。
 あとそういえば、JRの通勤型電車が初めて「特急」を表示するのもワクワクしますし (笑)、海老名で相鉄と小田急の両方に緑帯のJRの電車が並ぶのも、数奇な運命を感じます (帯の本数、そして電車の形状が異なりますが)。

宮城乗物縦断 (2) 仙台色701系と桜

2019-06-07 20:49:00 | JR発足後の車両


 東北では圧倒的な存在感を見せる701系という車両の模型がなかなかKATOやTOMIXから出ず、マイクロ、そして小出しに鉄コレから出るのみであったのは些か不可思議なことでしたが、ここに来てついにKATOから仙台色1000番台の発売が予告されました……! しかも最初から4連と2連を用意してくるとは! 
 もっとも、1500番台を欠くというきらいはありますが、とにかくもKATOだけで4+2の6連を手許に置くことが出来るようになります。そこで、これほどチープな見てくれなのにいつの間にか気になってしまった私のようなヲタの皆様は、今頃こぞって歓喜のうちに懐事情を勘案しておられることでしょう (笑)。



 しかしまぁ、折角鉄コレではシクレで1500番台クハも出たというのに、4連を出し渋っているうちにKATOが本命を出してしまうとは……。最近の鉄コレの失速をどう評価したものでしょうか。いい加減、広東・深圳あたりの給与水準が日本に近づいてしまっている中、アンケートなどもとりつつ今後の方向性を再検討しているのかも知れませんが。そのアンケートのプレゼントが、何ら使い道のないショボいポスターで、悲しみに打ちひしがれざるをえないのですが……。スマート電池くんはさておき、金色の205系が欲しかったです (-_-;)。
 というわけで、あっという間に2ヶ月近く前の撮影となってしまいましたが、大河原~船岡の桜並木撮影地を初めて訪れた際の仙台色701系画像をお楽しみ下さい。真っ昼間なのに花見客で大混雑するため特別にブツ6編成が来たり、タマ数が少ない4連が来たり、それはそれは楽しいひとときでした。

宮城乗物縦断 (1) E721系1000番台

2019-05-27 23:28:00 | JR発足後の車両


 多忙のため、しばらく通常バージョンの更新が滞ってしまい、長らく当ブログをお楽しみ頂いている皆様には大変申し訳なく存じます。m(_ _)m 元号も変わったことですし、古い時代の書きっぱなし垂れ流しブログはフェイドアウトしてしまうのも一つの手ではありますが、とりあえずたまに時間があり次第、日常の鉄道風景をぼちぼち撮り貯め続けていることに変わりはありませんので、引き続きアップして行きたいと存じます。
 というわけで、この春に奥州街道「徒歩鉄」の続きとして、宮城県内を約5日かけて歩いた際の撮り鉄記録をぼちぼちと綴って参ります。まずは、仙台地区の今をときめくE721系1000番台です。



 今や仙台支社のE721系は、恐らく仙台色701系を上回る陣容を誇っているという印象の大所帯となっており、宮城・福島県内の東北線を利用する際に格別の快適さを提供しているように思われますが、とりわけ1000番台は4両固定編成で堂々とした見映えがするのみならず、ピンク帯もチャームポイントとなっており、最新車両ながら結構好感が持てます。
 そんなE721系1000番台、今回の旅ではまず福島から白石まで乗り (福島までは夜行バス利用)、快適なボックスシートから藤田~貝田~越河間の峠越えパノラマを満喫したほか、ちょうど桜満開ドンピシャとなった大河原~船岡の桜並木と合わせて激写し、これまた超定番な長町でも入線シーンを激写しました。帯のピンク色が桜の季節の鉄道風景を一層盛り上げているのが良いですね……。