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地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第八ジャカルタ炎鉄録 (39) 203系マト68

2018-02-20 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 いつもお世話になっておりますパクアン急行様のブログに掲載されている、先日の春節=イムレック臨時列車でデビューしたばかりの、INKA製・2018年版Ekonomi3等客車がやたらとカッコ良い……。ステンレス製でピカピカ光っている上に、車体真ん中に鎮座する集中冷房が如何にも重々しい印象を与えます♪ ステンレス車になったら何故か自重が2トン増えたというのはご愛敬ですが、ひょっとするとスキンステンレスで、雨が多い国柄、車体表面を塗らずに防水出来れば良いという心算なのかも知れません。



 というわけで、脈略 (というかコジつけ) は集中冷房と、車体の大部分が無塗装という点しかありませんが、1年半前のジャカルタ遠征の際に撮影した203系マト68編成の画像をアップしておきます。女性専用車ラッピングが剥がされて完璧に美しい姿となったことに惚れ惚れとしながら撮ったものです……。
 しかし今や、KCJ→KCI改組に伴い、正面のステッカーは白地のものに貼り替えられ、割と最近の (?) この姿すら過去のものとなっています。さてとそろそろ、自分の頭の中にあるインドネシアの鉄道の姿と、現実のインドネシアの鉄道の姿が相当乖離してきたような気分がして来ました (滝汗)。

第八ジャカルタ炎鉄録 (38) 水色EkoAC

2018-01-20 13:25:00 | インドネシアの鉄道


 本日は日本とインドネシアの国交が結ばれて60年の節目となります。その当初は、戦後賠償やら九三○事件やら反日デモやらいろいろあったわけですが、今やインドネシアも大きく発展し、都内や富士五湖界隈にはインドネシア人観光客が多数闊歩するほどまでになりましたので、着実に成果を積み重ねて来た60年だったと言えそうです。
 そんな節目に合わせて日本の与党重鎮がボゴールの大統領宮殿を訪れてジョコウィ氏と会談し、今後一層の両国関係発展を確認したとのことですが、今朝の日経新聞によりますと、会談の主な眼目には両国国民相互訪問のさらなる促進のみならず、ジャワ縦貫線高速化整備スタートが掲げられ、ジョコウィ氏もノリノリだったようです。



 その一方でパクアン急行様のブログを拝見しておりますと、ジョコウィ政権の内幕は混沌としているようで、これまで日本との関係で急速にKAI・KCIの技術・サービス品質向上に努めてきた総裁・社長が更迭され、期間限定臨時トップが就任しているとか……。詳しくはパクアン急行様のブログをご覧頂ければと存じますが、現職の国営企業相はコテコテの親中派。また、今朝の日経新聞にも載っています通り、今や全世界No.1の鉄道メジャーになっているのは中国中車であり、アジア鉄道市場の沃野を猛烈な勢いで飲み込んでいる最中にあって、膨大な通勤電車売り込みの余地があるインドネシアを放っておくはずがありません。そこで、当面の何とも中途半端なKAI幹部人事は、鉄道インフラを日中どちらとの関係で一層整備するのかをめぐる政権内部の駆け引きがまさに絶頂に達していることを示しているのでしょう。さっぱり計画が進まない高速鉄道KCICの今後をどうするのかについても近いうちに何らかの方針を示さなければならないでしょうし、これからしばらくパクアン急行様のブログに目が離せそうにありません。
 というわけで、ジャワ島の東西を駆け抜ける長距離列車の画像として、CC201牽引のエコノミAC客車列車「Menoreh」の雄姿をお楽しみ下さい。CC201は今でもたまに優等客レの先頭に立つでしょうが、2013年頃 (でしたっけ) に登場した当初は余りにもまぶしかったエコノミAC客車塗装も、今や標準塗装化や2016年シリーズ客車の増備によってすっかり懐かしシーンになってしまいました……(2016年8月には辛うじて普通に撮影できました)。

第八ジャカルタ炎鉄録 (37) 黄色い牽引車

2018-01-16 15:52:00 | インドネシアの鉄道


 先日開催されたパクアン急行様歓迎の新年会は大盛況のうちに終わったわけですが、それは逆にいえば、パクアン急行様との席が離れていれば会話の量も少なくなってしまうことを意味しているわけで、お互い消化不良を感じておりました。そこで昨日は、パクアン急行様の御実家からすぐ出て来ることが出来る某市のタイ料理店にて、パクアン急行様と私だけの小宴が開催されまして、相当細かくマニアックな内容について約3時間ほど突っ込んだヲタトークが展開されました。その主な内容は、日本およびジャカルタにおける車両転配を占うというものでしたが、とりわけJRE・東急・メトロ・東武における余剰車の動向は、今後のローカル鉄道車両シーンを大きく変える可能性があるだけに、ああでもない、こうでもない……と云々するうちに、あっという間に夜も更けてしまいました (^^;)。



 議題の二つ目 (←実はこれの方がもっと重要) は、アジアの鉄道全般における車両の動向と、その背後にある日中両勢力の激しい角逐についてでありますが、その細かい内容を記すと相当の時間を要しますので、一言でぶっちゃけ申しますと……最早ウリナラよりもチャイナの方がはるかにまともな製品を作る!ということに尽きます。
 やはりウリナラには、Holec ACというトンデモなく伝説的な前例がありますし、出来たばかりのスカルノハッタ空港内新交通システムも相当な食わせ物とか。売りつけるだけでなく、メンテもきちんと責任をとってこそでしょう……。
 というわけで、故障→救援→牽引車という連想ゲームに基づき (笑)、ジャカルタにおける電車故障時の牽引車、またはタンジュンプリオク港で陸揚げされた中古車両をマンガライに回送する際の伴車として用いられている「Djoko Tingkil」をアップしておきます。既にパクアン急行様のブログで紹介されていますが、日本が輸出したキハ40系列のインドネシア版と呼ぶべきDCは、既に全車が旅客営業から退き、とりわけメダン空港鉄道用として改装されながらスマトラには渡らずスマランあたりで使用されていたデラックスな車両も、不本意な境遇のまま離脱して続々と (?) ヘンテコ顔の幹部巡察車に姿を変えているようです。そんな中、この黄色い車両は、本来の顔をジャカルタで身近に楽しむことが出来る存在と言えそうですが、如何せん神出鬼没なのが残念なところです。

第八ジャカルタ炎鉄録 (36) 203系マト66

2018-01-12 23:01:00 | インドネシアの鉄道


 ジャカルタの鉄道シーンは、相鉄色の (^^;) いまいちダサダサな空港特急の本格営業開始と、KCJからKCIへの改組による正面・側面ステッカーの貼り替え、そしてタンジュンプリオク線を除く全ての編成の10・12連化推進などなど一大転機を迎えています。そんな折も折、ジャカルタ鉄道事情界の大御所でおられるパクアン急行様が一時帰国されていることから、昨日都内某所のインドネシア料理店にて強者揃いの宴が開催されまして、私も有り難く参加させて頂きました。毎度の幹事役のKucing様をはじめとして、ご参加の皆様には心よりお礼申し上げます! 当日聞きかじった特筆すべき内容は以下の通りです。

 *空港鉄道はトランスジャカルタのICカードまたはインドネシアで発行されたクレカがなければチケットを購入出来ないばかりか、スカルノ・ハッタ空港内のウリナラ製新交通システムも、当面は単線運転で30分間隔というケンチャナヨ・クヲリティ……。いずれは善処されるでしょうが、当面外国人にとっては使い勝手の悪いシロモノに。
 *遅延こそ当たり前なジャカルタにあって、空港特急はどのようにして定時運行するのか……? そのココロは、スイッチバックするドゥリと、タンゲラン線からの分岐駅であるバトゥ・チュプルでの、定時で10分以上のバカ停にあり! 遅延をこのバカ停で吸収することで、総じて定時通りに来るようです。



 *ジャカルタ・コタ駅で日本人鉄ヲタが起こした触車事故が現地で報道されたように、鉄道を警備する側は撮り鉄に対して非常にピリピリして強い態度に出ており、沿線を巡察する警備員もそこそこ頻繁に現れるようになったとのこと。パクアン急行様のブログに最近掲載された、撮り鉄面での注意事項は厳守すべきでしょう。要は、自分で駅間の条件良好な撮影地を見つけられない人 (とりわけ、言語不通な雑然とした下町や田舎に尻込みする人) には、最早ジャカルタでの無許可撮り鉄は難しいということです。また、一ヶ所に長居するのも宜しくないようです。というわけで、私も次回訪問時には、前回と比べて最大の変化である正面ステッカーの違いを三々五々撮る程度にして、基本的には新規電化開業区間であるランカスビトゥンとチカランへの乗り鉄に重点を置いたものにしようかと……。
 *東急の残存車は当面10・12連化されて継続使用となるものの、全てのクーラーがウリナラ製に換装されて以来、恐ろしく生ヌルい風しか吹かない。これでは全車離脱が早まるばかりでは?
 *電機子チョッパ車は今後何時まで電装品のストックが間に合うか分からないため、電機子チョッパ製造を手がけるチャイナ・メーカーから買うことになったものの (今やパワー・エレクトロニクスについても、ウリナラよりはチャイナの方がマシか?)、性能の安定性についてはお手並み拝見。
 *チカウムの電車の山は基本的に全て消え、残された地盤沈下沼では残存金属部品を漁る人々がザルを持って活躍中。
 *スルポン=バンテン線では、ランカスビトゥン行きの客車列車が全廃された結果、ランカスの機関区も廃止されたほか、タナアバンとランカス以遠の街を往復する行商人がますます電車に乗るようになり、長時間、それこそ10連でないとやっていられない混雑に。というわけで、ランカスまで205系 (稀に203系) で往復する際には、客の少ない時間帯を推し量る努力が必要に。

……とまぁこんな感じで、屋根上乗車や車内&駅頭物売りなど、めくるめくカオスな世界が展開する中を、00年代譲渡の冷房車が急行やエコノミACとして大活躍していた時代は遥か遠くに去ったことを、改めて痛感するしかないのでありました……。
 とりあえず、電機子チョッパ車はチャイナ製電装品で動くのか??……というわけで、203系・マト66編成の美しい姿をアップしておきます。KCJのステッカーが無いスッキリ姿が最高に魅力的でした。(*^O^*)

第八ジャカルタ炎鉄録 (34) 南武205系

2017-10-26 19:00:00 | インドネシアの鉄道


 昨日は、いつもお世話になっておりますパクアン急行様の一時ご帰国を記念したインドネシア鉄の宴が、横浜伊勢佐木町の入口にほど近い鉄道居酒屋にて開催されました。私個人としましては、都内での仕事の関係で、午後8時頃からの参加となりましたが、例によって各国鉄道車両事情と鉄道模型事情が縦横無尽に繰り出されまして、私が加わった会話の輪においては中国の撫順など産業路線の現状、中国型模型よもやま話が何故か結構出まくりました (笑)。そして、あの会社のあんな車両をめぐる転配・編成短縮計画の裏事情には興味津々でしたし、とある海外進出もしている極悪鉄の行状あれこれ (インドネシア鉄の宴関係者ではありません) には参加者一同開いた口が塞がらず……(汗)。いやはや、毎度のことながらディープな話が尽きません。そして恒例の「旅行ケースを開けてびっくり・インドネシア鉄道グッズ即売会」も、如何にもKAI・KCIらしいセンスのブツが次々に並べられて参加者一同の物欲は激しく盛り上がるばかりでした (^^;)。というわけで、主賓のパクアン急行様・幹事のKuching様ほか、御参加の皆様には心よりお礼申し上げます! m(_ _)m



 というわけで、昨年8月に撮影した画像のつづき……南武線帯205系の12両編成です! 周知の通り、末期的な道路渋滞の中、KCJあらためKCIは冷房化と増発によって多くの沿線客を取り込み、ついには日本の大手私鉄と比べても遜色ないほどの営業規模を誇るようになりましたが、その究極の切り札は、205系の日本時代には実現しなかった12連の頻繁運転であることは言うまでもありません。このために埼京線や横浜線出身車の編成替えが頻繁に行われたものですが、一番手っ取り早いのは南武線用の6連を単純に2本連結すること。そこで、南武線時代には到底考えられなかった南武帯の12連が迫ってくる光景に、ただただ圧倒されるばかり……。かつてのような、編成ごとに帯色が違っていたり、非冷房エコノミの屋根に人が多数乗っていた (Atap=上という単語に即して、日本人ヲタの間で「アタッパー」などと呼んでいたのが懐かしい……) 時代のような、超!何でもありなカヲス感は既になくなってしまったジャカルタの鉄道シーンではありますが、こういう奇想天外な展開は依然として時折起こりますし、今後もあり得る……と良いなぁ〜と思います。
 もっとも、南武帯はその後KCJ→KCI標準帯に変わりましたし、何と言っても粗悪な塗料を使った正面の黒ずんだ赤も当然のように塗り直されましたので、こんな感じの南武線12連も過去のものとなりました (6+6編成を組んでいれば南武線出身であろうという目星が付く程度?)。奇想天外な新展開が起こるかと思えば、それがいつ消えるか分からないというのもまたインドネシアらしい話です。東急12連がいつ消えるかも分かりませんので、今年は1年休んだインドネシア遠征も、来年は是非……と思うばかりです。