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地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

北陸鉄道井の頭三昧 (3) 石川7700

2015-06-19 00:00:00 | 地方民鉄 (中京北陸)


 伊予鉄道の元井の頭がたとえド派手な色になろうとも、あるいは上毛の元井の頭が顔と帯色の不一致になってしまおうとも、井の頭3000系のシンプルな姿は北陸鉄道で今後とも保たれることになるでしょう (多分)。あと強いて言えば、改造増設顔ながら、岳南も井の頭3000シンプル姿の仲間に加えてやっても良いでしょうか?
 そんな北陸鉄道の井の頭3000系、基本的には浅野川線の主力8800・8900形となって久しいわけですが、1本のみ石川線に配属され、7700形を名乗っています。では、何故形式が異なるのか? 要は石川線の電圧が600Vであることによります。



 というわけで、浅野川線のモハは単純に3000系中間車の1500V電装品を移植したのみであるようですが、7700形については東急7000のボディに西武やらJRやらの下回りを600V対応にしたものを接ぎ木しており、見た目は井の頭なのに台車はFS342またはDT21といったコイルバネ台車装備、モーターもMT54といった感じで、如何にもヘンタイなスペックを誇っているようです。
 そんな7700形、石川線にはあくまで1本しかないため、運用に入っていてもなかなか姿を現さず、昼寝であれば鶴来に行かない限り拝むことも出来ませんが、去る3月の北陸新幹線開業直後・金沢訪問の際、浅野川線→松任工場とめぐって最後に少々西金沢で石川線を撮ろうと待ち構えていたところ……何と1発目で来るとは! 浅野川線で井の頭にハマッた直後であっただけに、石川線でもメジャーな7000形ではなくまず井の頭7700形を私の前に出現させようとしたという天の意志だったのかも知れません (笑)。
 う~ん、井の頭とDT21という意外過ぎる組み合わせがたまりませんね~♪ そして将来鉄コレでは、既に21弾で出ることが確定している浅野川8800のみならず、「ボディは1種類で二度美味しい」8900と7700もリリースされるのでしょうなぁ~。もっとも、8900と7700では微妙に顔の雰囲気と (8900の場合は正面幕の上のFRP部分に2枚の小振りな銀色の突起あり)、スカートの形状が異なりますので、単純に台車を振り替えれば商品化OK!というわけにも行かないでしょうが……。

北陸鉄道井の頭三昧 (2) 浅野川8800

2015-05-15 00:00:00 | 地方民鉄 (中京北陸)


 井の頭線3000系という車両は、まぁひとくちに言えば、本来ならば小田急井の頭線になるべきであった異端路線に高度成長期以後連綿と投入され続けた、直流モーターのステンレスカーということになりましょう。しかしそれだけに、本来であれば形態や性能が結構異なるために別形式を構成しても良さそうな車両が、一つの形式に押し込められている感があります。大学に入って以来今まで井の頭線に結構お世話になっている私としましては、未だに1962年製・片開き扉の一次車と、1987年に新造された最終ロット(28・29F)が同じ車両であるとは思えません (笑)。一次車なんて、80年代末の時点でも既に相当車内がボロく、余程のことがない限り日中や夕方は富士見ヶ丘に引っ込んでいましたので、朝ラッシュ時の固定運用に合わせるのでなければ滅多に乗れなかったのを思い出します(井の頭時代は10回も乗っていないはず)。とはいえだからこそ、本線2000系をステンレスカーにした雰囲気の大窓・片開き扉ボディには、箱入り娘ならぬ箱入り婆というレアさを見出し、ごく稀に当たるのを楽しみにしていたものです。



 そんな3000系一次車は、8000系(8800番台)と名前を変えて浅野川線に移って早くも約20年。訪れようと思えばいつでも訪れて楽しむことが出来たはずですが、単に福井や富山、あるいは石川線を優先させてしまったのみならず、8800が全く走らない可能性もゼロではないことから、結局尻込みしておりました……。しかしだからこそ、北陸新幹線の開業と鉄コレ21弾としてのリリースが背中を押した、という感じです。もし8800に遭遇し損ねたとしても、まぁ北陸新幹線に乗って金沢を一目見る、ということ自体が悪くない話ですので、「良きに計らえ!」ということで……(^^;
 とまぁこんな感じで割り切っていたからこそ、運命の神は8800を運用に回してくれたのでしょう♪ 橋を渡る姿に内灘到着シーンと、もうフィーバーです (笑)。そして内灘からの帰りもこの編成に乗車! 一応車内レイアウト・デザインとしては京王→銚子2000系と近似で、別に特異ではないと言ってしまえばそれまでですが、浅野川線は日中でも結構利用客が多く、金沢に近づくにつれて井の頭線時代を彷彿とさせるような車内の賑わいとなっていったことに「登場半世紀を経てもなお都市近郊輸送に大活躍できて幸せなことよのぅ……」と思ったのでした。

北陸鉄道井の頭三昧 (1) 浅野川8900

2015-05-10 00:00:00 | 地方民鉄 (中京北陸)


 北陸新幹線が開業して間もなく2ヶ月。直通需要の多くは「かがやき」に集中し、時間帯によって「はくたか」は結構空いているとも言われますが(嗚呼……時間的余裕さえあれば、空いている「はくたか」グランクラスに是非乗りたいのですが)、まずは繁盛しているようで何よりです。そんな北陸新幹線、開業7日後に京都出張した際、わざわざ迂回して初乗りを楽しんだ次第ですが(^^;)、最近京都出張ついで北陸鉄といえば福井と富山ばかりで、金沢は御無沙汰であったことから、今回は新幹線の終点たる金沢を選び、開業フィーバーに沸く金沢の街を垣間見つつ、北陸鉄道を駆け足で見てみることにしました。とりわけ……「お前本当にローカル私鉄ヲタなの?」と問い詰められれば返す言葉もございませんが、浅野川線初乗車を果たそうと思いまして……(超滝汗)。いやその……80年代の中高坊だったときに訪れた際は、石川線の名鉄半鋼製中古にぞっこんでして、一方の小型車天国であったはずの浅野川線は後回しに……(廃止間際の小松線には乗ったくせに ^^;)。そして90年代、非鉄だった頃に小型車は一掃され、代わりに入った井の頭3000系も「当分無くならないだろうし、いつでも乗れそうだから、まいっか」と放置していたのでした。しかしながらこのたび、北陸新幹線開業に加え、京王3000系が鉄コレ第21弾となり、井の頭線時代に異彩を放っていた片開き扉の初期車も浅野川線仕様でリリースされることから、これはついに浅野川線初乗車を果たすべきときが来た!と判断した次第です。



 とまぁこんな感じで、平日だというのにお祭り騒ぎ中という金沢駅前広場を横目に、地下の浅野川線乗り場に行きますと、到着した電車から60人以上の客がゾロゾロと下車して来ました。午前10時台でもこの賑わいは何より……ということで、取りあえずはこの8901Fに乗った次第ですが、本音を言えば片開き扉の8800に当たりたかった……。何と言っても両開き扉車は井の頭時代ありふれた存在でしたからなぁ~! それよりはやはり、朝ラッシュ時しか動かない片開き扉車の方が超!重要というものです (^^;)。浅野川線の5編成のうち、片開き8800は2本、両開き8900は3本、そして1運用は8900……。2運用中残りの一本が8800で来る確率は、8802Fが金沢駅のもう1本の線路で寝ていましたので、3分の1というキビシイ確率……。
 それでもまぁ、三ツ屋にて無事8801Fと交換しましたので (^O^)、俄然8900も楽しむ余裕が生まれました。とゆーか、どちらも井の頭3000であり、浅野川線でも基本的にどちらも8000系というグループであるというのに、何という好みの差! (^^;;) でもまぁとにかく、両方来れば全てはOKなのです。ワンマン関連を除けば井の頭時代と変わらない車内を楽しんだ後は、浅野川線のハイライトたる鉄橋で激写してすっかり満悦♪ かつて朝方の激ラッシュをこなし続けた車両が、こんなヘロヘロ鉄橋を渡るという妙味にすっかり感動しましたし、内灘駅界隈をたった2連で走る姿も、これはこれで実に動態保存っぽくて宜しい☆と思ったのでした。
 なお、今回の21弾には、浅野川線8900は含まれていませんが、所詮は他の私鉄に譲渡された車両のカラバリということになるでしょうから(え?もっと厳密な差違があるって……? それは失礼しました ^_^;)、近い将来にオープンパッケージされるに決まっていると言えましょうか。

薫風のえちぜん鉄道 (3) 7000系勝山

2014-12-03 00:05:00 | 地方民鉄 (中京北陸)


 暦は既に師走……だいぶ前に撮った画像が全然未アップのまま放置されていることに、時間の流れ方の凄まじさを思うばかりです (滝汗)。備忘録であることを旨とする当ブログとしてもこれは危機的……。というわけで、季節ハズレも何のその、落ち葉の季節に新緑の福井を訪ねた記録をアップです (^^;)。
 さて、えちぜん鉄道塗装が最高に似合っているJRC119系改め7000系は、三国芦原線の平坦地を青空バックに走る姿が非常に映えて見えます。しかし、如何せんもともとは、雪の山を望みながら谷沿いを走っていた電車であるだけに、勝山永平寺線を走っている方がより一層119系らしいと思うのは私だけでしょうか。
 そこで、三国芦原線のラッシュアワーを撮り終えた後は、福井口から山峡へと分け入り、美しい新緑に包まれた九頭竜川沿いを走る7000系を激写してみました♪ いや~予想通り、昔ながらの小駅の雰囲気にも、防風林を背負った山家が佇む風景にも、実に良く馴染んでいるような気がします♪



 そんな中、車内にビデオ再生機能を備えた7005Fが、土曜休日&学校休み期間限定の臨時快速「きょうりゅう電車」としてやって来ました。側面の容易に着脱可能な大看板といい、公式HPで目にすることが出来る車内ビジョンやボックスシートカバーといい、えちぜん鉄道なりに恐竜博物館への観光電車として気合いが入りまくった存在であることがビンビンに伝わって来ますし、下り朝イチのサンダバとの接続にも配慮したダイヤであるだけに、それなりに家族連れの利用に便利な列車なのかも知れませんが、如何せん……クルマ王国の哀しさか、関西圏での知名度の無さのためか、お世辞にも賑わっている車内であるとは言えなかったことこそ悲しけれ……。将来の知名度アップによる千客万来に期待しましょう。
 そんなこんなで、福井口への帰りにはいよいよ7000系に初乗車♪ いやはや……本当に不可思議な電車です、これは! 起動時には明確にVVVFの変調音が車内に響きまくるのですが、ある程度スピードが出ると(大体時速20km前後?)、急激に聞き覚えのある国電サウンドに早変わり♪♪ 電気機関車や海外の電車にはVVVF釣掛というマニアックな世界がありますが、何やらそれに近いノリ……VVVF昭和30年代抵抗制御車(何たる語義矛盾!)という感じです (^^;)。そして、モケットこそえち鉄柄に変更され、トイレも撤去されて空洞になっているものの、車内の雰囲気は見事なまでに飯田線時代そのままです! というわけで、閑散時の日中、勝山永平寺線でこれに当たり、九頭竜川側のボックスシートにもたれかかって片道約1時間の旅をすることは、国鉄型電車がますます激減に向かうこれからの時代における鉄道旅の珠玉の1シーンになるであろうと断言いたします! もっとも、日中は6100系の単行が多い中、7000系2連に当たること自体がちょっとしたギャンブルであるわけですが……(汗)。

薫風のえちぜん鉄道 (2) 7000系三国芦原

2014-11-09 00:00:00 | 地方民鉄 (中京北陸)


 長年来、京福福井改めえちぜん鉄道においては、阪神ボディを流用した車両が非常に大きな比重を占めて来たものですが、先月末を以て最後の2両が廃車となり、その約30年にわたる歴史に終止符が打たれましたね……。かつて80年代の半ば、中学から高校に入って間もない頃の私は、夢の一眼レフを手に「ようやく北陸ワイド周遊券を片手に北陸私鉄めぐりをする金銭的余裕が出来た♪ 京福の半鋼製釣掛もビシバシ乗って乗りたいなぁ」と、RP誌の中京&北陸ローカル私鉄特集を眺めながら思ったものですが、いざ実際に行こうと思っていろいろ調べてみると、何と……ちょうど私が間抜けな中坊であった頃に集中的に阪神車体への更新が進み、実際に訪れてみたところ確かにそこは阪神ボディの巣窟になっていましたとさ……。勿論、えち鉄として再発足した頃にちょうど鉄ヲタの道に戻ってきた私としましては、初期ジェットカーの車体を流用した1101形や2101形は、他の路線と比較してもまさに垂涎の車両であると思っておりますが、半鋼製釣掛式電車命であった当時は、「うう……南海1201がぁぁっ!運輸省規格型ボディがぁぁっ!」と悲痛な気持ちを抱いたものです。



 しかし、そんな話も今は昔。80年代の当時、これまた機器流用車ではあったものの最新鋭の電車であった119系が、今やこうしてえち鉄のラッシュアワーの主力として一大勢力となり、阪神ボディを駆逐したというのは、「それほどの時間が経ったのだなぁ……」と感慨を抱かしめるのに十分なものがあります。
 というわけで、去る5月の京都出張ついで福井遠征では、そんな消えゆく1101・2201形がひょっこり運用することに期待しつつも(結局来ませんでした……汗)、一方では美しいえち鉄塗装に生まれ変わった119系改め7000系を激写するべく、三国芦原線のラッシュアワーに張り付くことにしたのでした。一応、また改めてご紹介します通り、7000系はVVVFに換装しパワーアップしたことにより、1M1Tでも余裕で急勾配を登って勝山まで入線することが可能ですが、本数が少なかったデビュー当時はなるべく三国芦原線のラッシュアワー運用に投入することになっていたようです。混雑する時間帯の場合には、パワーと粘着力が高い6100形の2M編成をなるべく勝山運用に入れたいということなのでしょう。そこで、本数が増えた現在においても、ラッシュアワーは自ずと三国芦原線における7000系率が高まるはず……と思い訪れてみた次第です。
 ところがどっこい、三国芦原線で見かけたのは7003・7010Fのみ (笑)。さすが5編成まで増えると(全車で揃った現在は6編成)。三国芦原も勝山永平寺も自動的にそれなりにやって来るものなのでしょう。
 では実際に乗った感触は……次回をお楽しみに (^^;