俊成卿女
1 新古今集 春歌下 千五百番歌合に 隠岐
梅の花 おなじ
あかぬ かたみの
色香も 春の
昔にて よの月
2 新古今集 戀歌二 水無瀬戀十五首歌合に春の戀のこころを 隠岐
面影の 春や
かすめる月ぞ むかしの袖の
やどりける なみだに
3 新古今集 秋歌下 題しらず 隠岐
あだに散る うづらなく
露のまくらに なる床の
臥しわびて やまかぜ
4 不明
月にことゝふ
袖の露
かな
5 新古今集 雜歌下 和歌所にて述懷のこころを 隠岐
惜しむとも 馴ぬる袖に
なみだに月も 秌を
こころから うらみて
6 新古今集 秋歌下 千五百番歌合に 隠岐
色かはる うら枯てゆく
露をば袖に 野邊の秋
おきまよひ かな
7 新古今集 戀歌四 水無瀬の戀十五首の歌合に 隠岐
ふりにけり いひしばかり
時雨は袖に を待とせし
秋かけて まに
8 新古今和歌集 冬歌 題しらず 隠岐
霜枯れは 誰にとは
まし
そことも見えぬ 秋の
草の原 名残を
9 新古今和歌集 戀歌二 五十首歌奉りしに寄雲戀 隠岐
下もえに 跡なき雲の
思ひきえなむ はてぞ
煙だに かなしき
10 新古今集 戀歌五 和歌所の歌合に逢不遇戀のこころを 隠岐
夢ぞよと 忘れず
ながら
見し面影も うつゝなら
ねど
契りしも