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新古今和歌集の部屋

恋歌四 寄月恋 松木宗綱筆断簡コレクション

 


松木殿宗綱公 天の戸を

天のとをゝし明がたの月みればうき人しもぞ恋しかりける

ほの見えし月を戀しと帰るさの雲路になれてこし哉

    人につかはしける  紫式部

いるかたはさやかなりける月影をうはの空にも待しよひかな

    返事        読人しらず

さして行山の葉もみなかきくもり心の空にきえし月かな

    題しらず      藤原經衡

いまはとて別し程の月をだに涙にくれてながめやはせし


 
新古今和歌集巻第十四 恋歌四
 
 
(題知らず)
              (よみ人知らず)
天の戸をおしあけがたの月見れば憂き人しもぞ恋しかりける
 
読み:あまのとをおしあけがたのつきみればうきひとしもぞこいしかりける 隠
 
 
(題知らず)
               (よみ人知らず)
ほの見えし月を恋しと帰るさの雲路の浪に濡れて来しかな
 
よみ:ほのみえしつきをこいしとかえるさのくもぢのなみにぬれてこしかな
 
備考:馬内侍集「その夜来るに奥にいるかげは見えて、なしとて帰したれば」
 
 
 人に遣はしける
                紫式部
入る方はさやかなりける月影をうはの空にも待ちし宵かな
 
よみ:いるかたはさやかなりけるつきかげをうはのそらにもまちしよいかな 隠
 
備考:紫式部集
 
 
 返し
                よみ人知らず
さして行く山の端もみなかき曇りこころのそらに消えし月影
 
よみ:さしてゆくやまのはもみなかきくもりこころのそらにきえしつきかげ 隠
 
備考:紫式部集
 
 
 題しらず
                藤原経衡
今はとて別れしほどの月をだに涙にくれてながめやはせし
 
よみ:いまはとてわかれしほどのつきをだになみだにくれてながめやはせし 隠
 
備考:経衡集では、「例の忍ぶる人にあながちなる所に逢ひて、一目包むことなど女も歎きて帰りてつとめて、男」と詞書があり、女は、
月よりも袖にかかりし涙こそ赤かりけりと目には見えしか
と返哥を贈っている。後朝の歌。
 



文安二年(1445)ー大永五年(1525)
中御門(室町時代から松木)家の公卿。宗宣の孫。宗継の男。准大臣従一位。伊勢にて歿、81才。
1488-1515 権大納言
1491 正二位
1510-1518 伊勢下向
1518 准大臣
1518 武家伝奏
1518 出家
 


極札裏面
切          乙酉
 

乙酉 1705年

神田道伴1678-1749
江戸時代中期の古筆鑑定家。神田家4代。名は定盤。
 
 
21.5cm x 11cm
 
令和2年7月14日 壱點弐
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