サガ電子工業の28MHzZepp形アンテナは、10mのバンドコンディション把握用に屋外に設置している。もう10年以上経つのだが問題なく動作していた。台風時でも風圧面積が小さいので、直撃の際もそのままで問題なかったのだが、ある日強風が吹いた後で動作不調に陥ってしまったのである。
SWRを測ると無限大で、アンテナアナライザーで測定しても同調点がありません。ケーブルの心線・アース側ともエレメントと導通がありません。壊れたか・・・ ほとんど送信用には使っていないので、同調用のC(高耐圧コンデンサ)が焼けたとかは考えにくい。屋外に長期間設置しているので、内部に雨が流入したとか虫が入っとか、コイルが錆びたとかは考えられる。
分解する前に、Mコネ部分をチェックすると経年劣化により接触不良が疑われます。
ケーブル側も、同様に経年劣化がみられます。どちらも、やすりがけと無水アルコールで洗浄しますが、結果は変わりません。(やっぱりな)
分解修理してみるか・・ 同調部分はプラスチックの形成部品なのでばらし方が分からない。ネットで調べてみても不明である。メーカーのHPには「分解しないで下さい」と書いてある。
このままでは燃えないゴミで出すしかないので、ダメもとで分解してみることにします。ドライバでぐりぐりすると、筒の部分がずれるので注意深く引き出します。
ゆっくりと内部を引き出します。はんだを外さないと完全には引き出せないので、無理に引っ張ってはいけません。高耐圧コンデンサが見えてます。
Mコネ側のはんだを外すと、中身が取り出せます。
配線が1本切れているのが確認できます。ケーブルの心線側は繋がってますが、アース側が切れています。心線側はCに繋がっているので、エレメントとは直流的に絶縁されています。アース側はコイルを経由してエレメントに繋がっているので、直流的にはショート状態です。
コイルや接続部分が汚れているので、掃除をします。(思った通り汚い)
ケーブルが切れているので、手持ちのビニール線をはんだ上げして延長します。
切れている部分の線からも、ケーブルを引き出します。
リード線の長さを合わせてはんだ付けします。
完成かと思ったのですが、Mコネのアース側とエレメントの導通が確認できません。テスターで探っていくと、コイルとの接続部で接触不良が起こっています。再はんだ付けを行い、導通を確認します。
エレメントのコネクタ部分をチェックしてみたところ、ここも汚れが目立つので、やすりがけと無水アルコール洗浄を行います。(かなり汚れています)
最後に組み上げて完成です。Mコネの心線とエレメントは不導通、アース側とエレメントの導通を確認しました。
アンテナアナライザーで測定すると、28MHz台で同調点を確認できたので修理完了です。
修理費用:手持ちの部材を使ったのでゼロ円
自身での修理は、自己責任です。
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数か月後、アンテナが不調に陥りました。下ろして調べたところ、筒にテンションがかかるため、ずれて内部配線が断線していました。一度ばらしているので筒の締まりが緩くなっていると思われます。断線した線を接続し、ナイロンロープで補強しました。