干潟造成予定地 県、保護へ計画変更も
松阪市三雲町の五主海岸で、海草・アマモの大規模な群落が見つかった。今年度から干潟を造成するため、県が調査に入って分かった。伊勢湾内は埋め立てや汚染でアマモが減っており、広範囲に繁殖しているのはわずか。県は専門家に検討してもらい、保存が必要との結論が出たら、造成計画を変更して保存する構えだ。
県津農水商工部水産室によると、アマモ場は雲出川と三渡川の間の陸地から100メートルほど離れた浅場で見つかった。密度は異なるが、500メートル四方に生え、造成予定だった干潟の場所とかなり重複していた。
このため、県は三重大や国立環境研究所、関係市町や漁業協同組合などの12人からなる干潟検討委員会に検討を依頼。県の担当者は「アマモが繁殖していたのは海の環境を考えると結構なこと」といい、さらに詳しく調査し、結果を踏まえて委員に検討してもらい、必要なら造成干潟の場所も変更するという。
この海域は以前、県内屈指のアサリ漁場だった。しかし、複数の河川が流れ込み、潮が引いても干出しなくなってヘドロもたまるなどしている。このため、河口部で陸地化した場所や船の通る水路を掘削して出た砂13万6千立方メートルを使い、干潟を造成する計画だ。
現場付近では冬場、ノリが養殖されている。以前はアサリの宝庫で、二十数年前は年に約320トン取れ、県内の2割以上を占めたほどだったが、02年は215トンだった。県は造成干潟がアサリの再生産に役立つことを期待している。
三重大生物資源学部の前川行幸教授(藻類学)は「アマモは、ここ(五主海岸)に以前からあったが、点在していた。急に増えたりするので理由ははっきりしないが、せっかく生えたのだから手を付けない方がいい」と話す。
伊勢湾内で三重県側の沿岸に分布するアマモ場は、今では松阪市内の松名瀬海岸、二見町の池の浦海岸など、わずかという。
朝日新聞 2005年8月25日
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松阪市三雲町の五主海岸で、海草・アマモの大規模な群落が見つかった。今年度から干潟を造成するため、県が調査に入って分かった。伊勢湾内は埋め立てや汚染でアマモが減っており、広範囲に繁殖しているのはわずか。県は専門家に検討してもらい、保存が必要との結論が出たら、造成計画を変更して保存する構えだ。
県津農水商工部水産室によると、アマモ場は雲出川と三渡川の間の陸地から100メートルほど離れた浅場で見つかった。密度は異なるが、500メートル四方に生え、造成予定だった干潟の場所とかなり重複していた。
このため、県は三重大や国立環境研究所、関係市町や漁業協同組合などの12人からなる干潟検討委員会に検討を依頼。県の担当者は「アマモが繁殖していたのは海の環境を考えると結構なこと」といい、さらに詳しく調査し、結果を踏まえて委員に検討してもらい、必要なら造成干潟の場所も変更するという。
この海域は以前、県内屈指のアサリ漁場だった。しかし、複数の河川が流れ込み、潮が引いても干出しなくなってヘドロもたまるなどしている。このため、河口部で陸地化した場所や船の通る水路を掘削して出た砂13万6千立方メートルを使い、干潟を造成する計画だ。
現場付近では冬場、ノリが養殖されている。以前はアサリの宝庫で、二十数年前は年に約320トン取れ、県内の2割以上を占めたほどだったが、02年は215トンだった。県は造成干潟がアサリの再生産に役立つことを期待している。
三重大生物資源学部の前川行幸教授(藻類学)は「アマモは、ここ(五主海岸)に以前からあったが、点在していた。急に増えたりするので理由ははっきりしないが、せっかく生えたのだから手を付けない方がいい」と話す。
伊勢湾内で三重県側の沿岸に分布するアマモ場は、今では松阪市内の松名瀬海岸、二見町の池の浦海岸など、わずかという。
朝日新聞 2005年8月25日
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