
NPOと漁協、長期連携
アサリを食べる巻き貝のサキグロタマツメタ、ツメタガイの捕獲と分布調査を、市民と漁業者らが協力して伊勢湾、三河湾で続けている。16日の中間まとめでは、ツメタガイは両湾で見つかり、外来種のサキグロは伊勢湾の三重県の中、南部に集中して分布していた。1カ月余に及ぶ長期間の広域市民調査は珍しく、結果が注目されそうだ。
調査は、東海地方の市民団体が連携するNPO「伊勢・三河湾流域ネットワーク」が7月18日から呼びかけ、今月いっぱい続ける。愛知、三重両県の66にのぼる漁業協同組合、漁協支所にも郵送で協力を頼んだ。
報告は漁協・支所から23件、大学教授や干潟を守る会のメンバーなど90人から寄せられた。漁協には、これらの貝が「1日の操業で取れる数」「いつごろから取れているか」などを質問し、市民には調査日と場所、取った数など聞いた。
ツメタガイは両湾でまんべんなく見つかった。漁協からの回答で、1日の操業で「100~千個」と一番多い答えだったのが鬼崎、衣崎(愛知県)、四日市市、鈴鹿市、香良洲(三県県)だった。愛知県では80年以降、三重県では00年以降に見かけるようになったという。
サキグロタマツメタが確認されたのは四日市市、河芸町、津市、香良洲、松阪、下御糸(明和町)、二見町(いずれも三重県)の各漁協だった。1日の操業で「100~千個」と答えた四日市市漁協は00年以降、津市漁協では80年以降に見られるようになったという。四日市市漁協では「減っている」との回答だったが、津市漁協は逆に「増えている」だった。
調査結果を取りまとめた同ネットワーク世話人の藤井明生さんは「みなさんのおかげで、サキグロタマツメタとツメタガイの分布状況が明らかになりつつある。(サキグロタマツメタが大量に発生してアサリが食べられてしまい、潮干狩りが中止に追い込まれる例もあった)宮城県のようにならないよう、市民が参加して調査、捕獲を続けていきたい」と語る。
調査の問い合わせは、藤井さん(090・6807・4395)へ。
※画像説明:伊勢湾、三河湾で広域市民調査されているサキグロタマツメタ(上の2個)とツメタガイ(下)
朝日新聞 2005年8月17日
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アサリを食べる巻き貝のサキグロタマツメタ、ツメタガイの捕獲と分布調査を、市民と漁業者らが協力して伊勢湾、三河湾で続けている。16日の中間まとめでは、ツメタガイは両湾で見つかり、外来種のサキグロは伊勢湾の三重県の中、南部に集中して分布していた。1カ月余に及ぶ長期間の広域市民調査は珍しく、結果が注目されそうだ。
調査は、東海地方の市民団体が連携するNPO「伊勢・三河湾流域ネットワーク」が7月18日から呼びかけ、今月いっぱい続ける。愛知、三重両県の66にのぼる漁業協同組合、漁協支所にも郵送で協力を頼んだ。
報告は漁協・支所から23件、大学教授や干潟を守る会のメンバーなど90人から寄せられた。漁協には、これらの貝が「1日の操業で取れる数」「いつごろから取れているか」などを質問し、市民には調査日と場所、取った数など聞いた。
ツメタガイは両湾でまんべんなく見つかった。漁協からの回答で、1日の操業で「100~千個」と一番多い答えだったのが鬼崎、衣崎(愛知県)、四日市市、鈴鹿市、香良洲(三県県)だった。愛知県では80年以降、三重県では00年以降に見かけるようになったという。
サキグロタマツメタが確認されたのは四日市市、河芸町、津市、香良洲、松阪、下御糸(明和町)、二見町(いずれも三重県)の各漁協だった。1日の操業で「100~千個」と答えた四日市市漁協は00年以降、津市漁協では80年以降に見られるようになったという。四日市市漁協では「減っている」との回答だったが、津市漁協は逆に「増えている」だった。
調査結果を取りまとめた同ネットワーク世話人の藤井明生さんは「みなさんのおかげで、サキグロタマツメタとツメタガイの分布状況が明らかになりつつある。(サキグロタマツメタが大量に発生してアサリが食べられてしまい、潮干狩りが中止に追い込まれる例もあった)宮城県のようにならないよう、市民が参加して調査、捕獲を続けていきたい」と語る。
調査の問い合わせは、藤井さん(090・6807・4395)へ。
※画像説明:伊勢湾、三河湾で広域市民調査されているサキグロタマツメタ(上の2個)とツメタガイ(下)
朝日新聞 2005年8月17日
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