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農協不祥事の拡大 不正ないか全事業で再度点検を

2005年07月19日 15時19分56秒 | 農業・農協
 一体どうしたことだろう。一昨年以来、職員による横領事件など金銭不祥事が続発している県内農協で、JAえひめ中央(松山市)の二億円横領事件で逮捕者が出たとたん、今度はJA西条でコメの大量紛失事件が発生、横流しした職員が逮捕された。紛失したコメには、カドミウム含有米が含まれ、消費者にも不安が広がっている。
 巨額の横領事件もさることながら、金融事業以外にも不正がエスカレートしたことには驚く限りだ。農協役員の度重なる謝罪と再発防止の声が、むなしく響く。本当に開いた口がふさがらない。これでは組合員、ひいては県民の信頼回復は容易ではなかろう。
 各農協は厳しく反省し、販売や購買など全事業で不正がないか、あらためてチェックする必要がある。県は業務改善・停止命令も視野に入れて、一層厳しく指導・監督すべきだ。
 コメ紛失事件は、国の委託を受けてJA西条の倉庫一カ所に保管していた政府保有米と、民間流通米の合わせて約百六十九トンがなくなっていたものだ。政府米のうち約六十八トンは工業用ノリなどの原料に出荷する予定のカドミウム含有米だった。
 この事件で、同倉庫を管理するJA西条職員が逮捕された。八年ほど前からコメを少しずつ盗み出し、西条市内の米穀店に売りさばいていたらしい。
 案の定、JAや国の管理体制に問題があった。JAは同倉庫の管理を容疑職員一人に任しており、愛媛農政事務所も年一回の在庫点検時に不正を見抜けなかった。またカドミウム米の袋には特別の表示はなく、持ち出されたら見分けがつかない。
 カドミウムは土壌に自然に含まれていたものだ。含有米は販売禁止の基準値を下回っているとはいえ、すでに消費者の口に入っている恐れが強い。風評被害も心配だ。管理は普通のコメより厳重にすべきで、組合員の強い批判も当然だ。
 一方、県内農協の横領など金銭不祥事は県への報告によると、二〇〇一年度が四件で被害額計千四百三十九万円、〇二年度が九件計五千二百三十一万円、〇三年度が十三件計六千十七万円、〇四年度が十四件計三億九千万円と増加の一途だ。
 発生は県内全域のJAにわたっているが、中でも県内最大農協のJAえひめ中央で多発。〇三年七月には県内農協で初の業務改善命令を受けたが、それ以降も同JAの不祥事は相次いだ。〇四年十月に発覚した支所職員二人がからむ二億円横領事件はその最たるものとなった。
 二億円事件では、同JAが管理強化を打ち出したにもかかわらず、抜き打ち検査をしていなかったことや、合併による肥大化で支所管理に問題が出ていることなどが浮き彫りになった。
 各JAはそれぞれの不正の原因や背景を突き止め、管理体制の強化をはじめ、人事・研修体制の改善、情報公開の徹底などの再発防止策を役職員に徹底させる必要がある。再生への道は険しいが、実行状況を地道に検証していくしかない。

愛媛新聞 2005年7月18日

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