日本国憲法のGHQ草案の作成に加わり,「男女平等」を書いたベアテ シロタ ゴードンさんという女性の自伝です。
彼女は日本の女性が幸せになるために必要なことは何かということを第一に考え,アメリカ,フランス,ワイマールなどの憲法を紐解いて取り組んだそうだ。
草案とはいえ,23歳という若さで現在の人権条項の原型を書いたのです。
中にはつい数年前に法改正のあった嫡出子と非嫡出子の平等についてまでその当時に考えていたというのです。
最終的には憲法に取り入れられることはなかったものの,当時そこまで考えた彼女の発想には驚きました。
5歳から15歳までを日本で過ごしたとはいえ,その発想の原点はどこにあったのか?
「女性が幸せにならなければ、日本は平和にならないと思った。男女平等は、その大前提だった」
彼女のこの言葉に現れていると思います。
後年,ジャパン ソサエティに勤務していた時に市川房江さんをアメリカに招いています。
彼女は市川さんを尊敬していたと言いますが,お互いに通じるものがあったことは確かでしょう。
彼女は1923年オーストリア・ウィーン生まれ。
5歳の時ピアニストの父に伴い来日しました。
その後10年を日本で過ごし,39年に単身で渡米します。
大学を卒業した後に,戦争情報局やタイム誌で働き,45年にGHQ民政局のスタッフとして再来日して日本国憲法草案作成などに携わることになるのです。
47年にアメリカに渡り,ジャパン・ソサエティ,アジア・ソサエティのディレクター等を務めて2012年逝去しました。
ボクは日本でいわれる「男女平等」のすべてに賛成するものではないけど,この自伝には感銘を受けました。
すべての日本人にお勧めしたい一冊です。
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