--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

ミニアイスオペレーション

2006-02-15 | 南極だより・作業
今朝、届いたメールには今日の「夕焼けはきれいでした」と書かれ、写真が添付されていました。


#南極大陸
本当にきれいな夕焼け!!と感動して、いつものように昭和基地リアルタイム画像を開いたら、なんと!!吹雪いているっ?!
昨日の日の入りは21:13、私がリアルタイム画像を見たのが7:00(昭和時間で1:00)。
つまり4時間ほどの間に大雪になってしまったのですね。
昭和基地が朝になるころにはすっかり雪が積もっていましたが、昼過ぎにはだいぶ融けて空が明るくなっています。
天気の変わり方が早くて驚きです。
では、渡井さんからの南極だよりです。
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2006年2月14日(火) 晴れのち曇り ミニアイスオペレーション

夕方のミーティング後ミニアイスオペレーションが実施された。
見晴らし沖の標高3mくらいの氷山にバーで使う氷を取りに行くのが目的だ。
参加者は17名。
越冬隊の約半数が参加した。
記念すべき?47次越冬隊の初野外オペである。

ところがこの標高3mの氷山、雪氷の斎藤さんの話によると、氷山氷ではあるもののどうやら一度解けて再度固まったものらしく、空気が圧縮されておらずプチプチ言わないのではないかとのこと。
確かに気泡は入っているが心なしかそのサイズが大きい。
どうりで鶴嘴で何度も打ち込んでも割れないはずだ。
一旦解けて堆積層の境目があやふやになって、ひとかたまりの氷になっているのかもしれない。
それでも中ダン2つほどの氷を採取してオペレーションは成功したのである。


午前中は観測棟に簡易気象計を設置した。
これまで気象データは気象部門から貰っていたのだが、参考程度に風向・風速・気温をウォッチしたいということで今回の設置となったのである。
アームは本来卓越風向に向けるのが良いようだが、スペースの問題、ブリの時の測器の破壊を避けるため等々から卓越風向と反対側に持ってきた。
あくまで参考値なので良いことにする。
さて吉とでるか凶とでるか。


-----本日の作業-----
・簡易気象計設置完了
・二酸化炭素精製
・液体窒素製造
・温室効果気体分析用大気採取
・O2/N2比分析用大気採取
・ミニアイスオペレーション

<日の出日の入>
日の出  3:55
日の入  21:13
<気象情報>
平均気温 -4.2℃ 最高気温 -2.4℃(1511)
最低気温 -6.4℃(0650)
平均風速 3.1m/s 最大平均風速 7.7m/s 風向 NE(2350)
最大瞬間風速 9.6m/s 風向 NE(2335)
日照時間 12.2時間

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氷山オペは秋に、日本に持ち帰るためだけに行われているのではないのですね。
バーで使う氷は氷山からゲットするなんて洒落ています。
南極の氷山氷は大陸の降り積もった雪が圧縮されながら長い月日をかけて大陸の端までたどり着き、その先端が海に流れ出たもので、ふわりと積もった雪が圧縮されることで空気が閉じ込められ通気性を失い氷になるのだそうです。
第二期ドームふじ観測計画ホームページ地球環境タイムカプセルとしての氷床コアで詳しく分かります。
一度融けると、そのときに圧縮された空気は逃げてしまいプチプチ言わなくなるのは分かるけれど、融けるっていうのはいったいどういうこと?
どうして融けたのかということのほうが気になります。
だって、かたまりごと全部融けてかたまったということは、温かいものに触れたということですよね?
南極でそんなに大きな氷が融けることってあるの?
温かい空気?水?それとも他の物質?
大昔の気候変動で温かい時期があり、そのときに融けた氷?
でも、それは融けて蒸発もせず流れてもしまわず、また氷になったのですよね。
どの程度融けたの?そしてそれはいつのこと?
大陸にいたときのこと?それとも氷山になってからのことなの?
しかも何で融けて固まりなおすと気泡が大きいの?
今、すごく疑問で一気に謎が噴出してしまいました。
でも、いまいち調べようもないしなぁ。

観測棟にも気象計をつけたとのこと、気象部門との誤差はいかに?!
南極だよりの気象情報は、気象庁のサイトからいただいていたのですが、ここ数日なにかのトラブルがあったのかアップされていないのです。
今日から渡井さんに送ってもらうことにしました。
もちろん観測棟につけたばかりの簡易気象計ではなく、観測隊の気象部門の方たちが観測したデータです。
遡ってのデータももらったので、10-13日分もアップします。

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