--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

グリーン・アウト

2007-03-20 | しらせ便り
夕焼けがきれいでした。
シドニーはどんな天気でしょうか。
東京では今日、サクラ(ソメイヨシノ)の開花宣言がありました。
それでは渡井さんからの「しらせ便り」です。
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2007年3月19日(月)曇り グリーン・アウト

シドニー入港はいよいよ明後日の21日となった。
明日にはシドニー港外に仮泊する予定だ。
しらせ乗組員の方々は入港に伴う清掃や行事の準備で慌しい。
船内の気温も湿度も急激に高くなって夜は寝苦しいほどだ。
肌にまとわりつくような空気に戸惑いを覚える。

オーストラリアには「The Antarctic Dictionary」という辞書があるとのこと。
そこにはGreen Outという語句が記載されている。
越冬隊員が帰国した時、1年以上見ることのなかった緑にクラクラすることを意味しているのだそうだ。

緑を見る日も近い。


-----2007.3.19本日の作業など-----
・夏隊報告書作成
・夏隊メタデータ作成
・洋上慰霊祭立付
・pCO2計、CO2計、O3計チェック
・pCO2計測定終了
機嫌を損ねることが多い観測装置だけにひやひやし通しだったが、
最後まで無事にデータをとることができた。

<航海情報>
0641UTC +1000 南緯35度59分 東経151度41分 自針349.5度 対水速度10.6kt
天気曇り 気温?度 真風向342度 真風速10.8m/s 相対風速17.0m/s

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私は、南極の自然に気持ちを寄せながら、身近な自然にいつも気づかされてきました。
1年4ヶ月も木々や草花を見ていない隊員さんは、どんな思いで風にそよぐ木々のささやきや、むせかえるような草いきれに再会するのでしょう?
グリーン・アウトの「クラクラ」をどんな言葉で語ってくれるのでしょう?
今はまだ船上の隊員さんたちですから、今聞くわけにはいきませんね。
これは是非とも聞いてみたいと思います。
その時までもう24時間もないのですね。

さて、航走観測が無事に終了したとのこと。
海洋観測もさることながら、pCO2計のお守りは、船酔いにもさせないほどの緊張があったに違いないのです。
「塩漬けNDIR」で書いたように、観測装置を丸ごと修理して、復路で観測ができたことは、最も嬉しいことだったと思います。
私もとっても嬉しいです。

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