JAHPON LAND( Pucci )

スケートファニチャーやステンドグラス作品などJAHPON.comとして活躍する作家 土屋隆亮(プチ)のメッセージ!

INTO THE MILD 29

2010年04月22日 | INTO THE MILD
 レースは朝から始まるので 前日キャンピングカーにバイクを積み込みます。玄関から突っ込んでトイレに前輪を入れると丁度ピッタリとドアが締まりトイレの壁とハンドルのサイズがジャストサイズでバンド固定無しで安定してしまう!これまた奇跡的なコンビネイションで重宝するトランポにびっくり。
 さあ、ひとりぼっちの初参戦は当然AWAY感で震えるけど、助手席に太っ腹犬ターボを乗せて出発~意外と近かった会場は準備に盛り上がっています!バイクを降ろし ターボを繋ぐと、スタンドを外すくらいでマシン整備は終わっているのでぶらぶら。どこに行ってもターボのおかげで和むので、その屈託の無いアイドルっぷりと 動じない安定感に尊敬しちゃうんだな~
 マニアックに特化したイベントには根っから好きな人ばかり!でなきゃ朝から山まで来ないわな~話も面白くてすぐに仲良くなれます。特に おれと同じ様に 独りきりで参加している様な人、グっと来ちゃうんだよね~!雰囲気でオシャレや付き合いのポーザーで無くて純粋に本当に好きなんだ!って。圧倒的にチームでワイワイ バーベキューしながら みんなで相乗りして参加する人が多いわけで、単純素直に めさめさ羨ましいんやけど あれが出来る人には才能があるんやな~と思ってしまう駄目な自分を感じるんだ。
 昔 こんな事があった。スケート友達で相乗りして少し遠いパークに行く事に。それはそれは楽しくって、へとへとにはしゃいで帰って来たんだ。よくある流れで「みんなで飲みに行くけど 行く?」と誘われて 断ってしまったんだ。定義は解らないけど 普通なら柔軟に楽しむよね?チャンネルが切り替わらないのかな?大好きな事一つで頭が占拠されてしまう単細胞な感じで 満腹になってしまうんだ。今日は別物を混ぜたく無い 混ぜられない?
 さらに昔に遡って原因を思い出す~高校生時代、テニス部の仲間でスケートボードに夢中になったんだ。おれの夢中っぷりは次第に仲間と温度差が出来てゆくんだ。公園に集まっても みんなあんまり滑らない感じで、そのうち同じ様に夢中な他の地区のスケーターと滑ったり、色んな場所へ独りで行く様になるんだ。すると最初のチームからは「抜け駆けすんじゃねぇよ」と なりますわな、「しらねぇよ」と。「何かしらの束縛から解放されたくてスケートしてるんじゃねぇの?」その時に「ああ 人間は群れを好み適する奴と それが駄目な奴がいるんだな」と悟ったんだ。そして そんな時おれを救ってくれた名曲が 故 忌野 清志郎「RCサクセション」の「シュー」未だに偉大な呪文「烏合の衆」なんだ。
 現代病の一種であろう このコミニケーション障害、ヲタク気質の人に多いんじゃないかな?学校でイジメられる様な内気な奴が スケートボードを通して初めて出会う他人に認めてもらえる!世界中のスケーターと一緒に滑れるし仲良くなれる!チームでいられる様なコミニケーション優秀で人付き合いが器用な奴は、スケートボードしなくたって輝いてるんだよ。
 そんなこんなで、つるまずに 大好きな特化した場所に行くと出会える いつもその場所にいる奴が、そのジャンルの友達で 約束も連絡先も知らない 更には名前も知らない友達が好きなんだ。究極な事を言ってしまうと「出会った人に二度と会えなくてもいい」と「一期一会」を冷たい人間と誤解されてしまう覚悟で信じているんだ。
 そうこうしてるうちに 位置についてエンジンスタート!ごう音の中 ヘッドタッチで世界は無音に 日章旗のスタートフラッグが、、、うおりゃぁ~~合戦じゃ~~ってビギナークラスだけど みんなビシっと走ります。山全体がコースになった高低差のある楽園!ジャンプ台もダイナミックで、気を抜くとバカっっ飛びしてしまいます!前々日の雨でぬかるんだ所はヌタヌタの泥遊びでつるつる滑りながら た~のし~い~と走りまくります。自然素材の障害物に対し 瞬時の臨機応変さは 頭をスッキリ動物の様に無心にさせてくれて「ガオオ~」ってなっているんだな!改めて愛車のチョイスに満足と感謝!2ストの機敏な反応と丁度いい重さの排気量が おれの望むフィーリングにピッタリ!特に あのジャンプの浮遊感はたまらなくて、レースに関係無く飛ぶ感触を楽しんじゃってました。これは走りながら声が出ちゃうよ!さっき知り合った人が手を回して応援してくれてるし、順位は競わない設定ながらも もっと早く!とハングリーにもさせられる いいバランスで最高の時間!無事に2ヒート共 完走出来ました。
 「古いバイクを思い切り走らせてやる」想いは 泥で汚れない様に博物館に保存している事よりも何十倍も愛している想いで感動してしまうんだな~途中で壊れてしまったり、泥まみれにして また綺麗に整備する。その勇士をコース脇で見ているだけでも エンジンの音が絶滅危惧種の珍獣の叫びに聞こえる様で 素晴らしくそれぞれ個性的で面白いんだ~休み時間にタイヤの間に詰まった泥を一つづつ取る姿は 愛する馬の蹄を磨く様子そのもの!みなさん互いに「おつかれさま~また次のレースで~」と帰ってゆくのでした。   ありがトゥーッス!