JAHPON LAND( Pucci )

スケートファニチャーやステンドグラス作品などJAHPON.comとして活躍する作家 土屋隆亮(プチ)のメッセージ!

INTO THE MILD 21

2009年12月07日 | INTO THE MILD
 京都に来てすぐの春の事、小さな「おにぎり山」がポコポコと並んでいる のどかな おらが村での楽しみは、「おにぎり登山」ここらの山の上にあるのは木ばかりで、畑も家も無し!だから綺麗な丸いお椀形をした山ばかりで メルヘンな高原なのです。おれはトライアルバイクの事を考えていました。かつて東京にいた頃、団地の坂や公園の斜面、コンクリートの山をコースに見立てて登っていたな~あのバイクも手放したな~欲しいな~山バイク~~とバイク熱が上がってしまったのです。しかたないよね~この環境!
 毎晩、根性で揃えた「VMXマガジン」を眺め マシンを決めました。「HODAKA」長野の穂高岳から命名されたらしいけど、知らないよね~日本製ながら海外でのみ販売していたメーカーで 小排気ばかりをモトクロスレース好みのメリケンKIDSに向けてリリースしていた会社なんだ。何がツボだったかと言うと、マシンの命名とロゴマーク、そしてキャラクターが めちゃめちゃポップ。小排気量だから、小動物が基本!「SUPER RAT」「COMBAT WOMBAT」等。グレイトフル デッドの「Keep On Trackin !」を「Keep On Hodakin !」にして行進してるコミック調のイラストのグッズだとか、マシンに乗って大ジャンプ中のネズミとか、いい感じのブート感が小さな楽しい会社の雰囲気で最高!マシン自体のデザインもちょっと異質で キャラクターイメージと平行して企画している様に感じる程ポップで おもちゃっぽいんだ。
 選んだモデルは「1976年 WOMBAT 125」日本製の装備パーツなのに何故か不思議なオーラを放つデザイン!低重心の もったりした感じは オーストラリアの珍獣ウォンバットにソックリ!
 いつもこんな「裏ポップ」なラインを選んでしまう癖があるね。王道には反発してしまう「もてないコンプレックス」なのでは?と自己診断しているんだけど 単に照れくさいんだよね~ハーレーとかトライアンフだと「このかおで~?」と 幻聴で聞こえちゃう感じで。去年 スクーターのランブレッタを選んだ時は、半分は例のブランドの企画も兼ねてイケメンR氏に影響されたんだけど、未だに乗る時は 少し無駄にカッチョブーな気分になって照れちまうんだよね~まぁ メタメタに改造しちゃったから やんちゃ気分で楽しいんだけど~
 小柄で便利なバイクにも慣れて 遂にとなり町の「亀岡トライアルランド」へ行きました。かつての愛車ブルタコに乗っていた頃、資料収集でブルタコマニアのオーナー「森さん」を知っていた おれは、まさか憧れのトライアルランドに近い町に住むとは 考えもしなかったので ここでも奇跡を感じてしまっているんだ!そして車でお世話になっている山本自動車とも仲良しな森さんランド!その迫力に 愕然!!
 夢の様な谷全てがセクション~沢が流れ カワイイ外国のガレージが あちこちに!景色も最高です。絶対にトライアルの総本山で決定でしょ~世界的にも!そして何よりも 暖かい森一家がすごい。二人の息子さんも当然トライアル兄弟で、乗る技術もメカの技術も筋金どころか 血液までもの英才教育。そして森父さん登場~面白い話は尽きず、愛車のアストンマーチンを見せてくれると案内...あちこちにあるガレージは小さな山小屋風で車一台に付一軒のガレージなんだ「わ~ひとりずつ一軒家や!」その全ての内装には 古いポスターやパーツ 工具が並び おれの眼は焦点が合わなくなりそう!1938年の絵本から飛び出して来た様な赤いチキチキマシーンは ごう音をあげてエンジンを!「ETCカードを認証しました」な~!喋った!絵本の世界とのギャップで おれは ビク~ッと驚く始末。ガスを入れに行くから~と、隣に乗りな って、ええっ 行く行く行きます!飛び乗った助手席は物本の戦闘機~ランドの裏口へ 水たまりのあるドロ道やギリギリ通る小さな橋を渡るメルヘン世界から道路に出たら わぁ~~っ 感動で言葉がそればっかり!左腕の下には直管のマフラーがうなり サス無しのリジットが伝えるパワーは、あれは、なんなんだ~~
 夢を見ている様な世界に圧倒されまくり。そして おれのバイクをソムリエして頂くと 軽々とセクションの谷に飛び込んで行く進太郎兄さん!磯からのダイブの様にバイクごと逆飛び込みに見える!スケートで言うエレベータドロップだ。惚れ惚れと見とれてまうわ。やはり ペダルの位置やセッティングを改造してもっと軽くした方が楽しめる様で、トライアルに向けてカスタムする事を決意したのです。
 いやぁ~本当に京都に来て良かったな~としみじみと感動!そしてカスタムって何なんだよ?って再び。「実在する目的の為に改良する加工」都会にいる時見た物は そんな本気の工夫をスタイルとしてマネた「実在しない嘘目的の無駄な加工」POSERばかり。おれも 元々機能していたパーツを殺して表面的にお洒落パーツに変える様な 反省すべき恥ずかしい事をしたから威張れないけど、結果は「上手い人が只只カッコイイ」に限るんだね。トライアルにはルールが無い、スケートボードで街を楽しむのや サーフィンで波を探すのと同じで 自分で見つけた障害を上手くマスター出来たか 楽しめたか?だけ。誰も見ていなくても楽しいところが最高なんだと思うな~
 まだまだ岩を避けて隙間をうろちょろ、スケート気分でバンクや沢を登りまくる 下りまくる~ そんなレベルだけど、本当にパラダイスだよ~だって、近所の空き地や農道でうろうろやってる時よりも 堂々と走れるからね!まあ、田舎だから近所でも知られているけど 音が激しいから一カ所で永く攻められないから~でも、やっぱり身近な天然セクションは格別なんだけどね!土の山を見ると登りたくなる病だよ~ 「うへぇ~これ牛糞の山だぁ~~!」

楽園「亀岡トライアルランド」www.kameokatrialland.co.jp

愛車 1976 HODAKA WOMBAT125