ただの映画好き日記

観た映画と読んだ本の自分用メモ。

コウノトリの道 / ジャン=クリストフ・グランジェ

2006-09-03 | 本 海外作家


  コウノトリの道

  ジャン=クリストフ・グランジェ 著     創元推理文庫 / 2003.7



  秋にアフリカに渡り、春、欧州に戻るコウノトリが、
  なせ今年はかなりの数帰らなかったのか?
  調査に発つ直前、青年ルイは調査依頼主の無惨な死体を発見する。
  検死の結果、記録のない心臓移植手術の痕があることが判明。
  東欧、中東、アフリカ、行き先々でルイの遭遇する残虐な殺人。
  コウノトリの渡りの道に何が隠されているのか?





凄かったです~。
なんていうか、あまりに壮大で、あまりに無鉄砲で、とにかく、凄かった~~というのが感想でした。
これは、お友達絶賛のオススメ本で、かなり前から「面白いよ~」と教えてくれていたのに、文庫で1.000円はちと高いな~~とケチっていたこともあり、なかなか読めずにいました(笑)。
でも、やっぱり読みたい!
ということで、読んでみたのですが、読んで大正解!!

とにかく、全てにおいてどこもかしこも壮大。
まず、コウノトリの1年にも及ぶ習性を利用するところが壮大。
そのコウノトリを追って、中東、アフリカまで旅をするのが壮大。
それと、殺人はかなりグロテスクなのですが、それが、単なる猟奇殺人でもなく、快楽殺人でもなく、犯人の素性が分かってくると、その残虐さが中世から引き継がれてしまった血統とでもいうか、その血に根深さに壮大ささえ感じます。

多少、出来過ぎのところもあるけれど、あまりにも未知な現実に、ただただ「へー、ほー」の連続でした。
世界中にはいろんな人種がいるんだな~と、今更ながら思ってしまいました。
中東や中央アフリカなど、イメージを超えた現実を目の当たりにさせられたような、自分の環境がいかに安心・安全であるのかを思い知らされ、ちょっと複雑な心境にもなりました。


これって、デビュー作なんだそうです。
信じられません、この完成度。
これだけ長く大きな話をよくぞまとめあげたな~と、ただただ感心するばかりです。
解決されていくかに見えた事件が実はまだまだ続き、そして、最後に向かって更に増す勢い、ルイと犯人との見事な関わり方に衝撃を受け、終わり方はスパッとしていて実に気持ちが良く、私自身、このグロテスクな事件に潔く結末を迎えられた気がしました。
あ~、ちょっと疲れるくらい凄かったです。

さぁ、次は、著者2作目となる『クリムゾン・リバー』を読みたいと思います。

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2 コメント

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読んでくれて・・・・ (由美)
2006-09-03 20:08:57
読んでくれてありがと~♪

izumiさんも気にいったようで嬉しいですよ。

私もこの作品はすごいな~って思いましたよ。

そうですよ、デビュー作品なんですよね。すごいよね~

今度は『クリムゾン・リバー』ですね。

これもすご~~~い、おもしろかったです。最近また気になって読んでしまいました(笑)



そうそう、最近読んだ本で、こ、これは!!って思った本があります。

宮部みゆきの『模倣犯』ふ~~~~~~本当に面白かった。なんで今まで読まなかったのかな~って後悔しちゃったくらいです。

もう、読んでいた?そうだったらごめんなさいね。

でも宮部みゆき本当に面白いですよ。

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由美さんへ (izumi)
2006-09-03 22:35:06
こんばんは~。

こちらこそ~、教えてくれてありがとうございました!!

本当に凄かったですね~。

久々に「やられた~~~~」って感じの作品でした。

デビュー作でこんな凄いのを書いちゃうなんて、凄い才能なんですね~。

はい~、『クリムゾン・リバー』、読み始めました。

おっ、由美さん、読み返しましたか~。凄いな~。かなり厚いですよ!

そうそう、私、『コウノトリ~』も、シリーズだと勘違いしていたんですよ~。違いましたね。えへっ。



宮部みゆき、読もう読もうと思って、デビュー作から数冊買ってあるんですが、どうも、ゲームの女王っていうイメージがあって、ゲーム嫌いな私は、ちょっと入っていけなくて・・・。

そうですか~、由美さんが面白い!って仰るんなら、間違いなさそうですね~。

『模倣犯』って、映画化されましたよね? たぶん、観たような?観ていないような??

う~~~、読んでみようかな~~~~。

由美さ~ん、オススメありがとうございま~す!!
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