ただの映画好き日記

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嘘の木 / フランシス・ハーディング

2022-06-29 | 本 海外作家
嘘の木 / フランシス・ハーディング

創元推理文庫(2022.5)


翼世紀の発見、翼ある人類の化石が捏造だとの噂が流れ、発見者である博物学者サンダリー一家は世間の目を逃れて島へ移住する。だがサンダリーが不審死を遂げ、殺人を疑った娘のフェイスは密かに真相を調べ始める。遺された手記。嘘を養分に育ち真実を見せる実をつける不思議な木。19世紀英国を舞台に、時代に反発し真実を追う少女を描く、コスタ賞大賞・児童書部門W受賞の傑作。




面白かったー!
もう、本当に面白かったです。
帯見たら読みたくなりますよねー。
私も終盤の母娘の会話に泣いてしまいました。

児童文学だし、ファンタジーでもあるけれど、立派なミステリーです。
そのファンタジー要素である「嘘の木」自体は、それ程の圧はなく、お話の中、特に、フェイスの語りの中に自然に溶け込んでいるので違和感は感じませんでした。

ラストも清々しく、フェイスのみならず、19世紀の女性の生きにくさと、影ながらのたくましさを感じられ、こういう女性たちがいたからこそ、今、多様性が当たり前になったのだろうと思います。
そういう先人たちの苦労を知るべきであり、著者はさりげなく伝えてくれたのかなと思いました。

最後、できれば、弟のことが描かれているとちょっと嬉しかったかなと思います(笑)。
あー、面白かった。
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