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夜のピクニック
恩田 陸 著 新潮社 / 2004.7
あの一夜に起きた出来事は、紛れもない奇蹟だった、とあたしは思う。
夜を徹して八十キロを歩き通す、高校生活最後の一大イベント「歩行祭」。
三年間わだかまっていた想いを清算すべく、あたしは一つの賭けを胸に秘め、当日を迎えた。
去来する思い出、予期せぬ闖入者、積み重なる疲労。
気ばかり焦り、何もできないままゴールは迫る。
ノスタルジーの魔術師が贈る、永遠普遍の青春小説。
面白かったです!
何度かホロリとする場面もあって、ミステリー要素もあって、いろいろと楽しめる本でした。
同い年の異母きょうだいって、ちょっとショッキングな設定だったけど、2人が、それまでの思い詰めた感情を吐露し、自然に打ち解けて行く過程は潔くて(著者が)良かったと思いました。
そして、何よりも、融も貴子も親友に恵まれているのが嬉しかった。
親友って本当に大切。自分の事を、自分以上に理解してくれているのが凄い!その存在だけで、自分に自信が持てるくらい、強い存在だと思います。
貴子が、「融は幸せだ」と思う場面は印象的でした。
母親や、友人や、女の子たちから無性の愛を与えられているし、
それを当たり前だと思っている。
なのに、恐らく、彼自身だけは自分が幸せだとは思っていないのだ。
まだ自分は何も手に入れていないと思っている。
ここ、貴子の性格がよく表現されていると思いました。
寛大なのか、おっとりしているのか、鈍いのか・・・、これって、判断の難しいところだけど、貴子は自分の性格を解っていましたね。実はそんなんじゃないって。妬み半分が実によく表現されていて、そんな貴子が好きになりました。
融もそうでした。自分の性格をきちんと理解していて、それを認めている。
2人の共通点って、そこかもしれない。
見たくないものに眼を背けずに、心の片隅で常に直視している潔さに好感を持ちました。
大休憩が終わり、いよいよ自由歩行のスタートです。それは、歩行祭の終わりが近いということであり、それは、私にも本の終わりが近いということを思わせ、その臨場感と緊張感が見事に伝わってきました。
昇ってくる朝日の、優しさであり強さが、彼・彼女たちに勇気を与えると同時に、私にも光が射し込むような気分にさせてくれました。
よく練られているな~と思わずにはいられないプロットの上手さに感心したのと、
融と貴子の描写がとても丁寧なのが印象的です。
2人を見守る友人たちの描写も邪魔にならない程よさが良く、著者の几帳面さが伺えました。
最後は、順弥くんの目線で終わるのが良かったです。
『(哲ちゃんの)心の本棚に残したい10冊』に選ばれた作品でした。
これ、文句なしに面白いです。
恩田陸さんて、ミステリー系の作家さんみたいなんですけど、この作品はちょっと本来の系統と違う気がします。
(ミステリーの苦手な私が言うのですから間違いない?)
実際、他の作品を何冊か読みましたがこの作品ほどのインパクトは私にはありませんでした。
映画は観たいな~
うちのとこにも書きましたが、恩田陸は基本ミステリー&ファンタジーですよ。
ダークなものもありますので、お気に召すかどうか。
私は好きなんですけどね。
tatsuoさんはミステリー苦手なんですか、へー。
映画、ただの青春映画にはして欲しくないです。
コメント&TB返し、ありがとうございます~。
あはは~、気合い、入ってるかしらん??
本当に面白かったです。
だらだらしていなくて、とても読みやすかったですね。さすがに3時間は無理だったけど。
うふふ、ミステリーが苦手だなんて、オッサンの証拠?? おっと、失礼、失礼!!(笑)
ミステリーもいいですよ~、あのドキドキ感がたまりません!!
と言いつつ、恩田さんのミステリーは期待できそうにないので、やめておきます。
情報、ありがとう!!
映画、私も観たいです。
本屋大賞→映画化繋がりで、『博士の愛した数式』の映像化が予想以上に良かったので、こちらも期待したいけど、どうでしょうね~?
『博士~』は、監督が良かったって事もありますしね~。うむ。
tatsuoさん、もじもじ猫さんからコメントですよ~~~。
TB返し、ありがとうございます。
楽しい本でした。
さすが、本屋大賞ですね。
tasuoさんの下だ~、とおだっただけでした。
うむむ、文章がまぎらわしかったのね。気をつけまーす。
そうでしたか~、いえいえ、気をつけるのは私の方ですので。
大変、失礼致しました。
それにしても、この「おやや」にウケました・・・。