『今夜は最高』での場面で、『マイ・フェア・レディ』の『The Rain In Spain』を見ると、実に楽しくなる。
まずこの演出の優れたところを取り上げてみよう。
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オリジナルの映画『マイ・フェア・レディ』
The rain in Spain stays mainly in the plain.
(スペインの雨は主に広野に降る)
これは「ヒギンズ教授」が「イライザ」に与えた「練習句」で、その特徴は、各単語が韻を踏んでいることだ。
韻を踏んだ「早口言葉」で、
「ai」とならずに「ei」
と正しく発音する事によって、ロンドン下町のコックニー特有の訛を矯正しよう、というのがこの歌だ。
因みに、マイ・フェア・レディという本作品の表題も、実は「Mayfair Lady」であり、「ロンドンの高級住宅街メイフェアに住む淑女」というのを、「コックニー訛」によって訛って「マイ・フェア・レディ」になってしまったと言う、実に気がきいた、洒落っ気のあるタイトルとなっている。
もちろん、掛詞なのだが。
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オリジナルがこのように凝った作りとなっているなら、『今夜は最高』の作品も凝っている。
まず、タモリさん
『ボウズがビョウブにジョウズにボウズの絵を書いた』
淳子さん
『ボンズがビョンブにジョンズにボンズの絵を書いた』
とでもなるのだろうか。
韻の踏み方も、早口言葉の選定も見事というしかない。
これをパロディーと言うには勿体無い。
放送作家高平 哲郎さんの力量がわかるというものだ。
演出がいいと、淳子さんもこれに応える。
もちろん、お笑いなしの真剣勝負で取り組む。
いつもながら、そこまでやらなくてもと思うぐらいだが。
しかし、ここで注目したいのは、淳子さんの発声だ。
口を横に大きく広げたり、縦に割ったり、その口の動きは、『アニー』で相当鍛えた、と思わずにはいられない。
もともと、デビュー当時から、言葉が単語としててはなく、一つ一つの『音』として、クッキリして聞きやすいし、強弱も細かく、抑揚もある。
彼女の朗読は、確かにうまい。今さら言うまでもないが。
もちろん、デビュー当時から、彼女に訛りなど感じたことはなかった。
秋田から上京して、わずか5ケ月にもかかわらず。
将来を夢見て、本を朗読し、テレビで標準語を覚え、日常でも標準語を使い、日記を書き、詩を覚え、歌を歌い、少女ながら努力したことだろう。
しかし、この映像では、表情筋が、顔の表情をつくるように、声の表情を作っているのだと思うばかりだ。
唇を、正確に、早く、動かす技術こそが、淳子さんの声を作っている。この映像を見て確信した。
NHKのビックショーでの、スキャットもみて欲しい。あの鍛えられた口の動きはいつ習得したものだろうか。
神津善行さんとのスキャットのデュエットも絶妙だった。
淳子さんは、いろいろな音色の声をもつが、アニメ『まことちゃん』に即興で挑戦するシーンがあり、これがなかなか聞き応えがある。これも、日頃のトレーニング無しには、語れぬ技だろう。
モノマネ以外でも、コントの声もはまっている。
ドラマの小浪ちゃんの声はキレがある。
『病院坂・・・』は、岩下志麻さんばりの凄みを予感させる。
彼女が、言葉というものに対して、特別な思いを持ち、精進してきた。
天性の才能にもまして、努力の人だったといえるであろう。
水着で見せる『割れた腹筋』が、彼女の努力を物語るのかもしれない。
山口百恵さんも認めるその努力を。
デビューした年、花売り娘の格好で、観客席から登場した淳子さんだが、
イライザの花売りと重なるのは、私だけだろうか。
それにしても、キレイな日本語を奏でる一人であったと思う。
追伸
20歳過ぎの淳子さんのインタビューを聞いていると、実は、兼高かおるさんの発声を思い出す。
矛盾する言い方かもしれないが、上品な、たどたどしさと言った感じだ。
演じている時とのギャップを感じる。
やはり、本来の東京弁ではないからだろうか。そういう私も田舎ものだから、余計にそう感じるのかもしれない。
まずこの演出の優れたところを取り上げてみよう。
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オリジナルの映画『マイ・フェア・レディ』
The rain in Spain stays mainly in the plain.
(スペインの雨は主に広野に降る)
これは「ヒギンズ教授」が「イライザ」に与えた「練習句」で、その特徴は、各単語が韻を踏んでいることだ。
韻を踏んだ「早口言葉」で、
「ai」とならずに「ei」
と正しく発音する事によって、ロンドン下町のコックニー特有の訛を矯正しよう、というのがこの歌だ。
因みに、マイ・フェア・レディという本作品の表題も、実は「Mayfair Lady」であり、「ロンドンの高級住宅街メイフェアに住む淑女」というのを、「コックニー訛」によって訛って「マイ・フェア・レディ」になってしまったと言う、実に気がきいた、洒落っ気のあるタイトルとなっている。
もちろん、掛詞なのだが。
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オリジナルがこのように凝った作りとなっているなら、『今夜は最高』の作品も凝っている。
まず、タモリさん
『ボウズがビョウブにジョウズにボウズの絵を書いた』
淳子さん
『ボンズがビョンブにジョンズにボンズの絵を書いた』
とでもなるのだろうか。
韻の踏み方も、早口言葉の選定も見事というしかない。
これをパロディーと言うには勿体無い。
放送作家高平 哲郎さんの力量がわかるというものだ。
演出がいいと、淳子さんもこれに応える。
もちろん、お笑いなしの真剣勝負で取り組む。
いつもながら、そこまでやらなくてもと思うぐらいだが。
しかし、ここで注目したいのは、淳子さんの発声だ。
口を横に大きく広げたり、縦に割ったり、その口の動きは、『アニー』で相当鍛えた、と思わずにはいられない。
もともと、デビュー当時から、言葉が単語としててはなく、一つ一つの『音』として、クッキリして聞きやすいし、強弱も細かく、抑揚もある。
彼女の朗読は、確かにうまい。今さら言うまでもないが。
もちろん、デビュー当時から、彼女に訛りなど感じたことはなかった。
秋田から上京して、わずか5ケ月にもかかわらず。
将来を夢見て、本を朗読し、テレビで標準語を覚え、日常でも標準語を使い、日記を書き、詩を覚え、歌を歌い、少女ながら努力したことだろう。
しかし、この映像では、表情筋が、顔の表情をつくるように、声の表情を作っているのだと思うばかりだ。
唇を、正確に、早く、動かす技術こそが、淳子さんの声を作っている。この映像を見て確信した。
NHKのビックショーでの、スキャットもみて欲しい。あの鍛えられた口の動きはいつ習得したものだろうか。
神津善行さんとのスキャットのデュエットも絶妙だった。
淳子さんは、いろいろな音色の声をもつが、アニメ『まことちゃん』に即興で挑戦するシーンがあり、これがなかなか聞き応えがある。これも、日頃のトレーニング無しには、語れぬ技だろう。
モノマネ以外でも、コントの声もはまっている。
ドラマの小浪ちゃんの声はキレがある。
『病院坂・・・』は、岩下志麻さんばりの凄みを予感させる。
彼女が、言葉というものに対して、特別な思いを持ち、精進してきた。
天性の才能にもまして、努力の人だったといえるであろう。
水着で見せる『割れた腹筋』が、彼女の努力を物語るのかもしれない。
山口百恵さんも認めるその努力を。
デビューした年、花売り娘の格好で、観客席から登場した淳子さんだが、
イライザの花売りと重なるのは、私だけだろうか。
それにしても、キレイな日本語を奏でる一人であったと思う。
追伸
20歳過ぎの淳子さんのインタビューを聞いていると、実は、兼高かおるさんの発声を思い出す。
矛盾する言い方かもしれないが、上品な、たどたどしさと言った感じだ。
演じている時とのギャップを感じる。
やはり、本来の東京弁ではないからだろうか。そういう私も田舎ものだから、余計にそう感じるのかもしれない。