『彼女ほど何に対しても素直で、真剣な女性を私は知らない。』
この一節の引用元は、書くに及ぶまい。
彼女とは桜田淳子さんのことで、書いたのは、山口百恵さんで、引退して間もなくの時だ。
しかし、『蒼い時』で、この一節とその下りは必要だったのだろうか。
僕らは、淳子さんの一途な真面目さが好きだった。飾りのないまっすぐな歌い方がそれを表している。
それは、青春の在り方そのものだったからだ。
下りの締めくくりは、『自分自身が苦しくなってしまう一番の原因である』と書かれているが、正直なところ、貶めるように思えてならなかった。
今、再び、淳子さんの宗教問題が脚光を浴びている。
宿命を背負わされての30年は、どうだったのだろうか。
旧統一協会の良さは、全くと言っていいほどわからない、淳子さんが信じていることを尊重しようと思っているに過ぎない。
相手が誰であれ、笑顔を届けようとする思い。それが、桜田淳子という生き方なのだろうと思う。
法律を捏ね回す人、うわべを見て判断する人には、わかってもらう必要はない。
そして、淳子さんは、これまでも、これからも、決して苦しくなっていない。
もし、百恵さんが、『続 蒼い時』を、書いてくれたら、そう代弁してくれるだろう。
僕は、それを信じている。