風に吹かれても!雨にうたれても!

桜田淳子さんの幸せを願うとともに、良き70年代の心を少しでも残したいと思います。

円熟の味ーサンタモニカの風

2012-09-21 13:55:05 | 日記
79年を語る時がきた。
この年、21歳の並外れた才能を観ることができた。

桜田淳子さんの成長は著しい。

ハツラツとした眩い輝きの頃は終わり、芸能生活7年目を迎え、既にベテランの域に差しかかる時だった。

歌、ドラマ、お芝居、映画、コント、彼女のパフォーマンスは各方面に渡っていた。

本来、淳子さんは、演劇志望であることは、周知のことであるが、この年の2月、NHKのビックショーというステージを経て、ファンに一つの記念碑を残してくれた。

その淳子さんの代表作の一つ『サンタモニカの風』は、そんな彼女の円熟期のものである。

エレガントという言葉が、ぴったりだった。

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唄 桜田淳子
作詞 阿久悠
作曲 萩田光雄


来て 来て 来て 来て サンタモニカ
来て 来て 来て 来て サンタモニカ

夜のホテルの窓に
もたれかかってぼんやり
風に吹かれていたら
不意に電話が鳴った

きっとあなたと思い
白い受話器を握れば
只の友だちからの
妙にはしゃいだ電話

あなたが来たら ハネムーン
あなたなしでは メランコリー

来て 来て 来て 来て サンタモニカ
来て 来て 来て 来て サンタモニカ
サンタモニカから愛をこめて
風の言葉を送ります

浅い眠りの果てに
ひとり夜明けの珈琲
シュガー落してのめば
朝の光がさした

時の流れの早さ
昇る朝日に思えば
愛の残り時間
後はわずかになった
二人でいれば ハネムーン
一人きりなら メランコリー

来て 来て 来て 来て サンタモニカ
来て 来て 来て 来て サンタモニカ
サンタモニカから愛をこめて
風の言葉を送ります

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阿久悠さんが、21歳の淳子さんの成長を綴ったものである。

出だしは、『来て来て』と直線的だが、エアコンのCM用として、判りやすい表現になっている。

『夜のホテルの窓に
もたれかかってぼんやり』

から、本来の阿久悠さん特有の情景描写がたんたんと綴られていく。

そして、その繊細な描写の中に、女性の心理が巧みに織り込まれていく。

待ってる女性の思いが、『夜』と『夜明け』の2枚のフォトとして、忠実に描かれている。

それが、この曲だと思う。
実に鮮やかな風景だ。

サンタモニカの風の一押しYouTubeは、『YOUNG OH! OH!』だと思う。

『エレガント・ステージ』と名付けられた、3曲のミニステージで、その前のリップスティックもいい。
真ん中で『ワンスアポン ア タイム』を挟むが、実はこれが素晴らしい。

この3曲、YouTubeの淳子さんの数ある歌唱シーンでもベストなものだと思う。

声量、高音の伸び、低音の深さ、文句なしだ。振り付けも優雅な色を添えている。
ビックショーのステージ経験が結集していると思う。

円熟という言葉が相応しい。
この年の『病院坂の首縊りの家 』の名演へとつながって行く。

淳子さんの『円熟の79年』を代表するものだったといえるであろう。


追伸 この曲の出始め、『スター交歓図裁判』の証人尋問で、トップバッターとして法廷に立ったことがある。
涙の会見があり、これをどう考えるか、意見の別れるところではあるが、淳子さんが、大人になるステップだったと理解している。

サンタモニカの風という爽やかさの対照として、そんなことが脳裏をよぎる。

蛇足ながら、先日、誤って『井戸を掘った人』を掲載してしまいました。
こちらは、別ブログに移しました。
今回、そう言った意味も含めて、79年のナショナルCMソング『サンタモニカの風』をアップしました。

しかし、偶然とはいえ、私の二つのブログは、読まれる方が、異なることに気づきました。

本来、このブログは、淳子作品を問い直すものであり、『何をか言わんや』は、淳子さんそのものに向けられた否定評価を見直すものです。

いづれも、プロトタイプの未熟さがあることは、言うまでもありませんが、いづれ、どなたかが完成品を語り継いで頂けるものと信じています、

それが、淳子さんなら嬉しいのですが。