何がいいといっても、その立ち居振る舞いがいい。
三人娘の涙の卒業式、武道館コンサートでの映像だ。
淳子さんの歌唱シーンは最高だ。
この映像は、私の聖域のひとつだ。
楽曲は、『あなたのすべて』
衣装は、ティンカーベルを髣髴とさせる、青いミニにシルバーの星があしらってある。
前年の紅白で着用したもので、淳子さんのお気に入りのステージ衣装なのであろう。
次の『気まぐれヴィーナス』でも着たことがあるほどだ。
もっとも、このときは、お母さんの一声で、以後、着用を止め、赤いホットパンツに変更したという記憶がある。
正に、淳子さんにしか着れない。というより、似合わないステージ衣装だ。
しかし、この衣装に惑わされないで欲しい。
実は、このときの立居振る舞いにこそ、淳子さんが表現されている。
ファンの手拍子に合わせ、手拍子を8回うちながら、ゆらゆらとステージ中央に位置合わせする。
そして、ファンに一礼する。
この一連の自然な動作をみるにつけ、この当時のアイドルの完成度の高さを感じずにはいられない。
語るには惜しいが、気持ちを記録にとどめたいと思う。
ステージ中央に立った淳子さんは、深々と最敬礼するのだが、ヒールも含めて二等身の体が、しなるようにほぼ二つ折りになる。
が決して、首は下がっていない。背筋は伸び、鮮やかな角度だ。
所要時間はほぼ3呼吸分とパーフェクトな長さだ。
そして、流れ星が尾を引くように、スーット元のポジションに戻っていくのだ。
その後、右手で、若干乱れた髪を自然な動作で修正し、4回ほど指を鳴らしながら、徐々に演奏にあわせていく。
そして、歌唱に入っていく。
『もう、どこへも行かないでお願いです。
とても一人では、明日から歩いて行けないのです。』
最初、訴えかける表情で通すのかと思えば、
『歩いて行けないのです』のところでは、少し笑みを浮かべて、のぞき込むような表情になるのが、何とも愛くるしい。
さしづめ、ティンカーベルならこんな小悪魔的な表情を浮かべるのだろうか。
『天使』というより『妖精』に近い感じだ。
世の中の男子ティンエージャーで、この段階で落ちる人は多いかもしれない。
まさに、危険水域に入り、警告音が聞こえてきそうだ。
そして、
『あなたの手、あなたの目、あなたの胸』
と、弾丸のような言葉を、3発打ち込まれると、胸が苦しくなるだろう。
しかも、マイクを持ち替え、差し出された左手の平から、妖精の粉が四方に放たれる。
すると、辺りがキラキラしてくる、そんな感じだ。
『いいえ、そのすべて近くに感じたい私です。』
とうっとり言われると、ティンカーベルに誘われて、宙をも飛んでいる気持ちになるから不思議だ。
『そっと重ねた、あなたの口付けを、愛と思ってもいいのでしょうか。』
と高らかに歌い上げて、星空の遊泳を楽しんだ後、いっしょに地上に降り立つ。
『紫の夜に、白い花が咲いて、そして、季節が春になっていったのです。』
紫は、古来より高貴な色を表現するものであり、闇に包まれ、そして『初めての夜』を静かに迎える。
『あなたのすべて』には、桜田淳子のすべてが凝縮された歌といっていいと思う。
70年代生きてて、ほんとに良かった。
なんとも幸運だったとしかいいようがない。
追伸 淳子さんにクレームがあるなら、歌いだしの礼をするとき、
『どうも ありがとうございます。』というのだが、
語先後礼ということなら、若干ではあるが、お辞儀のタイミングが早いかな。
しかし、これとて、曲のタイミングを考えるとき、ぎりぎりだったと思う。
絶妙のタイミングと理解したい。
三人娘の涙の卒業式、武道館コンサートでの映像だ。
淳子さんの歌唱シーンは最高だ。
この映像は、私の聖域のひとつだ。
楽曲は、『あなたのすべて』
衣装は、ティンカーベルを髣髴とさせる、青いミニにシルバーの星があしらってある。
前年の紅白で着用したもので、淳子さんのお気に入りのステージ衣装なのであろう。
次の『気まぐれヴィーナス』でも着たことがあるほどだ。
もっとも、このときは、お母さんの一声で、以後、着用を止め、赤いホットパンツに変更したという記憶がある。
正に、淳子さんにしか着れない。というより、似合わないステージ衣装だ。
しかし、この衣装に惑わされないで欲しい。
実は、このときの立居振る舞いにこそ、淳子さんが表現されている。
ファンの手拍子に合わせ、手拍子を8回うちながら、ゆらゆらとステージ中央に位置合わせする。
そして、ファンに一礼する。
この一連の自然な動作をみるにつけ、この当時のアイドルの完成度の高さを感じずにはいられない。
語るには惜しいが、気持ちを記録にとどめたいと思う。
ステージ中央に立った淳子さんは、深々と最敬礼するのだが、ヒールも含めて二等身の体が、しなるようにほぼ二つ折りになる。
が決して、首は下がっていない。背筋は伸び、鮮やかな角度だ。
所要時間はほぼ3呼吸分とパーフェクトな長さだ。
そして、流れ星が尾を引くように、スーット元のポジションに戻っていくのだ。
その後、右手で、若干乱れた髪を自然な動作で修正し、4回ほど指を鳴らしながら、徐々に演奏にあわせていく。
そして、歌唱に入っていく。
『もう、どこへも行かないでお願いです。
とても一人では、明日から歩いて行けないのです。』
最初、訴えかける表情で通すのかと思えば、
『歩いて行けないのです』のところでは、少し笑みを浮かべて、のぞき込むような表情になるのが、何とも愛くるしい。
さしづめ、ティンカーベルならこんな小悪魔的な表情を浮かべるのだろうか。
『天使』というより『妖精』に近い感じだ。
世の中の男子ティンエージャーで、この段階で落ちる人は多いかもしれない。
まさに、危険水域に入り、警告音が聞こえてきそうだ。
そして、
『あなたの手、あなたの目、あなたの胸』
と、弾丸のような言葉を、3発打ち込まれると、胸が苦しくなるだろう。
しかも、マイクを持ち替え、差し出された左手の平から、妖精の粉が四方に放たれる。
すると、辺りがキラキラしてくる、そんな感じだ。
『いいえ、そのすべて近くに感じたい私です。』
とうっとり言われると、ティンカーベルに誘われて、宙をも飛んでいる気持ちになるから不思議だ。
『そっと重ねた、あなたの口付けを、愛と思ってもいいのでしょうか。』
と高らかに歌い上げて、星空の遊泳を楽しんだ後、いっしょに地上に降り立つ。
『紫の夜に、白い花が咲いて、そして、季節が春になっていったのです。』
紫は、古来より高貴な色を表現するものであり、闇に包まれ、そして『初めての夜』を静かに迎える。
『あなたのすべて』には、桜田淳子のすべてが凝縮された歌といっていいと思う。
70年代生きてて、ほんとに良かった。
なんとも幸運だったとしかいいようがない。
追伸 淳子さんにクレームがあるなら、歌いだしの礼をするとき、
『どうも ありがとうございます。』というのだが、
語先後礼ということなら、若干ではあるが、お辞儀のタイミングが早いかな。
しかし、これとて、曲のタイミングを考えるとき、ぎりぎりだったと思う。
絶妙のタイミングと理解したい。