ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

An Independent Woman

2007年11月09日 | C

Candace Camp. 2006. An Independent Woman. Mira Historical Romance.

日本のロマンスファンのブログを拝見するとCandace Campの名前がよく出てくるので、私も試してみました。
An Independent…は前半は典型的なHQのお手本どおりの「安全型」のお話でしたが、後半崩れでした。


Story:       
Dialogue:  
Hero:        
Heorine:    
Sensuality: 

Julianaは、幼い頃父が亡くなってしまうと何も残されておらず、母と一緒にTrenton家の厄介者として敷地内の離れ家屋で暮らします。
母のいとこであるLilithと主人のTrentonとその子供達はものすごくイジワルで、Julianaはシンデレラのような子供時代を過ごしました。
しかし、彼女と同じ状況にいた子供がもう一人いました。両親をなくし、Trenton一家に引き取ってもらっていたNicholasです。
お互い何も言えない・できない立場で、他に友達もいず、二人はすぐに友情を築きます。

しかし、ある日Nicholasは突然家を出てしまい、二度と戻ってくることはありませんでした。

そして二人は成長して大人になり、とある夜会で再会します。

Nicholasはお金持ちの立派な紳士となり、伯爵(だったかな?)の爵位も継いでいました。
Julianaは影のような存在のコンパニオンの仕事をしてボチボチ暮らしていました。


本の裏に書かれているあらすじはネタばらしになってます。

ここで、イジワルな女性のコンパニオンなんて地味な仕事をして、苦虫を噛み潰す毎日のJulianaの生活を目の当たりにしたNicholasは、結婚を申し込みます。
でも、これが起こるのは、お話の中盤を過ぎたあたりです。

びっくりしたのは、題名は「An Independent Woman」なのに、Julianaはあっさり結婚を承諾してしまうことです。
悩みに悩んだ末…という印象を与えたかったのか、2ページほどJulianaは悩み、「断るぞ」という印象を読者に与えておいたのに、その場になってあっさりYesと言ってしまうその理由がヒロイン自身にも読者にも結局分からずじまいでした。

それに、後半はお粗末なミステリーに集中してしまいます。


Julianaが「あのNicholasがこの同じ部屋にいる、私のことわかるかしら」とか、「もし私だと分からなかったら傷つくから、やっぱり私がここにいることに気づいてほしくない」などの気持ちは読んでいてドキドキ。
NicholasがすぐにJulianaに気づいて、誰にでもそっけなかった態度を一変させて昔の頃のような嬉しそうな表情を見せた時のことや、二人が再会してからすぐに、少しでも一緒に時間を過ごそうとする様子などは、ロマンチック。
と前半は夢のようなシンデレラストーリーでした。

ただ、他の出版社のロマンス小説と比べて、HQのお話があんまり深みのない印象を与えてしまう理由の一つに、お話の展開やキャラの設定にフォーミュラができてしまっているというのがあります。
このお話でも、登場人物の設定が特に、悪者は悪者で邪悪な面しかなく、H/Hとその仲間達は完璧な善人なので、短絡的な印象さえ受けました。

最近HQをいくつか読んで、どうしても自分が気に入らない点が目についてしまうのですが、でも、C.Campが北米でも日本でも人気な理由がわかったようにも思います。特にH/Hの心情はよく描かれていたと思います。



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