ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

Total Surrender

2006年05月15日 | H-I
Total Surrender
By Cheryl Holt (2002) St. Martin's Paperbacks

Holtの作品2作まとめて。シリーズではありません。

昔のハーレクインロマンスと違い、最近はロマンスノベルは一般的に大人の女性をターゲットにしています。読者や年齢層が増えると共に、色々なサブカテゴリーも出来ました。Contemporary, Regency, Historical, Romance Suspense, Humour, Erotica, Vampire, Paranormal, Time Travel, Futuristic Romanceなど。
Holtの作品はこの中のEroticaのカテゴリーに入るものが多いようです。ラブシーンがとにかく多く内容もポルノすれすれのところなので、ラブロマンスを楽しみたい読者向けではありません。国によっては出版できないか官能小説扱いでしょうね。好きであれば作者もファンも文句はないのでしょうが、こういう作品がロマンスノベルファンに対する偏見を招くのだと思わずにはいられません。
なんにせよ、Eroticaとはどんなものかと思ってホルトを一冊買ってきて読み終わってがっかりしました。ふと気がつくと、彼女の別の作品を図書館で借りてきてあり、こっちはましかもと思って読みましたが…。なんともかんとも…。

Story:   
Dialogue: 
Hero:     Cad
Heroine:  
Sensuality: Repetitive and Disgusting.

家の財産を兄のギャンブルで食い尽くされてしまったLady Sarah Comptonは、貧乏生活に入る前に最後の思い出にとハウスパーティーに参加します。その毎年恒例のハウスパーティーとは乱交ありの悪名高いものだとSarahは知りませんでした。大胆にも彼女の入浴室に座って自分のことを見ていた紳士がMichael Stevensという悪名高き女たらしだということも知りませんでした。

とある伯爵の庶子であるマイケル、彼の女性関係はロンドンで最も有名です。ロンドンに嫌気がさしてハウスパーティーにきましたが、純粋な雰囲気の漂う赤毛美人サラを、自分の「客」と勘違いし誘惑に取りかかります。勘違いだと分かると、サラのような純粋なレディーがいる場所ではない、と帰るよう言いつけますがサラは聞きません。ちょっとダークな背景があるヒーロー・マイケルは、美しいけど頑固で自分の忠告を聞き入れないサラを、こんな卑猥なパーティーの最中、どうしても放っておくことができません…。

Spoiler(今回のSpoilerは読んでほしいです。)
何が嫌かって、ヒーローがお金こそもらってないけど「娼夫」なんです。
性生活に満足していないレディー達が入れ替わり立ち代り彼の所に来るのですが、彼はそんな彼女達の欲望を満たしてあげるのです。
しかも!ヒロインの部屋がたまたま「事」が起こる部屋の隣だったので、邸宅ものぞき穴だらけだし、彼女はのぞき穴から全てを見聞きするんです。全部は見えないし経験のない彼女は何が起こっているのかよく分からないということだけど、

いや、分かるでしょーー!!?? 結構グラフィックだしぃ!

セリフは70年代のポルノ並み(?)でかなり笑えるけど、ロマンスノベルではやっちゃいけません。
さらに、マイケルはサラと結婚することになりますが、貧乏でケチでずるがしこいサラの兄がこの結婚を企てたと(かなり強引に)勘違いし、マイケルは激怒します。
結果彼は、借金で何もかも全てなくなってしまったサラの実家に彼女を置き去りにし半年間放っておきます。仕送りもしません。
サラは暖炉に火をともすこともできず一人で畑をたがやし自足自給の生活を6ヶ月おくります!
こんなひどい男はロマンスノベルのヒーローどころか、人間として魅力ありません。
さらに、彼が色々とジゴロになった理由を書き立てますが、全く納得いきませんよ、Ms. Holt。

それに、最後サラのように許せる人間はバカとしか言いようがありません。

アマゾンでもあまり人気がないのに出し続けているところをみると、結構需要があるのでしょうか。              


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