65歳以上の高齢者、世界最高の29%…就業者に占める割合も過去最高13・6%
9・19・2021
総務省は20日の敬老の日に合わせ、65歳以上の高齢者の推計人口(9月15日現在)を発表した。高齢者は前年比22万人増の3640万人、総人口に占める割合は同0・3ポイント上昇して29・1%となり、いずれも過去最高を更新した。働く人全体に占める高齢者の割合も過去最高となっており、政府は高齢者の就労環境の整備を進めている。
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高齢者の男女別内訳は男性1583万人、女性2057万人。世代別では70歳以上は前年比61万人増の2852万人、80歳以上は同46万人増の1206万人となった。一方で、日本の推計人口(9月15日現在)は1億2522万人で、前年より51万人減少した。
国連の調査では、2021年の総人口に占める高齢者の割合は日本がトップで、2位がイタリア(23・6%)、3位がポルトガル(23・1%)などとなっている。
今年1月公表の労働力調査を基にした総務省の集計では、2020年の高齢者の就業者数は前年比14万人増の906万人で、比較可能な1968年以降では過去最多を更新した。高齢者のうちの就業者数の割合は同0・2ポイント上昇して25・1%で、4人に1人を超えた。
15歳以上の就業者の総数(6676万人)に占める高齢者の割合も過去最高の13・6%となった。
政府は人口減に伴う労働力不足対策や、社会保障の「支える側」を増やす目的で、働く意欲のある高齢者の就業機会の確保に力を入れている。今年4月施行の改正高年齢者雇用安定法では、70歳までの就労機会の確保を企業の努力義務として定めた。
高齢者雇用に詳しい東京学芸大の内田賢教授(人的資源管理論)は「高齢者の生きがい作りのためにも、働く場の多様な選択肢が求められる。定年後のキャリアを早い段階でイメージすることも重要で、企業側も社員研修などの機会を設けるべきだ」と指摘する。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、総人口に占める65歳以上の割合は2025年には30%となり、第2次ベビーブーム世代(1971年~74年生まれ)が65歳以上になる40年には35・3%に達すると見込まれる。
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