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大学病院が多い都道府県ほど平均寿命が短い

2024年08月20日 20時05分39秒 | 医療のこと


大学病院が多い都道府県ほど平均寿命が短い…和田秀樹「高齢者が迂闊に大学病院へ行ってはいけない理由」専門医による臓器別の診療は高齢者の健康や長寿に役立たない


PRESIDENT Online

和田 秀樹精神科医
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高齢者はどんな医者にかかるべきか。医師の和田秀樹さんは「複数疾病を抱えている可能性の高い高齢者には、大学病院の専門医による臓器別の診療スタイルは不向きだ。あるデータでは、大学病院が多い都道府県ほど平均寿命が短くなる傾向があることを示している。超高齢社会に求められるのは『総合診療』だ」という――。

※本稿は、和田秀樹『70歳からは大学病院に行ってはいけない』(宝島社新書)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/EscoLux※写真はイメージです全ての画像を見る(3枚)
大学病院の治療でヨレヨレの悲惨な状態になる可能性

大学病院に、みなさんはどのようなイメージをもっていますか。優秀な医師がたくさんいる? 自分にとってベストな治療が受けられる?


残念ながら、どちらも実態とはかけ離れたイメージと言わざるをえません。もっと言うと70歳以上の方の場合はむしろ、大学病院で治療を受けてしまったがゆえに、残りの人生をヨレヨレの悲惨な状態で過ごさなければならなくなる可能性すらあります。


そもそも、治療とは誰のためのもの、何のために受けるものでしょうか。当たり前ですが、治療を受けるその人自身が、よりよく生きられること。自己決定権を尊重されて、その人の望む暮らし方に少しでも近づけること。これこそが治療の本来の目的であるはずです。


ところが、大学病院の多くの医師にとって、関心があるのは、臓器の機能を示す数値データが正常値か否かということ。彼らにとって、患者さんの暮らしぶり、人生哲学などは、およそどうでもいい情報にすぎません。


結果として、その人の人生という唯一無二の大切なものをないがしろにしたまま、自分が担当している臓器を正常値に戻すことだけが目的化してしまうような本末転倒な治療、個人の特性を無視した、ステレオタイプな治療が横行してしまっています。


患者さんとまともに対話しようとしない。家ではどんな暮らしぶりなのか。今、どのようなことに不安を感じているのか。食事は、運動は、趣味は……。
患者さんから話を引き出す努力もせず、薬をきちんと管理できているのかすら配慮せずに、数値と睨にらめっこして独断的な投薬を繰り返す。果たしてこれで「患者主体」の治療を実現できるでしょうか。



診ているのは人間ではなく「臓器」


大学病院には2つの役割があります。ひとつは、最先端の研究などを踏まえた高度医療を提供するというもの。もうひとつが、医師を養成するということ。
高度医療を提供する場であるのだから、大学病院に行けば、最先端の知見と技術をあわせもった優秀な医師から、自分にとってベストな治療を受けることができる。そう考える人は少なくありません

しかし、最先端の研究に基づいた検査や治療、投薬を受けられるかどうかということと、あなたの身体や人生にとってベストな治療であるかどうかは、まったく別のものです。

とくに70歳以上の高齢者は、大学病院で治療を受けるべきではないと私は考えます。

トラブルを抱えた臓器の数値が正常値に戻ったとしても、手術による体力低下や投薬の副作用など、ある種の力技ともいえる治療によって肉体の別の部分がダメージを受け、退院する頃にはひどくヨボヨボになって帰宅するような羽目に陥りかねないからです。

それは、「臓器別診療」という大学病院の診察スタイルが、高齢者に求められる治療ニーズとかけ離れていることに起因します。

高齢者が抱えている疾病は1つでない場合が多い

みなさんご存じのことと思いますが、今の大学病院に「内科」という科はありません。「呼吸器内科」「消化器内科」「循環器内科」などに細分化されています。

あるいは「外科」という科もありません。「脳神経外科」「呼吸器外科」「乳腺外科」といったカテゴリーになっています。こうして細分化し、臓器別の診療を行っているわけです。

この臓器別診療は、現代医学の理想の形として長らく実現を目指されてきたものでした。高度医療を提供し、難易度の高い手術を担う。そのために、医学部の医者たちは、それぞれが専門の臓器に特化して研究し、その専門性を高めてきたのです。

その結果、1970年代頃から、こうした「臓器別診療」が各大学病院でスタートします。


写真=iStock.com/Akarawut Lohacharoenvanich

※写真はイメージです


当時、65歳以上の高齢者は人口の7%程度でした。まだ高齢化が進行していなかった社会において、この臓器別診療が一定の役割を果たしたことは間違いありません。

多くの難病患者さんたちが、専門性の高い臓器別診療のおかげで命をながらえてきました。50代くらいまでの患者さんであれば、臓器別の高度医療による治療は効果的だと言えるのです。

しかし、2021年現在、65歳以上の高齢者の割合は29.1%まで上昇しています。高齢になると、1つの臓器だけでなく、こっちにもあっちにもガタがきているという状態になっている人が少なくありません。

若年層の患者さんであれば、抱えている不調は1つだけ、ということも多いでしょうが、高齢者の場合は、3つも4つも疾病を抱えているという状態になりやすい。


高血圧でありながら、軽い糖尿病もあり、コレステロールが基準値オーバーで、骨粗しょう症も抱えている、といった具合です。身に覚えのある方も多いでしょう。

そうなると、血圧を下げるための降圧剤やコレステロール値を下げる薬を循環器内科で処方され、内分泌代謝内科で血糖値を下げる薬が処方される。尿もれが頻繁に起きてくれば、泌尿器科で膀胱収縮を抑える薬が出されるでしょう。
高齢者が薬漬けになりやすいことは広く知られていますが、飲むというより食べるといった量の錠剤を毎日口にしている人もいます。

こうなってくると、症状を軽減させるという薬の効果よりも、副作用の害のほうが大きくなりかねません。高齢になると代謝機能も落ちてきます。体内に摂取した薬を排出しづらくなってくるため、深刻な腎障害を起こす可能性もあります。

医療費の点でも問題です。複数の医師にかかる診療代や各科で処方される薬代など、一人のかかりつけ医に診てもらう場合よりもはるかに医療費が嵩かさんでしまいます。臓器だけを見て、患者自身の健康をトータルに見ようとしない臓器別診療により、体への負担も財政への負担も大きくなってしまうということです。


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