藤井聡太王位、大逆転で指し直しの激戦制す 王位戦第1局 5連覇に向けて好スタート (msn.com)
将棋の藤井聡太王位(21)=竜王・名人・王座・棋王・王将・棋聖=に渡辺明九段(40)が挑戦する伊藤園お〜いお茶杯第65期王位戦7番勝負(東京新聞主催)の第1局は7日午前9時、名古屋市の「徳川園」で再開、指し継がれ、午後3時44分、80手までで千日手が成立。30分後に始まった指し直し局は午後9時13分、後手の藤井が136手で勝ち、5連覇に向けて好スタートを切った。
盤を見つめる藤井聡太王位=名古屋市東区の徳川園で(潟沼義樹撮影)
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指し直し局の持ち時間は渡辺2時間20分、藤井1時間。残り時間は両者ともに1分。第2局は17、18日、北海道函館市の「湯元 啄木亭」で指される。
指し直し局は相掛かりの戦型に。渡辺は2二角成(25手目)と交換した後、角を打ち込んで飛車を転回し、8三同飛成(53手目)と成り込みに成功した。藤井は7二角(54手目)と攻防の自陣角を放って反撃。秒読みに追われる中、4六竜(86手目)と切って懸命に追いすがった。先手玉はぎりぎりのしのぎを見せ、逃げ切ったかと思われたが、渡辺の最後の寄せに失着があり、藤井が大逆転で激戦を制した。
立会人の藤井猛九段(53)は「渡辺九段がリードを奪い勝ちきると思った。これを逆転した藤井王位が強すぎる」と話した。
千日手局は右玉に構えて待機策に出た渡辺に対し、先手番の藤井が局面を打開できなかった。
◆「最後は詰みと思っていた」「勝ちになったかと思ったが…」
藤井聡太王位の話 (指し直し局は)早い段階で苦しくし、粘り強く指そうと思ったが、8三同飛成(53手目)で、それも難しくなった。最後は(自玉が)詰みと思っていた。結果は幸いしたが、内容は反省するところが多かった。
渡辺明九段の話 (指し直し局の)8三同飛成(53手目)で少しいいと思ったが、6四歩(56手目)で分からなくなり、その後いい手が指せなかった。最後は勝ちになったかと思ったが、詰みがあるなら指さなくてはいけなかった。